脱炭素へ、EVの役割と電池・原材料の安定供給 2030/35年モデルと諸問題の検証
 冊子+CDセット
= 刊行にあたって =

 本書は筆者がこれまで2019年から調査・執筆した、「EVワールド・シリーズT、U、V」の続編である。ここでシリーズ名を「脱炭素ワールド」と改めて、EVを中心とした自動車の環境とエネルギー問題を、可能な限り定量的な、数値試算と技術的な観点から見てゆきたい。

 現在2021年の3Qにおいて、新型コロナウイルスの感染拡大は、出口が見え難いままである。同様にとは言えないが、地球温暖化の主たる原因であるCO2の増加は、長きにわたって対策を怠ったツケが、出口を塞いでいるとも感じられる。にわかに“脱炭素、カーボンニュートラル”へと世界が動いたのは、コロナ感染での心理的な影響もあるのではないか。
 この10年ほどEVないし、ハイブリッド車などは、主に都市部の大気環境の対策に効果があった。2020年に至って、主要各国は2030〜35年を目処として、ガソリン車の全廃とEVなどへの移行を表明した。EVバブル、リチウムイオン電池バブルの感さえある“自動車の脱炭素”であるが、ポストコロナの唯一の産業活性化への思いが背景にあろう。

 本書においては、以下の前編、中編、後編と資料編に分けて、「コロナ禍の世界と自動車生産の変動」、「電動車の環境&走行性能と脱炭素効果」、「電池と電池材料のサプライチェーンSC」に関するデータと数値試算を行い、上記の2030/35年モデルの可能性を検証したい。

更には頻発するEVの発火事故とリコールと、これに対する打開策としての全固体電池によるEVの現状も概説する。また急速充電インフラの整備、EVから燃料電池車FCVへの展開など、関連する事項も紹介したい。



 非常に大きな、変化の早いテーマだけに、正確さを期しがたいが、敢えて広範囲なデータ収集と解析を試みた。関係者の参考になることを願いたい。
調査・執筆:菅原 秀一 / 企画・編集:シーエムシー・リサーチ
脱炭素へ、EVの役割と電池・原材料の安定供給 
2030/35年モデルと諸問題の検証 冊子+CDセット
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