メタマテリアル、メタサーフェスの設計・作製と応用技術
== 趣旨 ==
 メタマテリアルは「光の波長よりも小さな構造で、自然界にはない光学応答特性が得られる人工物」であり、その特性から、多岐にわたる応用が可能である。その一例として、下記のような応用例が報告されている。

・次世代ディスプレイへの応用
・ドローンやIoT機器へ搭載される超小型レンズへの応用
・メタレンズと呼ばれる極薄のフラットレンズへの応用
・中赤外やテラヘルツ波など既存のレンズが利用できない波長域でのイメージングへの応用
・環境ガスセンサー用中赤外狭帯域光源や照明用光源への応用
・光熱起電力発電や放射冷却への応用
・構造色として、プラズモニックカラーとよばれる印刷分野への応用
・10 GHz オーダーの高速変調素子への応用
・ミリ波集積回路の性能向上としての応用
・次世代ワイヤレスシステムへの応用
・光電変換(光エネルギーを電気エネルギーに変換するデバイス)への応用
・太陽電池への応用

 本書ではメタマテリアル、メタサーフェスを理解するうえで必要となる基本的な原理から応用について大学、企業、研究機関の国内で第一線で活躍する研究者にご執筆いただいた。

 特に近年研究が盛んに行われる「メタサーフェス(メタ表面)」の最新情報を多く盛り込んでいる。

 第1章「メタマテリアル、メタサーフェスの原理・特徴」ではメタマテリアルの歴史からはじまり、メタマテリアル、メタサーフェスの構造や特性について、また現状の課題から今後の展開について詳述していただき、第2章「メタマテリアル、メタサーフェスの設計・作製」では各節、目的、応用例をあげて、具体的な計算方法や設計、作製方法を詳しく解説していただいた。第3章「メタマテリアル、メタサーフェスの応用」では、各節、具体的な応用例をあげ、動作原理や設計法、評価法や適用例、実証例などについても解説していただいている。

 また、メタマテリアル、メタサーフェスの課題となる大面積化や生産性、集積化についても各章で解説されている。

 本書を通して、メタマテリアル、メタサーフェスの可能性、魅力を感じていただき、研究開発にお役立ていただければ幸いである。
 
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