= 刊行にあたって =

 欧州や中国などがガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトを加速させている。中国政府は2018年にも自動車メーカーに一定以上の台数の生産を義務付ける規制を導入する意向である。イギリスやフランスは2017年7月、2040年までにガソリン車やディーゼル車販売を禁じる方針を表明した。
 一方で、日本には中国や欧米のようにEV普及を大胆に促す政策はまだない。省エネ車としてはハイブリッドカー(HEV)や軽自動車が普及し、日本メーカーの多くはEVシフトで後手に回っている。エコカーの本命はまだ見えない状況である。
 中国では2015年のEVの販売が前年比204.8%の11万8,600台、PHEVの販売が前年比169.8%の9万7,300台になり、米国を抜き世界一になった。さらに、多くのEV専業の新興メーカーも生まれている。
 今回、現地での取材を合わせて中国企業の取材を行うことで、中国政府の支援により、中国の自動車、電池、材料の企業は、今後さらに投資を進めていくことがわかった。自動車業界にはEVに代表される電動化技術の波が一気に押し寄せ、なかでも、中国のEV市場が注目を集める。本レポートが、中国での新たなビジネスモデルを構築する際に参考になれば幸いである。
CMCリサーチ調査部
中国におけるEV・LIB・部材の市場・企業動向
〜EVシフトに向けたビジネスモデルと外資企業戦略〜
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