高分子 試読不可
 ソフトアクチュエータとは、軽量で柔軟な材料が変形することによりアクチュエータとして機能する材料、素子、デバイスのことである。これらソフトアクチュエータは人工筋肉とも呼ばれ、小型軽量、様々な駆動源、無音、極限条件・水中や大気中で動くなどの特徴があり、近年、開発が求められているリハビリや介護あるいは作業補助用のパワーアシスト用ウエアラブルロボットや医療手術支援ロボットなどのアクチュエータとして大きな期待がかけられている。このことは、2015年1月に経産省から発表された「ロボット新戦略」の中にも「高分子型軽量人工筋肉やそうした非線形性の高いシステムをスムーズに制御する制御理論」の研究開発が求められていることからも伺える。
 現在、研究開発が進められているソフトアクチュエータは様々な材料、駆動原理からなるが、本書ではその中で最も実用化に近い「ポリマー材料によるソフトアクチュエータデバイス」(第1部)及び「流体制御によるソフトアクチュエータデバイス」(第2部)を中心に、将来のソフトアクチュエータ技術として大きな期待が寄せられている「バイオ材料によるソフトアクチュエータデバイス」(第3部)を取り上げ、今後用途が広がると考えられる材料やデバイス、及びそれらの応用の最新の研究開発事例について、本分野の第一線で活躍されている大学・研究機関や企業の研究者・技術者の方々に分担執筆していただいた。さらに、序章において監修者3名によるソフトアクチュエータ材料、デバイス開発、及び市場開発動向に関する総論を加え、ソフトアクチュエータ開発の現況をご理解いただける様にした。
 ソフトアクチュエータは本書の目次をご覧になるとお分かりいただける様に、学問的には高分子科学、材料科学、電気工学、機械工学、ロボット工学、制御工学、生物物理学などの広範な分野にまたがった学術領域を形成しつつあるとともに、応用分野としても、オートフォーカスや手術デバイス、バイオチップなどの医療デバイスから介護やリハビリ用ウエアラブルロボット、さらに自動車車両分野、ユーザーインターフェース、センサー、発電等、多岐にわたって実用化が期待されている。本書はその広範にわたるソフトアクチュエータの最新技術を1冊にまとめたもので、ソフトアクチュエータに関連した開発にご関心のある技術者、研究者の方には手に取っていただいて必ず役に立つと確信している。
(監修者 はじめに)
2016年11月8日
本体65,000円+税
375頁
A4
S&T出版(株)
ISBN 978-4-907002-61-9 C3058
 

<序 ソフトアクチュエータ-総論>

<第1部 ポリマー材料によるソフトアクチュエータデバイスとその応用>

ポリマーゲルによるソフトアクチュエータデバイスの実用化とその課題

電気駆動ポリマーによるソフトアクチュエータデバイスの実用化とその課題

ロボットへの応用-医療分野

ロボットへの応用-生物模倣

ロボットへの応用-デバイス・その他

<第2部 流体制御によるソフトアクチュエータデバイスとその応用>

ロボットへの応用-医療分野

ロボットへの応用-福祉分野

ロボットへの応用-公共分野

ロボットへの応用-生物模倣

<第3部 バイオ材料によるソフトアクチュエータデバイスとその応用>
 
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