序論
 
Part I 生体構成元素を制御する化学的・物理的因子
      The chemical and physical factors controlling the elements of life
第1章生物における化学元素
1.1生命系を支える元素の実体
1.1.1生物学的元素
1.1.2化学種形成 (chemical speciation) ―生命化学と生命物理学による制約条件
1.2挿話―水素の生化学
1.3資源の経済的利用―存在量と利用可能性
1.4生物学的環境と元素の利用可能性
1.4.1pHと酸化還元電位の重要性
1.4.2好気性環境およびいくつかの生体内における元素濃度
1.4.3溶解度積
1.5水中硫化物の化学的性質(嫌気性生物)
1.6ホメオスタシスについて
1.7生命の生存と進化
1.8結論
第2章生物における元素の取り込みと化学種形成の原理
2.1化学種形成概論
2.1.1元素の取り込みと排斥の一般的特徴
2.2生物学的に可能な分離形態
2.3金属イオンの選択的取り込み
2.4有効安定度定数
2.5平衡状態における元素の取り込み―元素取り込み時の選択性
2.5.1電荷型による選択
2.5.2イオンサイズによる選択
2.5.3半径と電荷作用の組み合わせ
2.5.4配位子原子による選択
2.5.5優先的配位構造による選択
2.5.6スピン対安定化 (spin-pairing stabilization) による選択
2.5.7クラスター結合による選択
2.6加水分解―水酸化物とオキソ化合物
2.7金属の酸化状態の選択的調節
2.8金属Mと配位子Lの濃度調節による選択
2.8.1利用可能性と細胞質の遊離イオン予測濃度
2.9水溶液からタンパク質(すなわち細胞膜)への移動係数による選択
2.9.1軟らかい酸/硬い酸,溶媒,抽出
2.10表面と析出物内における選択
2.11チャネル選択性
2.12速度効果および速度制御
2.12.1錯体ML1の分配係数Dについて
2.12.2輸送速度論
2.12.3前もって作られた孔すなわちキレート環への挿入
2.12.4金属Mの選択的移動に対するエネルギー共役(ゲートとポンプ)
2.12.5金属イオンの取り込みに関する速度論(まとめ)
2.13金属イオンの侵入阻止
2.14必須非金属の摂取の概要
2.15熱力学的性質に基づくアニオン選択のメカニズム
2.15.1サイズと電荷による選択―アニオンの水和とそのタンパク質への結合
2.15.2異なる型のカチオン中心に対する結合親和性の違いによるアニオンの選択
2.15.3速度論的結合によるアニオンの捕捉―酸化還元反応に付随する場合,付随しない場合
2.16酸化還元によるアニオンの組み込み
2.17補酵素
2.18区画内部の析出物―カチオンとアニオンの協同作用
2.19輸送体(キャリア),緩衝剤,ポンプ,酵素,遺伝子調節における平衡と平衡交換理論の適用
2.19.1輸送体
2.19.2イオン緩衝液およびイオン貯蔵
2.19.3ポンプ
2.19.4酵素,構造タンパク質,転写因子
2.20遺伝子調節―配位子(タンパク質)濃度制御概論
2.21結論―生体系における元素処理過程
第3章元素の物理的分離―生物体内の区画とゾーン
3.1概要
3.2区画の性質
3.3区画における化学溶液と物理的状態
3.4膜の役割と性質 9
3.5さまざまな膜の種類
3.5.1内・外部の粒子およびそれら粒子と膜との関係
3.5.2側面方向の膜組織化と膜内流れ
3.5.3膜貫通方向の組織化と流れ
3.5.4細胞内の小胞の流れ
3.6小胞内溶液の特殊な条件
3.7分離と局在化の協同作用
3.8金属イオンの位置決定
3.9共生と多細胞系
3.10多量非金属の空間分布
3.11H,C,N,Sの空間移動―易動性補酵素と静止補酵素
3.11.1H(およびO)輸送
3.11.2リン酸輸送
3.11.3炭素輸送
3.11.4窒素輸送
3.11.5硫黄輸送
3.12非金属輸送についての要約
3.13区画および細胞組織の進化―要約
第4章化学反応,触媒,制御の速度論的考察
4.1はじめに
 
4.2化学変換
4.3酸‐塩基反応の性質―加水分解と縮合
4.4タンパク質,RNA,DNA,その他ポリマーの加水分解
