医用工学ハンドブック

第1編 現状と動向

●第1章● 医用工学の現状と技術開発 〈佐久間 一郎〉  1.医用工学とは  2.医用工学において求められる技術開発  3.応用分野,対象を「医学」とする意義と医用工学研究手法の特長 ●第2章● 技術開発とQOL〈佐久間 一郎〉  1.少子高齢化社会における医療福祉サービスが直面する課題  2.工学技術による生命・生活支援  3.より広い融合領域への医用工学研究開発の必要性 第2編 医用工学の基盤技術
●第1章● 医用工学における生命科学 1 ゲノム〈安井 寛,山口 類〉  1.はじめに  2.ヒトゲノムと遺伝子について  3.ゲノム解析と個別化ゲノム医療  4.ゲノム情報を利用したがん医療  5.まとめ 2 質量分析とプロテオミクス―医療応用のためのトランスレーショナル
プロテオミクス―〈峯岸 ゆり子,植田 幸嗣〉
 1.質量分析法とは  2.トランスレーショナルプロテオミクスの重要性  3.臨床実用化における課題  4.今後の展望 3 プロテオミクスの現状と課題―ゲノミクスおよび疾患との関連について― 〈秦 裕子,尾山 大明,井上 純一郎〉  1.はじめに  2.プロテオーム研究の現状と課題  3.Anfinsen のドグマに依存しない新しいタンパク質の世界と次世代質量分析技術の開発  4.多角的な翻訳後修飾解析技術の確立と次世代プロテオーム・インフォマティクス解析への展開  5.まとめ 4 幹細胞からのオルガノイド形成とその生物学的背景〈堤 璃水,永樂 元次〉  1.はじめに  2.外胚葉系オルガノイド  3.内胚葉系オルガノイド  4.中胚葉系オルガノイド  5.初期胚オルガノイド  6.まとめ 5 免疫と炎症〈岸田 晶夫〉  1.はじめに  2.免疫反応  3.異物反応-細胞による取り込み(貪食)・カプセル化  4.炎症  5.アレルギー  6.まとめ 6 オプトジェネティクス〈細島 頌子,角田 聡,神取 秀樹〉  1.はじめに  2.微生物ロドプシン  3.多様なオプトジェネティクスツール  4.オプトジェネティクスの発展  5.近赤外オプトジェネティクス  6.酵素ロドプシン  7.ツール開発の将来展望 7 ゲノム編集〈佐藤 守俊〉  1.はじめに  2.CRISPR-Cas システム  3.ゲノム編集技術の改変と機能拡張  4.様々なCas の発見  5.ゲノム編集のコントロール  6.遺伝子発現のコントロール  7.ゲノム編集の社会実装に向けた取り組み  8.まとめ ●第2章● バイオインフォマティクス・医療 1 医療情報〈津本 周作〉  1.はじめに  2.病院情報システム  3.医療情報の交換規約  4.オンライン診療  5.まとめ 2 次世代シークエンサーを用いた遺伝子発現機構の解析〈大庭 伸介〉  1.はじめに  2.遺伝子発現解析  3.エピゲノム・転写制御因子結合領域解析  4. 次世代シークエンサーを用いた遺伝子発現機構の解析の一例:
軟骨細胞のマスター転写制御因子Sox9の作動様式  5.まとめと今後の展望 3 ウェアラブルデバイス〈岸 暁子〉  1.ウェアラブルデバイスの定義  2.ヘルスケア分野での非医療機器と医療用機器について  3.エビデンス構築からレギュレーション(規制)  4.医療応用の可能性  5.まとめ ●第3章● シミュレーション 1 全身循環のマルチスケール血流シミュレーション〈大島 まり〉  1.はじめに  2.全身循環のマルチスケール性と血流のダイナミクス  3.医用画像に基づく三次元形状モデリングとマルチスケール血流シミュレーション  4.マルチスケール血流シミュレーションの数値解析手法  5.解析結果  6.まとめ 2 生体内流〈高木 周〉  1.はじめに  2.