分散・凝集技術ハンドブック


第1編 基礎原理

第1章 分散・凝集とは  〈武田 真一〉  1.はじめに  2.状態としての分散  3.過程としての分散 第2章 分散・凝集の歴史 第1節 コロイドの分類  〈大島 広行〉  1.可逆(親水)コロイドと不可逆(疎水)コロイド  2.ハード系とソフト系 第2節 分散・凝集に対する2つの見方:速度論と平衡論  〈大島 広行〉  1.コロイドの分散・凝集に対する2つの見方  2.不可逆コロイドの分散・凝集の速度論:DLVO理論  3.可逆コロイドの相転移理論:Langmuir理論  4.Onsagerの排除体積理論 第3節 Hamaker定数(凝集促進因子)の歴史  〈大島 広行〉  1.はじめに:Hamaker定数とは何か  2.Hamakerの理論とHamaker 定数  3.Hamaker定数の巨視的な表現 第4節 ゼータ電位(分散促進因子)の歴史  〈大島 広行〉  1.はじめに:ゼータ電位とは何か  2.Gouy-Chapman モデル:帯電粒子周囲の電気二重層  3.Smoluchowskiの式:Debye長より大きい粒子  4.H?ckelの式:Debye長より小さい粒子  5.Henryの式:任意のサイズの粒子  6.Overbeekの緩和効果の理論:ゼータ電位が高い場合  7.電気泳動の標準理論:O’Brien-Whiteの理論 第5節 凝集速度と安定度比  〈大島 広行〉  1.はじめに:コロイド分散系の凝集速度  2.Smoluchowskiの急速凝集の理論  3.Fuchsの緩慢凝集の理論:相互作用場における凝集速度と安定度比  4.安定度比の式の改良 第3章 分散・凝集が関係する特性と現象 第1節 分散・凝集状態とその定義  第1項 凝集状態とその定義  〈武田 真一〉  1.1 次粒子と凝集粒子  2.凝集現象の科学と歴史  3.凝集形態とJISによる分類  4.分散過程における分散・凝集状態とそれを支配する力  第2項 分散性と分散安定性の定義  〈武田 真一〉  1.はじめに  2.ISOの分散安定性と実用系の安定性 第2節 分散・凝集を支配する因子─コロイド粒子間相互作用  第1項 凝集の速度論:DLVO理論  〈大島 広行〉  1.DLVO理論とは何か  2.2個の球状粒子間の全相互作用エネルギー  3.臨界凝集濃度とSchultze-Hardyの経験則  4.安定性の基準  第2項 凝縮相と分散相の平衡:Langmuirの相平衡理論  〈大島 広行〉  第3項 排除体積効果:Onsagerの理論  〈大島 広行〉  第4項 枯渇相互作用:朝倉・大澤理論  〈大島 広行〉  第5項 吸着高分子間の立体相互作用  〈大島 広行〉  第6項 コロイド分散系における結晶構造:Alder 転移  〈大島 広行〉 第3節 凝集の制御科学  第1項 凝集速度論  〈足立 泰久〉  1.はじめに  2.ポピュレーション(母集団)方程式(スモルコフスキー方程式)  3.ブラウン凝集  4.せん断流れ場における凝集  5.流体力学的相互作用  6.ブラウン運動と流れ場の共存域での凝集速度  7.乱流場における凝集  第2項 基準撹拌を適用した吸着性高分子による凝集の初期過程  〈足立 泰久〉  1.はじめに  2.中性高分子による初期の凝集過程  3.高分子電解質の凝集に関わるイオン強度の効果 第4節 分散系のレオロジーの基礎  〈中村 浩〉  1.概 況  2.レオロジーの基礎  3.分散系のレオロジーの基礎  4.分散系のレオロジー(非ニュートン流体)  5.分散系のレオロジーを支配する液構造 第4章 分散・凝集のシミュレーション 第1節 プロセスにおける分散系のシミュレーション  〈辰巳 怜〉  1.はじめに  2.流動シミュレーション  3.乾燥シミュレーション 第2節 ソフトマター系のミクロ・マクロ・メソスケールシミュレーション  〈高江 恭平〉  1.数値シミュレーションの役割とは  2.分子動力学シミュレーション  3.マクロな流体力学シミュレーション  4.コロイド溶液のメソスケールダイナミクス  5.まとめ  6.補 足 第2編 計測・評価
