目次
第1編 基礎編
第1章 特性

 形成機構
 
1 バイオフィルムの構成菌と形成過程
1.バイオフィルムとは
2.バイオフィルムの菌数
3.バイオフィルムの構成菌種
4.構成菌のバイオフィルム形成能
5.Metylobacterium属菌のバイオフィルム形成能
 
6.構成菌の病原性
7.バイオフィルムの微視的構造
8.バイオフィルムの形成過程
9.おわりに
 
2 バイオフィルム形成に見られる多細胞的振る舞い
1.はじめに
2.バクテリアの集落、その多細胞的振る舞い
 
3.微生物世界の特殊事情
4.多細胞的振る舞いの高度化
 

 微生物間相互作用
 
1 細菌間生態学的相互作用
1.はじめに
2.環境中のバイオフィルム
3.微生物群集構造と機能の解析技術
 
4.細菌間生態学的相互作用
5.メタゲノム解析
6.おわりに
 
2 微生物間コミュニケーション(クオラムセンシング)
1.はじめに
2.クオラムセンシングの基本
3.グラム陰性細菌のクオラムセンシング
4.グラム陽性細菌のクオラムセンシング
 
5.その他のクオラムセンシング
6.バイオフィルムとクオラムセンシング
7.おわりに
 

 細胞外多糖
 
1 細胞外多糖類産生がバイオフィルム形成に及ぼす影響
1.はじめに
2.赤焼病細菌の集落変異
3.EPS産生は赤焼病細菌のバイオフィルム形成に関与する
4.EPS産生は赤焼病細菌の薬剤感受性に関与しない
 
5.チャ葉成分のカテキンはバイオフィルム形成を誘導する
6.おわりに
 
2 酢酸菌が生成する菌膜ヘテロ多糖
1.はじめに
2.酢酸菌「菌膜」を形成する多糖の多様性
3.酢酸菌「菌膜」ヘテロ多糖の構造とその合成系
 
4.酢酸菌菌膜のバイオフィルム機能
5.酢酸菌菌膜ヘテロ多糖の生産と利用
6.おわりに
 

 付着機構の解明と工学的応用可能性
1.微生物付着の理論
2.微生物の表面構造と付着機構
 
3.微生物付着の制御と利用
 

 微生物腐食現象とそれを応用した金属の微細加工
1.はじめに
2.微生物腐食とは
3.微生物を利用した材料加工法とは
 
4.バイオエッチング
5.おわりに
 
第2章 解析事例

 バイオフィルムのシミュレーションモデル構築
1.シミュレーションとは
2.バイオフィルムを利用した微生物反応プロセス解析への適用
 
3.バイオフィルムの構造解析および形成メカニズム解析への適用
4.おわりに
 

 難培養性細菌も研究対象とするメタゲノム解析
1.環境細菌の大多数を占める難培養性細菌
2.メタゲノム解析の意味と目的
3.メタゲノム解析手法
 
4.メタゲノム解析研究例
5.おわりに
 

 バイオフィルムの生物活性評価
1.はじめに
2.バイオフィルム内微生物のバイオサイド耐性化機構
 
3.冷却水系バイオフィルムの生物活性評価
4.おわりに
 
第2編 応用編1 形成防止、除去技術
第1章 微生物制御の基礎と環境対策動向

 微生物制御とその考え方―バイオフィルムに関連して―
1.はじめに
2.微生物制御の基本概念
3.微生物制御の方法
 
4.微生物制御処理の作用と効果の評価
5.バイオフィルム制御の考え方
6.おわりに
 

 バイオサイドの規制動向とその市場への影響
1.バイオサイドの基礎
2.バイオサイドの規制
 
3.バイオサイド規制の影響
4.バイオサイドを活用するために
 
第2章 バイオフィルム形成防止具体事 例

 表面改質によるバイオフィルム形成防止技術
 
1 レーザ照射による抗菌性酸化チタン材の作成とバイオフィルム形成防止への応用
1.はじめに
2.レーザ照射による抗菌性チタン材の作成
3.抗菌性酸化チタン材によるバイオフィルム形成防止と海洋汚損生物付着防除の試み
 
