= 刊行にあたって =

究極のクリーンエネルギーとして、水素の利用および燃料電池が注目されている。ここ数年間はトヨタ、ホンダが燃料電池自動車(FCV)を商品化し、それに伴い、2014年のPEFCスタック部材の市場は188億円となり市場が形成された。また、家庭用途では、価格の低下を実現したPEFCタイプのエネファームが登場し、市場は安定に推移している。
他方、白金触媒が不要な固体酸化物形燃料電池(SOFC)の活用が期待されている。SOFCはスタック作動温度が摂氏700〜1,000℃と高温となるため、家庭や自動車に利用するのは難しいと考えられてきた。しかし、発電効率の高さと燃料多様化への対応が可能になり、家庭用から大型事業用まで用途展開が想定されているため、注目が集まっている。
さらにはFCVが量産化に向けて開発の最終段階を迎えている。トヨタとホンダは研究開発・販売に注力している。他方、日産自動車の導入は2017年の予定であるが、燃料電池スタックの小型化や低コスト化、耐久性を向上させ、量産化を志向している。
本レポートでは、燃料電池・水素関連産業の全体像に迫ることを目指し、PEFC、SOFC、家庭用燃料電池、燃料電池自動車、水素貯蔵材料などの項目を設け、市場と産業動向を詳述した。
2016 燃料電池・水素関連ビジネスと市場展望 書籍+PDFセット Copyright (C) 2016 NTS Inc. All right reserved.