■開催日時:2024年11月8日(金) 10:30〜16:30
■会場:本セミナーは、当日ビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
お申込み前に《こちらのご案内》をご確認下さい。
■受講料:49,500円(税込) * 資料付
*メルマガ登録者 44,000円(税込)
*アカデミック価格 26,400円(税込)
★ アカデミック価格:学校教育法にて規定された国、地方公共団体および
学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。
★【メルマガ会員特典】2名以上同時申込かつ申込者全員メルマガ会員登録を
していただいた場合、1名あたりの参加費がメルマガ会員価格の半額となります。
★ お申込み後のキャンセルは基本的にお受けしておりません。ご都合により
出席できなくなった場合は代理の方がご出席ください。
■主催:(株)シーエムシー・リサーチ
■講師:望月 政嗣 氏
元 京都工芸繊維大学 特任教授、工学博士(京都大学)、高分子学会フェロー
【専 門】
高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性プラスチック、
高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性
【経 歴】
1968年 京都大学 工学部 高分子化学科卒。
京都大学 工学部 助手を経て 1969年 ユニチカ(株)入社、中央研究所から大阪本社 技術開発企画室を
経て2003年 理事、テラマック事業開発部長。この間 山形大学と京都工芸繊維大学 客員教授 京都工芸
繊維大学 バイオベースマテリアル研究センター 特任教授 兼務。
2007年 ユニチカ(株) 定年退職後、京都工芸繊維大学 繊維科学センター 特任教授(常勤)として5年
間勤務。
この間、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部
長等を歴任。
【受賞歴】
繊維学会功績賞、日経BP技術賞、その他。
【著 書】
「生分解性プラスチック入門―生分解性プラスチックの基礎から最新技術・製品向まで―」(CMC
リサーチ)
「生分解性プラスチックの素材・技術開発―海洋プラスチック汚染問題を見据えて―」(NTS)
「バイオプラスチックの素材・技術最前線」(シーエムシー出版)
「生分解性ポリマーのはなし」(日刊工業新聞社)、その他多数
■セミナーの趣旨:
世界的にポリ乳酸生産設備の新設・増産計画が相次いでいる(2024年には約50万トン/年)。数あ
る生分解性プラスチックの中で、なぜポリ乳酸が選択されるのか?
通常の生分解性プラは使い捨て等の短期使用しかできないのに対し、ポリ乳酸は短期使用から長期
使用耐久性構造材料まで、既存の石油系プラスチックを代関し得る潜在的能力を有している。また、
通常の生分解性プラは基本特性からして細菌やカビが生え易い欠点を有しているのに対し、ポリ乳酸
は逆に優れた抗菌・防カビ性を発現する。
本講ではその学術的・技術的基礎を明らかにするために、ポリ乳酸の特異的な生分解機構や分解
(開始・速度)制御技術、ポリ乳酸の高性能・高機能化材料設計や成形加工技術と共に製品・市場開
発の最前線を踏査する。1980年代の後半より今日までの約35年間、産学両分野においてポリ乳酸の基
礎・応用研究から技術・事業開発までを世界に先駆け成し遂げた世界的第一人者による覚醒のセミ
ナーである。
■セミナー対象者:
・生分解性プラスチックの基礎から最先端技術の取得を目指す初級〜中級技術者、生分解性プラス
チックを用いての成形加工・加工品に興味のある方
■セミナーで得られる知識:
◇ 21世紀の地球環境保全と持続可能な資源循環型社会に向けての国内外動向
◇ ポリ乳酸の基礎と生分解特性、抗菌・防カビ性、高性能・高機能化技術
◇ ポリ乳酸の成形加工、製品設計と最新用途・製品・市場開発動向
■プログラム:
※ 適宜休憩が入ります。
1. 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
1.1 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
1) 海洋プラスチック汚染問題の正しい理解と生分解性プラスチックの役割
・ 海洋プラ濃度の経年変化(累積増加)曲線
・ 海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的(グローバルな)視点
・ 海洋自然生態系が許容し得る海水中の生分解速度…ポジティブコントロールとは
2) 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
3) 自然界が有する真のリサイクルシステムである物質循環(炭素循環)へのリンク
1.2 ライフサイクルアセスメント(LCA)による環境負荷の客観的・定量的評価
1.3 世界の法規制と業界動向
1) 世界の法規制動向
2) 欧米グリーンガイド指針…ポイ捨てを助長する生分解性(biodegradable)表示は禁止、
生ごみと共に堆肥化可能(compostable)表示
3) 生分解性プラスチックのcompostable認証基準とは
4) 業界動向…世界ラーメンサミット「大阪宣言」、ラーメン容器を生分解性に
1.4 生分解性バイオマスプラとしてのポリ乳酸の再資源化(リサイクル)
1) マテリアルリサイクル…配膳トレーからプランターへ(2005年 愛地球博)
2) ケミカルリサイクル…熱分解による原料ラクチドへの還元
3) バイオリサイクル
@ グローバルには、自然界の真のリサイクルシステムである炭素循環にリンク
A ローカルには、使用後に食品残渣(生ごみ)等と共にバイオリサイクル
・ 堆肥化/好気性下…肥料、土壌改良剤
・ バイオガス(CH4)化/嫌気性下…ボイラー、生ごみ発電
1.5 生分解性バイオマスプラの原料ソース…食料から非可食バイオマス資源への転換
1) 食料(デンプン)ではなく非可食の木材パルプ(セルロース)からポリ乳酸を
2) プラスチック原料を石油系ナフサから廃植物油由来バイオマスナフサへの転換
2. 生分解性プラスチックの分類、基本特性と最新動向
2.1 学術・技術用語の正しい理解
1) バイオプラスチックとバイオマスプラスチックの違いとは?
