恐竜単 〜語源から覚える恐竜英単語集〜
≪監修の言葉≫
 本書は、恐竜関連の書籍としては日本初となる、「恐竜から言語を知る」ものです。恐竜は科学の一分野としては非常にすそ野が広く、理科教育はもちろんの事、マンガやアニメ、映画と言ったエンターテインメントや、復元という形での美術、そして街中のイベントや地域おこしまで、様々な分野とつながり、関わっています。そのような「恐竜」という媒体の中で、本書のように恐竜に関する学名や専門用語からその語源にせまり、言語の面白さやその背景となる歴史・文化に触れるというものは、これまでありませんでした。その点で、本書は恐竜に関する新たな楽しみを提供する一冊と言えるでしょう。

 本書では、文章の内容について、特に学術的な情報の正確さや、恐竜の特徴の記述について監修を行いました。「恐竜から言語を知る」本でありながら、本書は恐竜単語帳としての役割もあります。代表的な恐竜の分類名や、恐竜を知るうえで欠かせない様々な専門用語が解説されており、それらについては特に慎重にチェックしました。また、恐竜をはじめとする絶滅動物の生態は、化石からはっきりとわからないことも多く、ある事柄について様々な学説が提唱されることも珍しくありません。そういった場合には公平に全ての学説を紹介すべきところですが、ページの関係上、触れられなかったものも数多くありました。したがって、本書の恐竜の生態に関する解説は、確たる事実や唯一の見解ではなく、「そういった考えもある」という場合が多いことにご留意ください。そして、もし本書の中で恐竜についてもっと気になることがあれば、本書巻末の参考文献を当たってみたり、近くの自然史系博物館を訪ねてみたりして、ご自身で恐竜に関する学びを深めていただければと思います。

 恐竜について、日本は不思議な国と言えます。自国からの恐竜化石が限られ、ほとんどの研究が日本語とはまったく言語体系が異なる欧米諸国の言語でなされているというのに、恐らく日本人は世界で一番恐竜が好きな国民であり、恐竜に関する情報は日常にあふれています。その証拠に、恐竜化石を展示する博物館は日本全国に点在し、毎年いくつもの恐竜化石展示会が国内で開催され、(本書を含む)恐竜に関する日本語の書籍が定期的に出版されます。一方、国外の恐竜産地や研究第一線から、日本語以外の言語で発信される“生” の情報は、やはり量も質もケタ違いです。もし今これを読んでいるあなたが、本書を通して恐竜を取り巻く「言語」にも興味を持ち、日本語以外の言語を学ぶことがあれば、きっとあなたの恐竜の世界はもっと広がります。ぜひ、チャレンジしてみてください。

 最後になりますが、著者の原島広至先生、並びに株式会社エヌ・ティー・エスの吉田隆社長には、監修のお声がけをいただき、大変貴重な経験をいただけました。私自身、「言語」に関する多くの知識を得られる、とても学びにあふれた監修となりました。この場を借りて、深く感謝申し上げます。
2026年1月  今井 拓哉
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