1章 構造変異の同定 
Identification of Structural Variation
Suzanne S. Sindi and Benjamin J. Raphael

要 約 
はじめに 
構造変異型の定義付け 
構造変異の原因
SV同定の初期の方法
 顕微鏡・細胞学的方法
 アレイに基づいた方法
シーケンシングデータからの構造変異の同定
 DNAシーケンシング
 リードマッピング
ハッシュテーブル
サフィックス(接尾配列)ツリー群
リードマッピングの進歩
 次世代シーケンシングデータからの構造変異のシグナル
 構造変異型検出のアルゴリズム手法
ペアリードマッピング法
リードの深度
スプリット(分断された)リード
 SV検出に複数のシグナルを使用
PRとSRの組み合わせ
PRとRDの組み合わせ
RDとSRの組み合わせ
 SV予測のための局所アセンブリ
考 察 
将来の傾向 
 データの混合による構造変異 
 複合変異型の検出 
 ターゲットシーケンシング法 
 個別化医療 
 進化的意義 
 ウェブリソース 
 参考文献 


2章 RNA の単離,特性解析およびシーケンシング(RNA-Seq)の方法 
Methods for RNA Isolation, Characterization and Sequencing( RNA-Seq )
Paul Zumbo and Christopher E. Mason
要 約 
RNAの簡単な歴史
RNA単離の原理
RNAシーケンシングの方法
 リボソームRNAの除去
 断片化
 方向性
転写の全体像を解明するためのRNAシーケンシングの利用
RNA修飾を発見するためのRNAシーケンシング
RNA塩基修飾とエピトランスクリプトミクス
結 論
 参考文献
 

3章  RNA シーケンシングデータからのトランスクリプトームの再構成と定量
Transcriptome Reconstruction and Quantification from RNA Sequencing Data
Sahar Al Seesi, Serghei Mangul, Adrian Caciula, Alex Zelikovsky and Ion Mandoiu
要 約
はじめに
 RNA-Seqプロトコル
 DGEプロトコル
トランスクリプトームの再構成
 リードマッピング
 スプライスグラフの生成と転写産物候補の列挙
 整数計画の式
 シミュレーションの設定とマッチング基準
 シミュレートデータにおける方法の比較
 断片長分布の影響
 RNA-Seq実測データでの結果
トランスクリプトームの定量
 RNA-Seq法
 DGE法
Eステップ
Mステップ
pの推定
 トランスクリプトームの定量法とプロトコルの比較
将来の傾向
結 論
 ウェブリソース
 参考文献
 

4章 次世代シーケンシングデータからの干渉性低分子RNA の同定 
Identification of Small Interfering RNA from Next-generation Sequencing Data
Thomas J. Hardcastle

要 約 
はじめに
siRNAへのシーケンシング技術の応用
 Argonaute免疫沈降法
実験デザイン
 反復試行とシーケンシング深度
 プールしたサンプル
 バーコード付け
siRNA-Seqデータの解析に利用できるツール
siRNA-Seqのデータ処理
 トリミングとデマルチプレックス処理
 アラインメント
 可視化と品質管理
 tRNA,rRNA,miRNAの除去
 ポリAリード
 ライブラリースケーリング係数(scalingfactor)
遺伝子座の発見
 累積バイアス
 マルチリード
 バックグラウンドノイズ
 ナイーブ遺伝子座の発見
 経験的ベイズ遺伝子座発見
siRNA遺伝子座のゲノム特性との関連
siRNAの発現差解析
PhasedsiRNA
 PhasedsiRNA遺伝子座の同定
解析後の可視化
標的発見と低分子RNAネットワーク
考 察
 参考文献
 

5章 ChIP-Seq データにおけるモチーフ発見とモチーフ検出 
Motif Discovery and Motif Finding in ChIP-Seq Data
Ivan V. Kulakovskiy and Vsevolod J. Makeev

