xEV・LIB・LIB部材の最新業界レポート2020 冊子+CDセット
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 各社がしのぎを削る中国のEV市場で異変が起きている。中国政府はEVやPHEVなどの新エネ車(NEV)を成長産業の柱と位置づけ、購入に手厚い補助金を支給し支援してきた。

 しかしながら、中国では2019年6月からNEVに対する補助金が最大6割削減され、その影響が予想を上回り、EVとPHEVの販売台数が急減している。また、中国はEV購入に対する補助金をさらに削減することを検討している。急成長してきたEV市場は深刻な低迷に直面しており、補助金削減が新たな打撃となる恐れがある。

 一方、HEVは、ZEV規制や中国NEV規制のクレジットから外されたが、近年、欧州や中国でも消費者の関心が高まり販売を急速に伸ばしている。

 自動車業界の冷え込みに伴い、2019年の車載用LIB市場は前年比116.6%の70,500MWhと見込む。もっとも自動車メーカーとLIBメーカーの間で深刻な問題が起きている。3カ月先になる代金回収と、EVの補助金受取の時間がかかってしまうことである。EVの販売がなければ、自動車メーカーは資金を圧縮し、LIBメーカーへの代金返済は遅れ、自動車産業の発展が停滞してしまう。

 ただ、長期的な展望でみてみると、2020年後半以降、欧州・中国の自動車メーカーがEV、PHEVを市場投入し、2030年にかけて急激に台数が増加していくと予測されている。EVへのシフトが世界的に加速していく。材料メーカーは、こうした変化に対応するためにEV、PHEV、HEVが、いつ普及期に入るかを探り、素材の増産を行うことになるだろう。

 本レポートでは、EV・PHEV・HEVの販売予測、車載用LIB、及び車載用LIB材料の市場動向、さらに2020年頃から市場が形成される全固体LIBの展望を掲載した。また、自動車メーカーのビジネス戦略として、EV、LIB、中国の3つのテーマで追った。

シーエムシー・リサーチ調査部
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