■日時:2024年10月30日(水) 13:30〜16:30
■会場:※会社やご自宅のパソコンで視聴可能な講座です
※ お申込み時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ず、ご確認ください。
■定員:30名
■受講料:38,500円(税込、資料作成費用を含む)
※複数でのご参加を希望される場合、お申込み追加1名ごとに16,500円が加算となります
※受講料の振り込みは、開催翌月の月末までで問題ありません
■主催:(株)AndTech
■講師:和田技術士事務所 代表 和田 信之 氏
■講演主旨:
積層セラミックコンデンサ (MLCC) は積層セラミック電子部品の中でもっとも小型化、高性能化が
進んでいます。この10年間で、MLCCの生産額は3倍近い成長を示しました。今後も、スマートフォーン
のB5GやAI化に向けて、車載用としては自動車のEV化、自動運転化に向けて、また、IoTの進展に伴い、
生活のあらゆる分野で、今後も大幅な需要の増大が予測されています。MLCCの小型化、高性能化は用
いるセラミック材料の材料特性に負うところが大きいと言えますが、その性能を発揮させるためのス
ラリーの分散、シート成形、焼成工程などの製造プロセス技術の高度化によるところも大きいと言え
ます。
本セミナーでは、MLCCの開発や製造にかかわる技術者、研究者の方、あるいはMLCCに必要な資材、
材料の開発、品質保証、製造にかかわる技術者、研究者の方に、MLCC開発で求められる技術、設計の
考え方を概説します。主にNi内部電極MLCCで薄層素子を形成するBaTiO3 (BT) 粉末の合成およびBT誘
電体セラミックス開発に必要な設計として、酸素空孔に関わる格子欠陥の生成、ドナーやアクセプター
元素などによる異種元素置換による格子欠陥制御など、熱力学的考察を交えて材料組成開発の考え方を
説明します。誘電体セラミックスの設計指針を理解することで、MLCC製造プロセス、品質管理、および
故障解析などMLCCに関わる業務を進める上で、MLCCの本質に迫った施策、対応が実施可能になると考え
ます。
■習得できる知識:
@セラミックス、コンデンサ、MLCCに関する基礎知識
ABT基礎知識
B酸化物の格子欠陥と酸素空孔生成
C酸素空孔移動制御
D電気伝導と信頼性
■プログラム:
1. 積層セラミックコンデンサ (MLCC) の基礎
1.1 セラミックスの基礎
・焼結
・平衡状態図
・コンデンサの分類
1.2 コンデンサのインピーダンス特性
・コンデンサの用途
・コンデンサの等価回路
・インピーダンス特性と
・コンデンサの用途(デカップリング、平滑、フィルターなど)
1.3 MLCCの概要
・温度補償系誘電体材料
・高誘電率系誘電体材料
1.4 Ni内部電極MLCC
・内部電極金属の酸化
・非還元誘電体材料
・MLCC用BTセラミック誘電体材料の変遷
2. BaTiO3 (BT) 誘電体セラミックスの基礎
2.1 BTの強誘電性
・BTの強誘電性と誘電分極
・BTの相転移
・BTのヒステリシスとバイアス特性
2.2 BTのサイズ効果
2.3 微粒BT粉末の合成
・固相法
・シュウ酸法
・水熱法
・加水分解法
・微粒BT粉末のc/a軸比
2.4 BT誘電体原料組成
・添加元素
・Aサイト、Bサイトの特徴
・BT誘電体原料製造
2.5 BT誘電体セラミックスの構造
・コアシェル構造とその役割
・非コアシェル構造
・粒成長と不均一歪
・不均一歪みと粒界の関係
3. Ni内部電極MLCC対応のBT材料
3.1 酸化物の還元現象の熱力学
・酸化と還元
・ギブスの生成自由エネルギー
・酸化還元平衡図(エリンガム図)
・平衡酸素分圧の計算
3.2 BTの酸素空孔生成
・酸素空孔濃度
・酸素空孔濃度の温度、酸素分圧依存性
3.3 BTの格子欠陥の制御
・元素置換(アクセプター、ドナー)
・BTの化学量論比
3.4 アクセプター元素置換効果
・半導体化防止
・酸素空孔の酸素分圧依存性
・Ca固溶BTの信頼性
3.5 ドナー元素置換効果
・酸素空孔移動現象
・会合欠陥の効果
・酸素空孔移動のシミュレーション
3.6 粒界の役割
・粒界の構造
・粒界の特性
・粒界での酸素空孔のトラップ
4. BTセラミックスの長期信頼性
4.1 BTの電気伝導性
・オーム則
・チャイルド則
・空間電荷制限電流
・放出電流
・電気伝導と酸素空孔移動の関係
4.2 酸素空孔移動に関わる分析例
・電子エネルギー損失分光(EELS)での分析例
・X線吸収スペクトル(XAS)での分析例
・ケルビンフォース顕微鏡での分析例
・熱刺激電流(TSDC)での分析例
・酸素空孔移動の活性化エネルギーの試算
4.3 MLCCの摩耗故障と加速性
・故障率曲線と摩耗故障
・摩耗故障の加速性(アレニウスプロット評価)
・温度加速
・電圧加速
・走査型広がり抵抗顕微鏡(SSRM)による摩耗故障品分析例
【質疑応答】
※当日以外のアーカイブ視聴をご希望の方は、お申込みの備考欄に『当日以外のアーカイブ視聴希望』
をご記入ください
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