要 約 
はじめに 
 転写制御における重要な疑問
 配列モチーフ:共通の用語の落とし穴
 DNAシーケンシングパターンとしての転写因子結合部位
 前ゲノム時代のTFBSモチーフ発見
 TFBS同定のための前ChIP-Seqハイスループット実験の技術
 ChIP-Seq技術の出現
 ChIP-Seqピークコーリング
ChIP-Seqデータ:配列解析バイオインフォマティクスに対する利点と問題点
 ChIP-Seqデータの基本的モチーフ解析
 想定されるモチーフ解析結果
 塩基カバレッジプロフィールの重要性
 ChIP-Seqデータにおけるモチーフサブタイプ
 TFBSによる制御コードの理解への道
 ChIP-Seqデータ由来の正確なTFBSモデル
 モチーフ発見とモチーフ検出の他の応用
ChIP-Seqデータのモチーフ解析のクッキングレシピ
 リードマッピングのためのレシピ
 ピーク検出のためのレシピ
 ChIP-Seqデータにおけるモチーフ発見とモチーフ検出のためのレシピ
結論:ChIP-Seq技術のためのモチーフ解析の現在と将来
 ウェブリソース
リードマッピング
ピークコーリング
モチーフ発見
複合解析 
 謝 辞 
 助成金 
 参考文献 
 

6章 哺乳類エンハンサーの予測 
Mammalian Enhancer Prediction
Dongwon Lee and Michael A. Beer

要 約
はじめに
転写エンハンサー
 哺乳類の転写とエンハンサー
 エンハンサーとヒト疾患
 ゲノムワイドのエンハンサー検出の実験方法
 エンハンサーに関するさらなる解説
エンハンサーの計算機的予測
 TF結合部位(TFBS)クラスタリングと保存に基づく初期の方法
 初期の配列ベースの識別方法
 サポートベクターマシーンを用いたエンハンサー予測
 分類器性能の評価
考察と結論
将来の動向
 ウェブリソース
PWMデータベース
モチーフ検出
SVM
ゲノムツール
 参考文献
 

7章 ヌクレオソームポジショニングのためのDNAパターン 
DNA Patterns for Nucleosome Positioning
Ilya Ioshikhes

要 約 
クロマチンの基本単位としてのヌクレオソーム 
遺伝子調節におけるヌクレオソームポジショニングの役割 
種々のヌクレオソーム配列パターン
初期の歴史(先ゲノムおよびゲノム時代)
ポストゲノム時代とハイスループットデータ
陽性対陰性,パターンの組み合わせと分割
 WW/SSおよびRR/YYパターンの構造的および生物学的意味
 もう1つの抗-NPSパターンの役割
考察と結論 
 謝 辞 
 参考文献 
 

8章 がんにおける高メチル化 
Hypermethylation in Cancer
Marta Sanchez-Carbayo

要 約 
はじめに:他のエピジェネティック修飾に関係する高メチル化
DNAメチル化のタイプ
 CpGメチル化
 非CpGメチル化
高メチル化装置:DNMTの役割
エピジェネティック因子が腫瘍形成とがん進行に寄与する
がんでよくメチル化される遺伝子の生物学的パスウェイ
 細胞周期
 DNA修復
 アポトーシス
 浸 潤
 その他
がんのエピジェネティック現象の発見加速化
法としてのハイスループット技術の関連
がんバイオマーカーの供給源としてメチローム解析のトランスレーショナルな応用
 がんの検出
 予 後
 薬理エピゲノミクス 
結 論 
 謝 辞 
 参考文献 
 

9章 ゲノム配列における転移因子の同定と解析 
Identification and Analysis of Transposable Elements in Genomic Sequences
Laurent Modolo and Emmanuelle Lerat

要 約 
はじめに
ゲノム配列中のTEに対する古典的検出法
 類似性ベースあるいはライブラリーに基づく方法
 シグナチャに基づく方法
 denovo方法
次世代シーケンシングデータ時代のTE
 NGSを用いたDNAのシーケンシングと解析
 NGSを用いたRNAのシーケンシングと解析
NGSデータはTE解析に何をもたらしたか?
 ゲノムサーベイにおけるTE同定
 構造変異体の検出
 宿主によるTE制御の解析
結 論
 将来の傾向
 ウェブリソース
 参考文献 
 

10章 メタゲノミクス解析の現状 
The Current State of Metagenomic Analysis
Pieter De Maayer, Angel Valverde and Don A. Cowan

