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我が国でポリマーアロイと言えば,1970 年代〜 1990 年代に急激に技術進展し工業化された高分子材料の印象が強く,既に多くの成書も刊行されている。20 世紀の間にポリマーアロイに関係する技術開発が完了した感もあった。
しかし21 世紀に入って,高せん断力下或いは微細反応場でのポリマーアロイ形成や,ナノ(nm)サイズの分散状態の可視化,更には新規な化学種セグメントからなるブロック共重合体の精密重合法の進展など,合成・構造設計・アロイ混練形成装置・構造解析・粘弾性測定などの各分野で顕著な進展があった。また植物由来樹脂の活用や,ナノサイズのブロック(グラフト)共重合体のマトリックス中への分散による特異な物性発現など応用用途面でも従来とは異なる分野への展開が進められてきた。この結果,伝統的なポリマーアロイの概念,例えば相溶性/相容性の概念なども見直しが迫られている。更にはポリマーアロイの開発の歴史をあまり意識することなく,異分野の研究者・技術者もポリマーアロイ形成が関連する研究テーマに取り組んでおり,広範囲の展開が進められている。
これらの成果は個別に各種の学会発表や論文などで公表されているが,全体の動向を把握することは容易ではなく,学協会・研究会などで存じ上げている先生方に各節の執筆を依頼したところ,産官学に亘って各分野をリードされてきた方々や,第一線で活躍されている多くの先生方からご同意を得ることができ,21世紀のポリマーアロイが向かう方向についてのガイドブックが日の目を見ることとなった。
なお,執筆の先生方にはそれぞれご専門の分野について最先端の内容を記述いただいたので,20 世紀までのポリマーアロイ技術知識との橋渡しの意味で,監修者が何節か過去の技術の歴史などを追加記載した。
本書は,読者の専門性や興味次第でどの節から読み始めていただくこともできる構成となっている。手元に置いて,研究・技術開発・製品(事業)構想の参考にしていただければ幸いである。 |
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2016年11月25日 |
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本体60,000円+税 |
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265頁 |
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A4 |
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S&T出版(株) |
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ISBN 978-4-907002-62-6 C3058 |
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ポリマーアロイとは?・・・相溶性と相容性 |
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ポリマーアロイのモルフォロジーと構造制御 |
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相溶化剤/相容化剤の種類と相溶化手法 |
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混練技術と押出成形技術 |
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リアクティブプロセッシング |
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ポリマーアロイ技術動向・機能性付与 |
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バイオプラスチック(植物由来樹脂)のアロイ |
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ポリマーアロイの解析手法 |
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第四世代ポリマーアロイの萌芽 |
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第三・第四世代ポリマーアロイの設計・制御・相容化技術 |
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