第1章 分散性(粒子径分布)評価事例 第1節 レーザ回折・散乱法の原理と応用例  〈山口 哲司〉  1.はじめに  2.測定原理  3.粒子径分布演算  4.装置概要  5.測定精度  6.測定事例  7.各種アクセサリーを使った応用例  8.おわりに 第2節 DLS(動的光散乱法)  〈高橋 かより〉  1.はじめに  2.動的光散乱法と静的光散乱法  3.動的光散乱の原理  4.DLS法による相互作用評価  5.粒子の形状評価 第3 節 凝集粒子数カウント法  〈佐々木 健吉〉  1.はじめに  2.アキュサイザー  3.おわりに 第4節 SAXS(小角X線散乱法)  〈高崎 祐一〉  1.小角X線散乱法とは  2.小角X線散乱法の活用例  3.まとめ 第5節 パルスNMR法の原理と分散性評価への応用  〈池田 純子〉  1.はじめに  2.測定原理  3.評価事例─単層カーボンナノチューブの分散条件を検討  4.おわりに 第6節 フローサイトメトリー  〈水田 涼介,秋吉 一成〉  1.はじめに  2.フローサイトメーターの原理  3.フローサイトメトリーによるサンプルの解析  4.次世代のフローサイトメトリー 第7節 超音波法  〈武田 真一〉  1.超音波法の原理  2.超音波減衰機構  3.超音波法によるモデル系の評価例  4.おわりに 第2章 分散安定性の計測・評価法 第1節 濁度を用いた分散凝集の評価方法  〈小林 幹佳〉  1.はじめに  2.透過率・吸光度・濁度  3.上澄みの透過率と分散凝集の判定  4.濁度の時間変化方法  5.おわりに 第2節 動的光散乱法を用いた分散凝集の評価方法  〈小林 幹佳〉  1.はじめに  2.動的光散乱法と流体力学的径  3.動的光散乱法による分散凝集の判定  4.光散乱の時間変化から議論する分散凝集0  5.おわりに 第3節 沈降速度測定法─自然沈降法・遠心沈降法  〈武田 真一〉  1.沈降分析法による分散安定性評価  2.沈降に対する安定性と凝集に対する安定性の関係  3.自然沈降分析法および遠心沈降分析法の原理と測定装置  4.自然沈降分析法によるスラリー評価の測定例  5.遠心沈降分析法のスラリーへの応用例  6.まとめ 第4節 沈降静水圧測定法  〈森 隆昌〉  1.はじめに  2.沈降静水圧測定法の原理  3.沈降静水圧測定例  4.おわりに 第5節 レオロジー測定法  〈中村 浩〉  1.種々の粘度,レオロジー測定装置  2.レオメーターによるレオロジー測定法 第3章 界面特性の実験的計測・評価法 第1節 表面張力・界面張力測定  〈平野 大輔〉  1.はじめに  2.表面張力・界面張力測定  3.動的表面張力測定  4.おわりに 第2節 接触角測定  〈平野 大輔〉  1.はじめに  2.接触角と濡れ  3.表面自由エネルギー解析  4.おわりに 第3節 ゼータ電位測定  第1項 電気泳動法  〈中村 彰一〉  1.電気泳動法とは  2.各種電気泳動法  3.電気泳動法から求めたゼータ電位の利用分野  第2項 超音波法  〈武田 真一〉  1.濃厚分散系で観測される界面動電現象  2.沈降電位法とドルン効果(Dorn Effect)  3.超音波法によるゼータ電位測定  4.おわりに 第4節 表面間力測定法(AFM)  〈石田 尚之〉  1.表面間力の直接測定  2.AFMによる表面間力測定方法  3.AFMによる相互作用測定の実例  4.まとめ 第5節 パルスNMR法による濡れ性評価  〈武田 真一〉  1.はじめに  2.界面エネルギー評価としてのHDP(Hansen Dispersibility Parameter)値評価 第3編 微粒子の合成
第1章 ナノ粒子・微粒子表面設計・制御  〈神谷 秀博〉  1.はじめに  2.ナノ粒子の液相合成過程での表面設計・制御法  3.サブミクロン以上の大きさの微粒子表面の構造設計による付着・凝集性制御  4.おわりに 第2章 ハード微粒子 第1節 金属ナノ粒子  〈川ア 英也〉  1.はじめに  2.液相法による金属ナノ粒子合成の留意点  3.クエン酸塩  4.ポリオール(多価アルコール)  5.ジメチルホルムアミド(DMF)  6.抱水ヒドラジン(ヒドラジン水和物)  7.水素化ホウ素ナトリウム(金属水素化物)  8.金属錯体熱分解法 第2節 形態制御微粒子─噴霧熱分解法,噴霧乾燥法,液相法  〈平野 知之,荻 崇〉  1.