要 約 
はじめに 
メタゲノムシーケンシング
メタゲノムシーケンシングのプロトコル
 DNAの抽出と精製
DNA直接抽出
DNA間接抽出
メタゲノムシーケンシング
次世代シーケンシング技術
第二世代NGS技術
第三世代の単一分子シーケンシング
メタゲノムシーケンシングのためのNGSプラットフォームの選択
NGSによる強化点とメタゲノム研究への応用
 メタゲノムアセンブリ
 コンティグビニング(binning)
 メタゲノムアノテーション
 メタゲノムからの「難培養」生物の完全ゲノムの再構築
 比較メタゲノミクス
メタゲノム多様性研究
 現在のメタゲノム多様性解析の方法
系統発生マーカーの選択,クローン増幅およびシーケンシング
NGS配列データ処理
分類学的ビニング
系統学的な種の豊富度と生物多様性解析
 メタゲノム多様性研究プロトコルに伴う落とし穴
 メタゲノム多様性研究の適用
 系統発生マイクロアレイを用いた多様性研究
機能的メタゲノミクスとバイオプロスペクティング
 現在のバイオプロスペクティング方法
クローンライブラリーの構築
適切な宿主における形質転換と異種発現
配列ベースのスクリーニング
機能ベースのスクリーニング
 バイオプロスペクティングのためのメタゲノムアプローチの適用 
 現在の機能的メタゲノミクスプロトコルの落とし穴 
生態系生物学研究のためのメタゲノミクスおよび「メタオミクス」アプローチ 
 メタトランスクリプトミクス 
 メタプロテオミクス 
 メタボロミクス 
結 論 
将来の展望 
 ウェブリソース 
 参考文献 
 

11章 メタトランスクリプトミクス 
Metatranscriptomics
Atsushi Ogura

要 約 
はじめに
メタトランスクリプトームアプローチ
メタトランスクリプトームに対するNGS法
アプローチの比較
メタトランスクリプトームのためのバイオインフォマティクス:RNAアセンブリ
メタゲノムベースのツール
 MetalDBA
 MetaVelvet
トランスクリプトームベースのツール
 Trinity
 SOAPdenovo-Trans
メタトランスクリプトームのためのバイオインフォマティクス
メタトランスクリプトームのためのバイオインフォマティクス:ネットワーク解析
事例研究:海洋マイクロバイオームのメタトランスクリプトーム
将来の傾向
結 論 
 ウェブリソース 
 参考文献 
 

12章  ショットガンおよびアンプリコンの
次世代シーケンシングリードからのウイルス疑似種のスペクトルの推定 
Inferring Viral Quasispecies Spectra from Shotgun and Amplicon 
Next-Generation Sequencing Reads
Irina Astrovskaya, Nicholas Mancuso, Bassam Tork, Serghei Mangul, AlexArtyomenko, 
Pavel Skums, Lilia Ganova-Raeva, Ion Ma? ndoiu and Alex Zelikovsky

要 約 
はじめに 
 ウイルス疑似種
 次世代シーケンシング技術
 ショットガンとアンプリコンのシーケンシングリード
疑似種スペクトル再構築
 関連した研究
ViralSpectrumAssembler(ViSpA)(Astrovskayaら,2011)
 リードアラインメントとコンセンサスの構築
 アラインメントリードの前処理
 リードグラフ
 候補経路の選択
 候補配列のアセンブリ
 候補疑似種配列頻度の推定
ViSpAのVSEMによる強化(Mangulら,2011)
 バーチャル鎖の期待値最大化
 ViSpAとVSEMの連携
ウイルスアセンブラー(VirA)(Mancusoら,2012)
 エラーフリー,理想的頻度モデル問題での疑似種アセンブリ
 歪んだ頻度モデルの理想頻度モデルへの変形
 ウイルス疑似種の再構築アルゴリズム
グラフデータ構造
最大バンド幅経路
最大頻度経路
フォークを解決するための貪欲アルゴリズム
一般的フレームワーク
結果と考察
 データ
実測データによるHCV疑似種からシミュレートされたエラーフリーリード(vonHahnら,2007)
実測データによるHCV疑似種からシミュレートされた454リード(vonHahnら,2007)
実測データによるHCV疑似種(vonHahnら,2007)からの454のシミュレートアンプリコン
HCV-1aサンプルからの実測データの454
パイロシーケンシングリード
HCVサンプル(Zagordi,2010b)からの実測データの454パイロシーケンシングリード
HBVサンプルからの実測データの454パイロシーケンシングアンプリコンデータ
 計量法
未知の真のウイルススペクトルによる真のパイロシーケンシングデータの検証
 ViSpAの結果(Astrovskayaら,2011)
シミュレートHCVデータの実験的検証
HCVサンプルからの454パイロシーケンシングリードの実験的検証
HIVサンプルからの454パイロシーケンシングリードの実験的検証
 VSEMの結果(Mangulら,2011)
 VirAの結果(Mancusoら,2012)
HCVサンプルからのシミュレートアンプリコンリードの実験
HBVサンプルからの実測データによるアンプリコンデータの実験
将来の傾向
結 論 
 ウェブリソース 
 参考文献 
 