4.おわりに
 
2 複合めっき法による抗菌性金属面の作製
1.はじめに
2.複合めっき
 
3.銀担持リン酸ジルコニア粒子の複合めっき
4.おわりに
 
3 カテキン徐放抗菌ステント
1.はじめに
2.抗菌性胆管ステントとバイオフィルム形成
 
3.カテキンを徐放する抗菌ステント
4.おわりに
 

 洗浄によるバイオフィルム除去技術
 
1 電解水による野菜の効果的殺菌
1.はじめに
2.電解水およびオゾン水の生成原理と特徴
3.酸性電解水、オゾン水によるカット野菜の殺菌効果
 
4.殺菌処理後の品質変化
5.電解水の発展的利用方法
6.おわりに
 
2 プラズマによるバイオフィルムの洗浄殺菌
1.はじめに
2.殺菌に関連したプラズマの特性
3.プラズマの生成
 
4.プラズマを用いた殺菌の例
5.おわりに
 
3 熱交換器のバイオフィルム洗浄技術
1.はじめに
2.汚れの種類
3.バイオフィルムの特性
4.熱交換器の汚れの洗浄
 
5.洗浄実施時期
6.熱交換器を使用しながらの洗浄
7.通水を停止しての洗浄
8.おわりに
 

 脱離、分解によるバイオフィルムの除去技術
 
1 超音波によるバイオフィルム・藻の防止
1.超音波によるバイオフィルムの防止
2.装置原理
3.バイオフィルムの発生の抑制
4.ケミカルとの合わせ技
 
5.「フレクシダル」の設置
6.「フレクシダル」の用途
7.「フレクシダル」の具体的実績例
8.おわりに
 
2 パルスレーザ照射によるバイオフィルム防止
1.レーザの特徴とレーザによる誘起現象
2.パルスレーザ照射が細菌、藻類に及ぼす影響
 
3.パルスレーザ照射によるバイオフィルム除去
4.まとめ
 
3 分解酵素を用いたバイオフィルム除去システム
1.分解酵素を用いたバイオフィルム除去の背景
2.バイオフィルム分解酵素の研究例および応用例
3.大腸菌O157:H7のバイオフィルム除去研究
 
4.分解酵素を用いたバイオフィルム除去システムの可能性
 

 バイオフィルム形成阻害剤
 
1 ラクトフェリンによるバイオフィルムの合成制御
1.はじめに
2.微生物感染症とバイオフィルム
 
3.バイオフィルム感染症
 
2 グラム陽性細菌のクオラムセンシングとバイオフィルムの関係を利用した抗菌剤の可能性
1.はじめに―グラム陽性細菌のクオラムセンシングとバイオフィルム―
2.ブドウ球菌のクオラムセンシングを標的とした抗感染症剤・バイオフィルム形成阻害剤
3.腸球菌のクオラムセンシングを標的とした抗感染症剤・バイオフィルム形成阻害剤
 
4.齲蝕(むし歯)細菌のクオラムセンシングとバイオフィルム形成の関係を利用した抗菌剤の可能性
5.おわりに
 
3 バイオサーファクタントを利用したバイオフィルムの形成と阻害
1.はじめに:界面活性剤の種類と働き
2.バイオサーファクタントを利用したバイオフィルムの形成
 
3.バイオサーファクタントを利用したバイオフィルムの形成阻害
4.おわりに
 
第3編 応用編2 有効利用技術
第1章 バイオフィルムの環境浄化への可能性とリスク管理

 環境浄化におけるバイオフィルム
1.はじめに
2.環境浄化の対象となる環境状態
 
3.基質濃度とバイオフィルムの特性
4.環境浄化にバイオフィルムを利用するための課題
 

 バイオレメディエーションにおけるリスク管理
1.バイオレメディエーションとは
2.バイオレメディエーションの対象汚染物質例
3.浄化方式と微生物管理
4.国内のバイオレメディエーション事例と微生物の安全性
 
5.カルタヘナ議定書とその国内担保法(カルタヘナ法)の成立
6.開放系利用におけるリスク管理とモニタリング
7.バイオオーグメンテーションにおける導入微生物の消長とリスク管理
 
第2章 バイオフィルムの有効利用具体事例

 環境浄化への応用事例
 
1 メンブレンバイオフィルムリアクターによる水質浄化
1.はじめに
2.MABRの原理および特徴
3.MABRによる排水処理
 
4.MABRのバイオフィルム解析
5.おわりに
 
2 微生物の生産する細胞外多糖による石油汚染海洋環境の浄化
1.はじめに
2.外界との相互作用を調節するEPS
3.海洋石油汚染
4.Rhodococcus属細菌におけるEPSの生産による石油耐性
 
5.S―2 EPSを利用した石油汚染海洋環境の浄化
6.おわりに
 
3 微生物細胞間情報伝達を利用した微生物による石油分解能の効率化
1.はじめに
2.クオラムセンシング
 
3.シデロフォアシグナリング
4.おわりに
 
4 植物表面の微生物およびバイオフィルムを活用した酸性硫酸塩土壌の植生修復
1.はじめに
2.AASSの問題点
3.植物表面のバイオフィルムを利用したバイオレメディエーション
 
4.AASSで繁茂する植物
5.AASSで繁茂する植物の共生微生物
6.おわりに
 

 環境低負荷型プロダクツの開発事例
 
1 環境低負荷型船底塗料の開発
1.はじめに
2.大型水棲生物の付着を防ぐバイオフィルム(バイオゼリー)
 
3.イルカ皮膚表面から分離した微生物が形成するバイオフィルム
4.おわりに
 
2 有機肥料の養液栽培―並行複式無機化法による養液内微生物生態系構築法―
1.はじめに
2.「有機肥料の養液栽培」の失敗
3.日本酒の醸造技術と有機養液栽培
4.並行複式無機化法による分解
 
5.根面バイオフィルムと根毛の形成
6.根部病害の抑制能
7.根面バイオフィルム内での物質循環
8.おわりに
 
3 バイオが紡ぐ高機能性バイオポリマー
1.はじめに
2.微生物デンプン;吸水保水性バイオポリマー
 
3.複合微生物系が産生する油水分離
バイオポリマー
 
将来展望
1.はじめに
2.有害微生物制御技術への展望
3.金属材料保護への展望
 
4.バイオリアクターへの展望
5.バイオレメディエーション技術への展望
6.おわりに
 
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