4.5イオンフローの性質
4.5.1シグナル伝達と制御
4.5.2イオン移動速度―電解質論
4.5.3交換
4.6オン/オフ反応―制御系
4.7電子移動反応―生体系の電子工学
4.8錯体の酸化還元電位
4.9原子移動反応
4.10基移動
4.11触媒作用における遷移金属中心の性質
4.12遊離基(フリーラジカル)反応
4.13原子サイズおよび立体化学と反応経路の関係
4.13.1経路内タンパク質(DNA)部位への選択的結合
4.14局在的小空間の形成―移動反応のための機械装置
4.14.1立体配座変化の速度
4.15ネットワーク―反応速度論的回路
4.15.1反応ネットワークの制御
4.16要約
第5章生物系におけるエネルギーと水素の生化学
5.1はじめに
5.2生物系と光
5.3酸化的エネルギー―ミトコンドリア
5.4酸化還元反応と共役したプロトン移動
5.5ATP形成と勾配との共役
5.6暗所における嫌気性菌
5.7細胞区画,エネルギーおよび代謝
5.8組織構造と張力
5.9生物の運動
5.10元素とエネルギーの局所的保存
5.11原初的エネルギー源
5.11.1エネルギー変換因子としての硫黄化合物
5.12エネルギーネットワークとまとめ
第6章生体マクロ分子と生体ポリマーの役割
PART Aタンパク質と核酸
6.1はじめに
6.2タンパク質の組成と基本構造
6.3溶液中のタンパク質フォールドと内部運動
6.3.1フォールディング過程
6.4 特定タンパク質のアミノ酸組成
6.5 構造タンパク質と機械的装置
6.6 タンパク質と有機および無機イオンとの整合
6.7 酵素
6.8タンパク質における金属イオンの状態
6.8.1概観
6.8.2ブルー銅中心
6.8.3多段階反応における金属タンパク質
6.8.4タンパク質‐タンパク質集合体と金属イオン
6.8.5タンパク質の分解
6.9タンパク質のまとめ―プロテオーム
6.10核酸の組成と構造の概略
6.11ポリヌクレオチドへの金属イオンの結合
6.11.1DNAにおける空孔と金属イオン結合
6.11.2DNA塩基配列と突然変異
6.11.3完全ゲノム
6.12核酸とタンパク質
6.13生体高分子の合成と分解の制御
6.14遺伝子制御
6.14.1多細胞生物における遺伝子発現に関するメモ
6.14.2調節―遺伝子を用いる構成型タンパク質および誘導型タンパク質の生成
6.14.3元素のための構成遺伝子,誘導遺伝子
6.15「平衡状態」における遺伝子による元素の制御と調節―まとめ
PART B多糖類と脂質
6.16はじめに
6.17多糖類序論
6.18多糖類の骨格と側鎖
6.19糖タンパク質と細胞表面パッキング
6.20多糖と金属イオンの相互作用
6.21脂質の特性
6.21.1高分子集合体としての膜内脂質
6.21.2脂質の構成と一般的機能
6.22イオンの脂質表面会合
6.22.1選択された無機元素の影響
6.22.2膜表面の電位
6.23必須脂肪酸
6.24バイオポリマーのまとめ
第7章生物系における化学元素の機能的価値
7.1はじめに
7.2水溶液中元素の主要な化学的特性
7.3化学元素の生化学的機能
7.4生命過程
7.5生物における化学的流れ
7.5.1生物ポリマーの合成と分解
7.5.2モノマーの合成と分解
7.5.3元素の取り込みと消費
7.5.4化合物中のエネルギーの流れ
7.5.5平衡と反応速度論的バランス
7.6活性の統合
7.6.1元素の生物的選択
7.6.2自己組織化と流れのパターン
7.7結論
 
Part II 生物における個別元素の役割
      The roles of individual elements in biology
第8章ナトリウム,カリウム,塩素―浸透圧調節,電解質平衡,電流
8.1はじめに
8.2受動拡散
8.3ゲートチャネル
8.4チャネルの選択性と可能な構造
8.5能動輸送―ポンプ
8.6選択的ポンプの性質
8.7電解質回路の形成
8.7.1ポンプとチャネルの位置
8.7.2ATPaseポンプ―いくつかの一般的説明
8.7.3交換輸送体
8.7.4電流担体としての有機アニオンと有機カチオン
8.7.5イオンによる電流と形態形成パターン―成長