13章 細菌ゲノムにおけるDNA 不安定性:原因と結果 
DNA Instability in Bacterial Genomes: Causes and Consequences
Pedro H. Oliveira, Duarte M.F. Prazeres and Gabriel A. Monteiro

要 約 
はじめに
不安定性の原因としての自然発生DNA傷害,複製および転写
 自然発生DNA傷害
 DNA生合成中に起こる複製エラー
 非B型構造が仲介する不安定性
 複製-転写の衝突
ストレス誘発性の不安定性
 適応あるいは静止期の変異の概念
 緊急時対応遺伝子座
 抗生物質の使用
 飢餓誘発変異
 温度誘発変異
 酸化ストレス
 UV照射誘発変異
 細胞保存と出荷
より安定な細菌ゲノムとDNAベースの治療分子
結 論
 謝 辞 
 参考文献 
 

14章 RNA 構造を予測するための比較方法 
Comparative Methods for RNA Structure Prediction
Eckart Bindewald and Bruce A. Shapiro

要 約
はじめに
RNAフィールディング問題
計算機によるRNA構造予測のための概念的な構築ブロック
 エネルギーモデル
 シュードノットvs.入れ子構造
 単一配列のRNAフォールディングに適用される動的計画法(DP)
 RNA配列の同時アラインメントおよびフォールディングのための動的計画法
 RNAフォールディングのための確率行列とMcCaskillアルゴリズム
 相補的塩基置換
 コバリエーションの測定法
 共分散モデル
 確率文脈自由文法
RNAの単一配列構造の予測
二次構造予測のための比較方法
 アラインメントされたRNA配列セットのコンセンサス二次構造予測
特徴行列に基づいた機械学習アプローチ
確率論的方法
エネルギーを基礎とするコンセンサスフォールディング法
 未アラインメントRNA配列セットのコンセンサス二次構造予測
「アノテート配列アプローチ」を用いた同時フォールディングおよびアラインメント
確率的アプローチを用いた同時フォールディングとアラインメント
スコアと非決定性最適化を用いた同時フォールディングとアラインメント
グラフに基づくアプローチ
構造化RNAに対する全ゲノム探索
考 察
将来の傾向
 ウェブリソース
 謝辞
 参考文献 
 

15章 文脈自由文法とRNA 二次構造予測 
Context-free Grammars and RNA Secondary Structure Prediction
Markus E. Nebel and Anika Schulz

要 約
はじめに
 確率モデル
 パラメーター推定
最尤法による訓練(トレーニング)
ベイズパラメーター推定
 概 観
文脈自由文法
 定式的定義
 RNA二次構造の文法と言語仕様
 導出と曖昧さ
確率文脈自由文法
 形式定義と基本概念
 パラメーター推定
構造予測のためのSCFG
 文法設計(design)
 条件付き構造確率
 パラメーター推定
 訓練データの選択
 パラメーターの分離
SCFGに基づくアルゴリズム
 適合(adapted)された構文技術
Cocke-Younger-Kasamiアルゴリズム
Earley構文解析
 inside-outsideアルゴリズム
inside値とoutside値の定義
inside値の計算
outside値の計算
 MEA構文解析
従来の変法
調整した変法
関連の方法
長さ依存性確率文脈自由文法
 形式定義
 パラメーター表示
 長さのグループ分け
結 論
 従来の文法モデル
 類似する確率モデル
 過剰適合とパラメーター推定
 標準予測および統計サンプリングの拡張
 シュードノット予測
 参考文献
 

16章 確率文脈自由文法とRNA 二次構造予測 
Stochastic Context-free Grammars and RNA Secondary Structure Prediction
James W.J. Anderson

要 約
はじめに
 RNA二次構造
 データ源
 RNA二次構造の組み合わせ論(combinatorics)
文脈自由文法とSCFG
標準形式
 Chomsky標準形式
 二重エミッション標準形式
 シュードノット
曖昧さ,完全性および文法設計
 曖昧さと完全性
 軽量文法設計
 重量文法設計
SCFGのアルゴリズム,パラメーター推定,構造予測
 SCFGのアルゴリズム
 パラメーター推定
 二次構造予測
 例
比較モデリング
 進化モデルと列確率
 SCFGの実装
 推定速度
 挿入-欠失イベント
 例
SCFG変動性の測定値
 情報エントロピー
 信頼性スコア
熱力学的方法
考 察
将来の傾向
 ウェブリソース
SCFGに基づく方法
動力学的方法
 参考文献 
 
 
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