毛細血管系のシミュレーション  3.多数の赤血球を含む流れの直接数値シミュレーション  4.血栓症のマルチスケール解析  5.血小板粘着のシミュレーション  6.まとめ 3 心臓シミュレータ〈杉浦 清了,久田 俊明〉  1.はじめに  2.心臓シミュレータの分類  3.応用分野  4.今後の展開 4 微小循環系のマルチスケールバイオメカニクス〈武石 直樹,和田 成生〉  1.はじめに  2.血液の流れ  3.微小循環系の血液の流れ  4.まとめ ●第4章● バイオマテリアル(医用工学のための生体材料) 1 バイオ界面〈田中 賢〉  1.はじめに  2.医用工学のためのバイオマテリアル  3.医療機器の表面で起こる現象  4.バイオマテリアル表面へのタンパク質の吸着現象―吸着および構造変化  5.バイオマテリアルに含水した水の状態の解析  6.バイオマテリアル表面に存在する中間水の役割  7.生体親和性材料の分子設計と医工学応用  8.まとめ 2 細胞の組織化〈小田 悠加,竹内 昌治〉  1.はじめに  2.マイクロ流体デバイス技術を用いた三次元組織構築  3.マイクロ加工技術を用いた三次元組織構築  4.3D プリンティング技術を用いた三次元組織構築  5.まとめ 3 再生医療・マトリックス〈伊藤 大知〉  1.再生医療・組織工学と細胞外マトリックス  2.再生医療に用いられる生体由来足場材料  3.ECM 由来高分子を用いた合成スキャフォールド材料  4.形状制御手法:ECM 由来ハイドロゲルの再生医療分野での活用  5.まとめ 4 ナノ医薬〈宮田 完二郎,内藤 瑞,茶谷 洋行〉  1.はじめに  2.ナノ医薬の設計指針  3.ナノ医薬の具体例  4.現状の課題と今後の展望 5 医療用ナノリアクターとしての人工細胞〈奥野 陽太,秋吉 一成〉  1.はじめに  2.人工細胞とドラッグデリバリーシステム  3.医療用人工細胞ナノリアクター  4.膜透過性カプセルナノリアクター  5.刺激応答性ポリマーベシクル 6 抗体工学〈松長 遼,津本 浩平〉  1.はじめに  2.抗体の構造  3.抗原―抗体間相互作用の特徴  4.抗体の取得方法  5.抗体の生産方法  6.各抗体フォーマットの特徴  7.抗体の機能化  8.まとめ ●第5章● 生体計測 1 組織透明化技術―水溶性透明化試薬を中心に―〈洲﨑 悦生〉  1.はじめに  2.水溶性透明化試薬による組織透明化  3.水溶性透明化試薬による医療応用への展望  4.まとめ 2 各種蛍光プローブの論理的精密開発による術中迅速がんイメージングの実現 〈浦野 泰照〉  1.はじめに  2.分子内光誘起電子移動に基づく蛍光プローブの論理的精密設計法の確立  3.Activatable probes とAlways-on probes  4.分子内スピロ環化平衡の精密制御に基づく蛍光プローブの論理的設計法の確立  5.アミノペプチダーゼ蛍光プローブの開発に基づくin vivo 迅速がん蛍光イメージングの実現  6.GGT 活性検出蛍光プローブによるヒト新鮮臨床検体を用いたがん部位迅速可視化  7. 蛍光プローブライブラリーの作製とこの臨床検体への適用による
食道がん迅速イメージングプローブの開発  8.カルボキシペプチダーゼ活性検出蛍光プローブの開発による前立腺がんイメージング  9.まとめと今後の展望 3 超音波イメージング〈椎名 毅〉  1.超音波の生体内伝搬特性と計測の特徴  2.超音波の反射  3.パルスエコー法  4.超音波診断装置と超音波像の各種モード  5.超音波プローブ(探触子)  6.コントラストエコー法とハーモニックイメージング  7.ドプラ法  8.超音波エラストグラフィ  9.まとめ 4 磁気共鳴イメージング〈青木 伊知男〉  1.