8.8単純塩と高分子電解質の条件
8.8.1DNAとの結合
8.9カリウムを要求する酵素
8.10イオン遺伝学とネットワーク
8.10.1K+回路,Na+回路,Cl-回路
8.10.2チャネルの進化
8.11まとめ
第9章マグネシウムの生物化学―リン酸代謝
9.1はじめに
9.2マグネシウムの空間分布
9.3マグネシウムの化学
9.4細胞内のマグネシウムポンプ
9.5マグネシウムによる強力な結合
9.6細胞壁中や細胞膜中のマグネシウム
9.7マグネシウム酵素―マグネシウムとリン酸
9.8マグネシウムと筋肉細胞
9.8.1張力の活性化
9.8.2マグネシウムと筋弛緩―カルシウム緩衝作用
9.9マグネシウムとポリヌクレオチド
9.9.1DNA粒子,RNA粒子の構造
9.9.2リボザイム
9.10ポリアミンとの競合
9.11高分子平衡―チューブリン,DNA,細胞周期
9.12細胞外マグネシウム
9.12.1ゾル/ゲル平衡とマグネシウム
9.13マグネシウムと脂質
9.14マグネシウムとクロロフィル
9.14.1タンパク質中のクロロフィル結合
9.14.2クロロフィルへのマグネシウム挿入―ケラターゼ
9.15マグネシウムプローブとしてのマンガンの利用
9.16Mg2+生化学に対する他のカチオンの緩衝
9.17リチウムとマグネシウム
9.18Mg2+-タンパク質とネットワークの進化と遺伝
9.19結論
第10章カルシウム―制御とトリガー
10.1はじめに
10.2遊離カルシウムイオンレベル
10.2.1パルス信号を受けた細胞内のカルシウム濃度
10.3カルシウムイオン
10.3.1凝縮平衡
10.4カルシウムとタンパク質配位子
10.5マグネシウム/カルシウム競合
10.6細胞内カルシウムの静止状態
10.7カルシウムトリガー作用―カルモジュリン
10.8カルシウムトリガータンパク質
10.9S-100タンパク質
10.10その他のトリガー作用様式―アネキシンとC-ドメイン
10.10.1小胞内容物とその放出―エンドサイトーシス
10.10.2カルシウム,フィラメント,細胞形状
10.11カルシウムとタンパク質リン酸化
10.12細胞内のカルシウム緩衝とカルシウム輸送
10.13カルシウムの流れ―膜,チャネル,ゲート,ポンプを介した動き
10.14カルシウム交換体
10.15細胞内カルシウム誘導性プロテアーゼ―アポトーシス
10.16細胞内制御系総論
10.17小胞内の細胞質外カルシウム
10.17.1小胞内カルシウム
10.17.2細胞小器官カルシウム
10.18循環体液中の細胞外カルシウム
10.18.1消化と凝血におけるカルシウム
10.18.2細胞間接合部におけるカルシウム
10.19生体鉱物のカルシウムタンパク質
10.20カルシウムを含む生体鉱物
10.21細胞質内外のカルシウムバランス
10.21.1カルシウムの多重結合部位
10.21.2細胞の形状
10.21.3細胞の形態形成
10.22今日のカルシウムネットワーク
10.23カルシウム結合タンパク質の遺伝的制御
10.24カルシウムの生物化学のまとめ
第11章亜鉛―ルイス酸触媒と調節
11.1ルイス酸とは
11.2生体空間内における亜鉛
11.3遊離Zn2+イオンの利用可能性と濃度
11.4亜鉛会合タンパク質の型
11.4.1亜鉛酵素
11.4.2酵素以外の亜鉛タンパク質
11.4.3亜鉛分配のためのタンパク質
11.4.4亜鉛フィンガー
11.5亜鉛の交換速度
11.6亜鉛に対する配位子の数と選択性
11.7酵素内の触媒基としての亜鉛
11.7.1ルイス酸としての亜鉛
11.7.2亜鉛と酸化還元反応
11.7.3拘束的 (entatic) 状態とプローブ
11.8亜鉛タンパク質のまとめ
11.9亜鉛の調節的・制御的役割
11.10亜鉛酵素の輸送―消化とペプチドメッセージ
11.11亜鉛酵素とペプチドホルモン
11.12細胞外における亜鉛のその他の機能
11.12.1細胞外マトリックスの架橋と硬化
11.12.2固体デバイス中の亜鉛
11.13亜鉛の遺伝学
11.13.1FURとZUR
11.14亜鉛と進化
11.15まとめ―亜鉛は今日のマスターホルモンか?