はじめに5  2.噴霧熱分解法,噴霧乾燥法による形態制御微粒子  3.液相法による形態制御微粒子  4.おわりに 第3章 ソフト微粒子 第1節 高分子微粒子  〈鈴木 登代子,南 秀人〉  1.はじめに  2.不均一重合法による高分子微粒子の合成  3.乳化重合  4.懸濁重合  5.ミニエマルション重合  6.マイクロエマルション重合  7.分散重合(沈殿重合)とシード分散重合法  8.おわりに 第2節 ハイドロゲル微粒子の合成  〈渡邊 拓巳,鈴木 大介〉  1.はじめに  2.沈殿重合法によるハイドロゲル微粒子の合成  3.ゲル微粒子形成メカニズムの理解と粒子内官能基分布の制御  4.乳化重合を駆使したゲル微粒子内部へのナノドメイン構造の構築  5.ハイドロゲル微粒子の分散・凝集  6.まとめ 第3節 自己組織化微粒子  〈安原 主馬〉  1.はじめに  2.両親媒性分子の自己組織化と分子設計  3.両親媒性分子のミセル形成  4.両親媒性分子が水中で形成するナノカプセル(ベシクル・リポソーム)  5.両親媒性分子によって形成されるユニークな自己組織化微粒子  6.おわりに 第4節 エマルション  〈酒井 俊郎〉  1.はじめに  2.界面活性剤の両親媒特性を利用した乳化  3.微粒子を利用した乳化  4.乳化剤(界面活性剤)を一切使用しない乳化剤フリー乳化  5.おわりに 第4編 産業応用
第1章 エネルギー・エレクトロニクス 第1節 リチウム電池の分散,凝集とレオロジー  〈菰田 悦之〉  1.リチウム電池の電極スラリー  2.正極スラリー  3.負極スラリー  4.まとめ 第2節 燃料電池の分散・凝集と電池特性  〈菰田 悦之〉  1.はじめに  2.粒子濃度とレオロジー特性および発電性能  3.触媒スラリーの最適撹拌時間  4.まとめ 第3節 エネルギーデバイスにおける塗布,乾燥,成膜  〈山村 方人〉  1.はじめに  2.スロットダイ塗布の特徴  3.粒子分散塗布膜乾燥の特徴  4.塗布流動解析のシナリオ  5.乾燥解析のシナリオ 第4節 印刷エレクトロニクス  〈日下 靖之〉  1.印刷とエレクトロニクス7  2.印刷プロセス  3.材 料  4.デバイス応用例 第2章 コーティングマテリアル・色材 第1節 コーティング・色材分野における分散・凝集技術  〈小林 敏勝〉  1.はじめに  2.顔料分散技術  3.エマルション樹脂  4.増粘剤 第2節 塗料における顔料分散  〈南家 真貴子〉  1.塗料の概要  2.塗料用顔料に求められる機能  3.塗料の製造プロセスと分散への影響因子  4.溶剤系塗料における顔料分散  5.水系塗料における顔料分散 第3節 オフセット印刷インキにおける顔料分散  〈藪野 通夫〉  1.はじめに2  2.オフセット印刷インキについて  3.顔料の特徴とインキの製造方法  4.分散の基礎理論とオフセット印刷インキにおける分散の具体例  5.オフセット印刷インキの生産設備  6.オフセット印刷インキ生産におけるベース状態と分散性  7.顔料分散性と印刷効果・印刷適性への影響  8.オフセット印刷インキの分散性評価方法  9.まとめ 第4節 顔料のナノ分散  〈小林 敏勝〉  1.はじめに  2.ナノ分散に適した顔料分散剤  3.ナノ分散用顔料分散機  4.おわりに 第3章 香粧品 第1節 微粒子粉体である紫外線散乱剤に関する分散技術  〈那須 昭夫〉  1.はじめに  2.分散安定化の考え方  3.紫外線散乱剤分散系の評価方法  4.おわりに 第2節 紫外線散乱剤の特徴と製造方法  〈三刀 俊祐〉  1.紫外線防御剤について  2.紫外線散乱剤の分散性  3.表面処理剤の種類と分散性への影響  4.表面処理工程と分散性への影響  5.表面処理プロセスによる光学特性の変化  6.おわりに 第3節 小角X線散乱法の香粧品応用事例  〈高崎 祐一〉  1.小角X線散乱とは  2.小角X線散乱法によるナノ粒子の測定からデータ解析の流れ340  3.SAXS 測定の応用事例  4.まとめ 第4節 化粧品コロイドの調製と安定性評価  〈坂 貞徳〉  1.はじめに  2.分散コロイドの調製と評価方法  3.トップダウン法と高圧乳化装置  4.