スマートウィンドウの基礎と応用
= 刊行にあたって =
 本書は、スマートウィンドウ(Smart Window)の基礎と応用について、筆者がこれまでに講義・
講演・執筆してきたことを中心にしてまとめたものです。
 スマートウィンドウは、電気・光・熱などの外部からの刺激に応じてその光学的特性が変化する
クロモジェニック(Chromo-genic)材料を用いるもので、萌芽的研究は約40年前に始まりました。
当時は、そうしたものを調光窓、あるいは調光ガラスということが多く、やがて総称してスマート
ウィンドウといわれるようになりました。著者はそうした先駆的研究開発に当初から携わり、
内外の多くの研究者たちと交流し、研究成果について討議する機会に恵まれ、今日に至っています。
 本書は、スマートウィンドウとは(1章)、予備知識:光学、電気化学(2章)、各種スマート
ウィンドウによる調光(3章)、スマートウィンドウの実用化における課題(4章)、まとめと
今後の展望(5章)、引用文献(6章)から構成されます。
 この分野は学際的なので、物理・化学・数学などの多くの分野の基礎知識を要しますが、必ずしも
読者の方々がそれらの専門家ではないことも鑑み、なるべく本書1冊で他の専門書を参照しなくても
ストーリーを理解できるように配慮しました。また、本書で説明した重要な理論や実験結果に
ついては、できるだけ原論文・原典を参照し、巻末に文献を章ごとに掲載しました。
 スマートウィンドウはいまなお成長している分野ですので、新たに生まれるバリエーションも
多く、本書ですべてを紹介することはできませんが、なるべく最新の動向も紹介しました。本書が
できるだけ多くの方にご活用いただき、皆様に少しでもお役に立てれば幸いです。
浮かび上がることでしょう。

                                      永井 順一
		
 
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