ノート―同形置換と指示薬色素による金属部位のプローブ
第12章非ヘム鉄―酸化還元反応と制御
12.1生体系の遷移金属概論
12.2鉄生化学序論
12.3鉄の取り込み
12.4非ヘム鉄タンパク質
12.5鉄/硫黄タンパク質
12.5.1電子伝達鎖
12.5.2コハク酸デヒドロゲナーゼ―ミトコンドリアの粒子II
12.6酵素中のFe/S活性中心
12.6.1ヒドロゲナーゼの諸特性
12.7Fe/Sタンパク質の局在箇所
12.8細胞中にFenSnクラスターが存在する理由
12.8.1細菌内Fen/Sn集合体の遺伝学―遺伝的構造
12.9フェレドキシンの組織と選択性
12.9.1他の金属によるFe/Sクラスター部位の競合
12.10Fe_O_Feクラスター
12.11単核非ヘム鉄/非Fe/S鉄と酸化酵素
12.11.1特異な鉄酵素の例
12.12鉄と二次代謝
12.13非ヘムタンパク質/非Fe/Sタンパク質中の結合配位子
12.14酸触媒としての細胞外部の鉄
12.15非ヘム鉄(非Fe/S酵素)機能の要約
12.16鉄に関する緩衝作用と輸送体
12.17鉄による代謝制御
12.18鉄調節と遺伝子および進化との関係
ノート―Fe/S中心の発見
第13章ヘム鉄―酸化還元共役反応
13.1ポルフィリン中の鉄
13.2単離されたヘムユニットの特性
13.3鉄特性によるヘムタンパク質の分類
13.4二次構造によるヘム鉄タンパク質の分類
13.5ヘムタンパク質は細胞内のどこに存在するか?
13.6ヘムタンパク質の機能 (I) ―電子伝達
13.6.1単純な電子伝達タンパク質
13.6.2マルチヘム電子伝達タンパク質
13.6.3電子伝達/プロトン輸送共役―モデル
13.6.4シトクロムbc1複合体
13.6.5膜電子伝達タンパク質―側鎖プロトン共役
13.7ヘムタンパク質の表面
13.8ヘムタンパク質の機能 (II) ―貯蔵と輸送
13.8.1酸素分子―貯蔵,輸送,シグナル伝達
13.8.2一酸化窒素とヘム受容体
13.8.3シトクロムcとシアン化合物
13.9ヘムタンパク質の機能 (III) ―オキシダーゼとジオキシゲナーゼ
13.9.1シトクロムオキシダーゼ
13.9.2シトクロムP-450
 
13.9.3ペルオキシダーゼとカタラーゼ
13.10ヘム酵素の基質と二次代謝
13.10.1ヘムと窒素および硫黄の高酸化状態―還元反応
13.11ヘムの制御機構
13.12ヘム合成とその遺伝子
13.12.1ヘム含有タンパク質の遺伝子
13.12.2ヘムとメタローム
13.13ヘム鉄機能の要約
第14章マンガン―分子状酸素の進化とグリコシル化
14.1はじめに
14.2マンガンの化学
14.2.1酸化状態
14.2.2Mn(II)‐有機配位子錯体の構造
14.2.3Mn(II) 平衡と生化学
14.2.4Mn(II) 錯体の反応速度論
14.3Mn(III) とMn(IV) の単量体化学
14.3.1構造
14.3.2熱力学
14.3.3Mn(III) とMn(IV) の反応速度論
14.3.4マンガンクラスターの化学
14.4マンガンの生物化学
14.4.1マンガンの存在量と生物にとっての得られやすさ
14.4.2マンガンの取り込み
14.4.3マンガンのポンプ輸送
14.4.4生体系におけるマンガンの分布
14.5分子状酸素の生成
14.6マンガンとペルオキシドの代謝
14.7マンガンと加水分解反応
14.8マンガンの析出
14.9マンガンの制御系と遺伝
14.10マンガン機能の進化
14.11まとめ
第15章銅―細胞質外オキシダーゼとマトリックス形成
15.1はじめに 4
15.2銅と電子伝達
15.3銅と分子状酸素
15.3.1ヘモシアニン
15.3.2シトクロムオキシダーゼの銅について
15.3.3銅と細胞外オキシダーゼ
15.3.4銅オキシダーゼの基質
15.3.5銅タンパク質と補酵素PQQ
15.4銅酵素と酸化窒素
15.5スーパーオキシドジスムターゼ
15.5.1存在場所
15.5.2スーパーオキシドジスムターゼの反応
15.6銅の輸送とホメオスタシス
15.6.1緩衝タンパク質と輸送担体タンパク質
15.6.2銅ポンプ
15.6.3銅輸送担体
15.6.4銅の交換速度
15.6.5銅の遺伝学
15.7銅の全般的機能
第16章ニッケルとコバルト―原始生命の名残?