2) 日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度(2021年9月改定)
@ 生分解性プラ
A 生分解性バイオマスプラ
B バイオマスプラ
3) 生分解性とは…微生物が資化・代謝して無機化(CO2ガス発生)すること
2.2 生分解性認証試験…ISO14855、JIS K6395、その他
2.3 代表的な生分解性プラスチックの分類と特徴
1) 硬質タイプ…ポリ乳酸(PLA):Tg/Tm = 57℃/175℃
2) 軟質タイプ
@ ポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT):Tg/Tm = -35℃/115℃
A ポリブチレンサクシネート系(PBS, PBSA)Tg/Tm = -47〜-35℃/84〜115℃
3) その他…微生物産生ポリエステル系(PHBV, PHBH)、デンプン系など
2.4 生分解機構の分類と特徴
1) 酵素分解型…微生物が分解酵素を分泌し材料表面から分解(surface erosion)
2) 非酵素分解型…加水分解により全体的に崩壊・分解(bulk degradation)
3. ポリ乳酸の生分解機構と分解(開始・速度)制御技術
3.1 生分解機構と分解制御技術
1) 2段階2様式の特異的な生分解機構…生分解性と耐久性の両立可
・ 第一ステップ…化学的加水分解による分子量低下(強度低下)と形状崩壊
・ 第二ステップ…@で生成した水溶性乳酸を微生物が資化・代謝(生分解)
2) Tg:58℃≒生ごみ堆肥化温度…分解開始トリガー(自動スイッチオン機構)内包
3.2 分解速度制御技術と製品寿命…短期使用から長期耐久性構造材料まで
1) タイプ S(残留ラクチド:多)…分解速度速い/製品寿命短い
2) タイプ M(残留ラクチド:少)…中程度
3) タイプ L(残留ラクチド:少、COOH末端基封鎖)…分解速度遅い/製品寿命長い
4. ポリ乳酸の安全性、食品衛生性と抗菌・防カビ性
4.1 安全性
4.2 食品衛生性…食品衛生法/厚生省告示370号、ポリ衛恊 PL、FCN、EU
4.3 抗菌・防カビ性
1) ネズミ食害試験
2) プラスチックのカビ抵抗性試験…JIS Z-2911
3) 生鮮イチゴ収納容器のカビ抵抗性試験
4) 繊維の抗菌・防カビ性試験…繊維製品新機能評価協議会・抗菌防臭加工基準
5) 消費者から寄せられた声
* 生分解性にもかかわらず、抗菌・防カビ性を有する唯一の生分解性プラスチック
5. ポリ乳酸の高性能・高機能化技術と製品・市場開発動向
5.1 第二世代ポリ乳酸…高L組成PLA(high %LPLA), %D<0.5%,
5.2 ポリ乳酸の高性能・高機能化材料設計技術
1) 衝撃性…耐衝撃性改良剤、PLA+PBAT 又は PBSブレンド体
2) 耐熱性(透明耐熱性)…分散型核剤(溶解型核剤)、結晶化促進剤
3) 寸法安定性
5.3 ポリ乳酸の成形加工と製品・市場開発最前線
1) 成形加工性…押出成形、射出成形、真空・圧空成形、発泡成形、ブロー成形
2) ポリ乳酸製品・市場開発動向…多数の製品写真を紹介
@ 食品容器・包装材
A 生活雑貨
B 農林・土木・水産資材
C 産業資材
6. 質疑応答
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