磁気共鳴イメージング( MRI) の概要と特徴  2.MRI 装置  3.MRI 信号の持つ意味  4.多様な撮像法と機能イメージング  5.MRI 造影剤の概要  6.低分子の機能性MRI 造影剤  7.ナノ粒子によるDDS とMRI  8.まとめ 5 核医学イメージング〈山本 誠一〉  1.はじめに  2.PET 装置  3.SPECT 装置 6 ナノバイオデバイスによる単一生体粒子分析 〈馬場 嘉信,安井 隆雄,有馬 彰秀〉  1.はじめに  2.ブリッジ回路を利用したオンサイトセンサー  3.ナノワイヤ構造による細菌の破砕とDNA 抽出  4.今後の展望 7 ウェアラブルエレクトロニクス 〈横田 知之,松葉 頼重,Jin Hanbit,宮本 明人,染谷 隆夫〉  1.はじめに  2.スマートテキスタイル  3.ウルトラフレキシブルエレクトロニクス  4.ナノメッシュセンサ ●第6章● ロボット・AI 1 ロボット―手術〈原田 香奈子〉  1.はじめに  2.手術ロボットの特徴  3.手術ロボットの分類  4.自動化・自律化に向けたアプローチ  5.今後の手術ロボットの研究開発に向けて 2 ロボットリハビリテーション 〈高草木 薫,千葉 龍介,野口 智弘,村田 哲,淺間 一,太田 順〉  1.はじめに;ロボット工学とリハビリテーション治療をつなぐ神経科学の重要性  2.神経科学から観た姿勢制御と歩行運動のメカニズム  3.機能再建医療としてのリハビリテーション  4.ロボットリハビリテーションの現在と未来  5.まとめ 3 医用画像におけるAI と診断治療支援〈森 健策〉  1.はじめに  2.機械学習  3.ニューラルネットワークの歴史  4.画像AI を応用した診断治療支援機器  5.まとめ 第3編 医用工学の応用事例
●第1章● がん 1 がん診療における最近の抗体医薬〈松村 保広〉  1.はじめに  2.抗体療法に関係する固形がんの病態生理  3.固形がんにおける抗体デリバリーを阻むバリアの克服  4.抗体療法の新しい動き  5.結論と今後 2 放射線治療〈上坂 充〉  1.はじめに  2.放射線生物学の基礎  3.X 線治療  4.陽子線治療  5.炭素線治療  6.ホウ素中性子捕捉治療(Boron Neutron Capture Therapy)  7.核医学内用治療  8.小線源治療  9.まとめ 3 脳神経外科領域における画像誘導治療〈田村 学,村垣 善浩〉  1.はじめに  2.脳腫瘍に対する画像誘導治療としての術中MRI 誘導ナビゲーションを用いた摘出術  3.ガンマナイフ放射線外科治療  4.まとめ ●第2章● 循環器系 1 補助循環装置〈築谷 朋典〉  1.はじめに  2.補助循環の種類と適用  3.補助循環に使用される装置の構造  4.補助循環の課題  5.まとめ 2 不整脈研究のための心臓膜電位光学マッピング〈富井 直輝,山崎 正俊〉  1.はじめに  2.心臓の計測技術  3.計測原理と計測システム  4.光学マッピングの動画解析  5.不整脈研究への応用  6.まとめ 3 臨床不整脈のリアルタイム映像化に基づくカテーテル治療に向けた
医用工学技術の応用〈芦原 貴司〉
 1.はじめに  2.心房細動の機序解明の限界  3.心房細動治療の限界  4.心房細動ドライバー探索の限界  5.リアルタイム臨床不整脈映像化システムExTRa Mapping の開発  6.ExTRa Mapping の精度検証と臨床応用  7.ExTRa Mapping を用いた心房細動ドライバーの探索法  8.ExTRa Mapping を用いたミニマル焼灼法  9.ExTRa Mapping ガイド下アブレーションの実例  10.ExTRa Mapping が心房細動アブレーションにもたらす変革  11.医用工学技術による不整脈イメージングの経験から将来に向けて 4 冠動脈ステントの効果的治療法と研究開発を促進する新規評価法〈岩﨑 清隆〉  1.はじめに  2.冠動脈ステントの構成要素と製造プロセス  3.3 回拡張法  4.冠動脈ステントの繰り返し屈曲負荷耐久性試験法の開発  5.左冠動脈主幹部分岐部病変に対する理想的治療法の研究  6.一定期間狭窄部を拡張して長期的には分解・吸収されるステントの