乳化粒子およびリポソームの粒径評価  5.測定例  6.まとめ 第4章 農業,環境分野 第1節 総論:コロイド凝集の解析に基づく土壌・水環境,農学分野の工学展開  〈足立 泰久〉  1.はじめに  2.球形単分散コロイド粒子を用いるメリット  3.モデルを用いた思考と環境問題における位置づけ  4.フロッキュレーション解析に基づく環境界面工学の展開  5.今後の展望 第2節 吸着理論の基礎と展開  〈石黒 宗秀〉  1.Langmuir の吸着式  2.協同吸着・多層吸着・不均質場の静電気力によるイオン吸着 第3節 粘土に対するDLVO理論の適合性  〈小林 幹佳〉  1.粘土と分散凝集の経験則  2.DLVO理論の特徴と凝集速度  3.粘土の分散凝集とDLVO理論  4.DLVO理論では議論できない事例  5.おわりに 第4節 コロイドの凝集分散と農薬施用  〈幸内 淳一〉  1.はじめに  2.フロアブル剤の特徴  3.水田用直接散布フロアブル剤の特徴  4.エマルション剤の特徴  5.サスポエマルション剤の特徴  6.おわりに 第5章 食品分野 第1節 食品乳化・分散系の安定性評価  〈松村 康生,松宮 健太郎,石井 統也〉  1.緒 論  2.O/W 型エマルション(サスペンション)の不安定化の過程  3.不安定化現象の評価法と現象に関わる重要因子の解析 第6章 バイオ分野 第1節 タンパク質凝集(アミロイド)と疾患  〈土江 祐介,座古 保〉  1.タンパク質凝集(アミロイド)の形成  2.アミロイドの多様性  3.アミロイドと液?液相分離 第2節 タンパク質凝集抑制剤としてのアルギニンの応用  〈白木 賢太郎〉  1.タンパク質の凝集を抑制する添加剤  2.アルギニンによるタンパク質凝集の抑制  3.アルギニンによる凝集抑制のメカニズム  4.アルギニンの多様な応用例  5.アルギニンの欠点と残された課題 第3節 細胞内液?液相分離:核酸,タンパク質の凝集と機能  〈鶴田 充生,川内 敬子,三好 大輔〉  1.はじめに  2.ドロプレットの形成のメカニズム  3.生体分子によるドロプレットの物性と機能  4.ドロプレットの形成の駆動力と分子環境の効果  5.ドロプレット形成に必要なタンパク質とRNAの配列および構造  6.ドロプレットのゲル化・凝集化  7.細胞内ドロプレットの機能  8.ドロプレットの破綻と疾患  9.おわりに 第4節 細胞集積  〈松崎 典弥〉  1.はじめに  2.細胞表面への高分子ナノ薄膜形成  3.細胞集積技術  4.人工基底膜による細胞の区画化制御  5.まとめ 第5節 高分子電解質を活用した生体高分子の凝縮と相分離  〈岸村 顕広〉  1.はじめに  2.ポリイオンコンプレックス形成とコンプレックスコアセルベート  3.ポリマー設計に基づく複合コアセルベートへのタンパク質取り込み制御:デザイナーコアセルベートの創出  4.相分離の概念を活用した階層構造体形成:過渡的な凝縮体形成の活用  5.おわりに 第6節 臨床検査用ラテックス粒子  〈高橋 弘至,太平 博暁〉  1.はじめに  2.LTIA用ラテックス粒子  3.LTIA検査薬の性能向上技術  4.LTIAの今後の展望 第5編 先端サイエンスにおけるコロイド凝集分散
第1章 ナノカーボン  〈佐野 正人〉  1.カーボンナノチューブ  2.グラフェン  3.まとめ 第2章 ナノセルロース分散液のレオロジー  〈田仲 玲奈〉  1.はじめに  2.固有粘度の概要  3.ナノセルロース分散液の固有粘度  4.まとめ 第3章 コロイド結晶と宇宙実験  〈山中 淳平,奥薗 透,豊玉 彰子〉  1.はじめに  2.コロイド系の結晶化  3.荷電コロイド系の制御された結晶成長  4.宇宙実験  5.おわりに 第4章 粒子安定化泡  〈藤井 秀司〉  1.はじめに  2.気液界面に吸着した粒子とその評価法  3.粒子安定化泡  4.おわりに 第5章 天然色素の凝集制御と分子の柔らかさ  〈鈴木 龍樹,出口 茂〉  1.はじめに  2.分子配列に基づく解釈  3.分子ひずみに基づく解釈  4.おわりに
 
 
分散・凝集技術ハンドブック Copyright (C) 2024 NTS Inc. All right reserved.