16.1はじめに 49
16.2コバルトとニッケルの化学
16.3ヒドロゲナーゼ
16.4ビタミンB12の反応
16.5生命の有機金属化学
16.6ニッケルとコバルトによる加水分解的触媒反応
16.6.1ウレアーゼ―液胞中のニッケル
16.6.2B12を使わないコバルト酵素
16.7ニッケルとコバルトの取り込み
16.7.1ニッケルとコバルトの取り込みの遺伝的制御
16.8大腸菌におけるコバルト遺伝子とニッケル遺伝子
16.9結論
第17章モリブデン,タングステン,バナジウム,クロム
17.1はじめに
17.2モリブデン,タングステン,バナジウム,クロムの利用可能性
17.3モリブデン酵素―概観
17.4モリブデンの生物化学
17.4.1モリブデン酸の取り込み
17.4.2酵素における酸化状態と酸化還元電位
17.4.3モリブデン反応の型と速度
17.4.4酸素原子転移反応
17.5モリブデン酵素の構造と機能
17.5.1ニトロゲナーゼとその反応中心FeMoco
17.5.2モリブデンの交換および考えられる制御機能
17.6モリブデンの遺伝学
17.7モリブデンのまとめ
17.8タングステンの生物化学
17.9バナジウムの化学と生化学
17.9.1生物におけるバナジウムの化学
17.9.2バナジウムの生物学的な存在形式と機能
17.9.3バナジウムと鉄
17.10進化におけるモリブデン,バナジウム,タングステン
17.11クロムの生物化学
第18章リン酸,シリカおよび塩化物―酸-塩基非金属類
18.1非金属類への序
18.2リン酸塩の生化学
18.2.1リン酸の化学
18.3結合型リン酸の形とエネルギー
18.3.1ピロリン酸のエネルギーと細胞の静止状態
18.3.2リン酸制御
18.3.3リン酸系メッセンジャー
18.3.4リン酸スイッチ―タンパク質リン酸化,脱リン酸化および時間的階層関係
18.3.5リン酸と遺伝子転写
18.3.6リン酸塩ミネラル
18.3.7リン酸の取り込みと輸送
18.4リン酸諸機能のまとめ
18.5塩化物のチャネル,ポンプおよび交換装置
18.6アニオンバランス―塩化物,リン酸塩,硫酸塩およびカルボキシラート
18.7ケイ素の生化学
18.7.1ケイ素の出現と物理的性質
18.7.2生物におけるシリカの化学
18.7.3ケイ素の取り込みと輸送
18.8生物界におけるホウ素
18.9ハライドおよび他の非金属微量元素
第19章硫黄,セレンおよびハロゲン―酸化還元性非金属
19.1はじめに
19.2硫黄の生化学
19.2.1酸化状態と酸化還元反応
19.2.2酸-塩基反応
19.2.3基転移反応―カップリング
19.2.4硫黄サイクル
19.2.5硫黄の細胞化学と遺伝子化学
19.3硫黄の生化学のまとめ
19.4セレンの生化学
19.5進化とセレン
19.6ハロゲンの利用について
19.7硫黄,セレンおよびヨウ素の細胞内含量(メタローム)
第20章元素による統合生体系
20.1はじめに
20.2系の性質 5
20.2.1平衡状態系列としての地球
20.2.2非平衡領域系列としての地球
20.2.3地球化学的・生化学的相互作用
20.3詳細に見た地球表面の進化の過程
20.3.1地球上の組織化された流れの進化―パターン
20.3.2パターンの永続性
20.3.3閉じた空間内におけるパターンの永続性
20.4高分子系
20.5生命の始まり
20.5.1基本細胞流れと元素ホメオスタシス―基本メタロ−ム
20.6生存,増殖,そしてコードされた分子の必要性
20.7進化―導入および形態的変化
20.7.1内部形態の発達―真核生物の進化
20.7.2外部形態の発達―多細胞生物の進化と動物の登場
20.8進化とメタローム
20.8.1メタロームと生存強度
20.9原核生物における元素の変化
20.9.1「嫌気性」の硫酸塩利用細菌と保護
20.10真核生物―新たな膜組成の発達(新脂質)
20.10.1初期「嫌気性」真核生物におけるメタローム
20.10.2好気性単細胞真核生物とそのメタローム
20.11輸送体 (carrier)
20.12多細胞生物の細胞外液おようび小胞内溶液のメタローム
20.13脳の細胞外液のメタローム
20.14メタローム含有量の概要
20.15非金属元素のプロテオーム中,有機分子中における変化
20.15.1非金属代謝における変化
20.16細胞外情報交換ネットワーク
20.16.1神経と脳
20.17系の存続―元素の有効価値のまとめ
 
索引
 
 
翻訳 元素の生物化学 〜細胞レベルでの元素の反応・結合・移動過程を追う〜 Copyright (C) 2014 NTS Inc. All right reserved.