性能評価方法の研究開発  7.まとめ ●第3章● 脳・神経系 1 神経工学〈高橋 宏知〉  1.はじめに  2.神経インターフェースの分類  3.感覚の再建  4.運動の再建  5.脳情報の抽出  6.脳活動の調整 2 神経細胞の数理モデル〈小谷 潔〉  1.はじめに  2.神経細胞の活動電位  3.神経細胞モデルとその対象  4.ガンマ振動のモデル―MT モデル  5.まとめ ●第4章● 整形外科系 1 コンピュータを使ったナビゲーション〈菅野 伸彦〉  1.はじめに  2.患者適合型手術支援ガイド  3.手術ナビゲーション  4.ロボット支援手術  5.整形外科手術支援の展望 2 AI による医用画像からの筋肉セグメンテーション: Bayesian U-net による精度予測,および,教師無しドメイン適応 〈佐藤 嘉伸,日朝 祐太,大竹 義人,高尾 正樹,菅野 伸彦〉  1.はじめに  2.Bayesian U-net によるCT 画像からの筋肉セグメンテーションと精度予測  3.教師無しドメイン適応による筋肉セグメンテーションの適用範囲拡大  4.まとめと今後の展望 3 体内で組織再構築し自己組織化する新しい価値を生む膝前十字靱帯再建治療機器 〈岩﨑 清隆〉  1.はじめに  2.腱の特徴  3.脱細胞化組織の研究開発と米国で実用化されている治療機器  4.膝前十字靱帯再建に用いる生体由来材料を用いた治療機器の研究開発動向  5.組織強度の保持を実現する厚い腱組織の脱細胞化技術と滅菌方法の研究開発  6.ヒツジを用いた大動物による生体内組織再構築に関する評価  7.まとめと展望 ●第5章● 医療・福祉工学系 1 ニューロリハビリテーション〈竹内 直行,出江 紳一〉  1.はじめに  2.機能的電気刺激とは  3.ニューロモジュレーション 2 福祉工学〈井上 剛伸〉  1.生活機能と障害  2.福祉工学の定義とその範囲  3.支援機器を取り巻く状況  4.支援機器の評価  5.支援機器の支給制度  6.支援機器の開発手法  7.支援機器の開発事例  8.福祉工学の将来像 第4編 医用工学―今後の課題と取り組み
●第1章●   医療機器分野でのオープンイノベーションによる医工・産学官連携と 工学技術・異業種技術の導入と活用〈妙中 義之〉  1.はじめに  2.医療機器の製品化のためのオープンイノベーションクラスターの形成と活用  3.医工連携による医療機器分野のイノベーション  4.医療分野の技術やノウハウを社会で活かす  5.医療分野でイノベーションを起こす人材の育成  6.まとめ ●第2章●  医療と医用工学―今後の課題〈佐久間 一郎〉  1.医工連携研究推進について  2.今後求められる研究開発課題  3.まとめ 第5編 国際基準 「レギュラトリーサイエンス」と「合理的な医療」 〈近藤 達也,星野 達郎〉
 1.レギュラトリーサイエンス  2.レギュラトリーサイエンスに基づいたPMDA 取り組み  3.“Rational Medicine” Initiative ―「合理的な医療」 を目指して―  4.まとめ 索 引
 
 
 
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