「刊行にあたって」

 リチウムイオン電池の生産と消費は増大の一途である。携帯電話やスマホ用、アシスト自転車、電動工具、自然エネルギー蓄電システムなどである。更に2014 年末に至って、これまで悲観視されていた、EVへのリチウムイオン電池の大幅採用が報じられている。EVは小型民生用の、ほぼ二桁多い総容が生産されると予想される。
 ここでいわゆる“静脈流”の整備は、ここまで社会の電源インフラとなったリチウムイオン電池において、生産・流通の動脈流を維持する為の必要条件となった。国内法に基づく3Rの推進や、EU諸規制への対応など、”多少は後追いのアクション”と考えていた段階は終わりつつある。コバルトとリチウム、この確保はレアアース・メタルでの苦い経験を繰り返してはならない。
 本レポートでは電池回収のポイントを、二次電池のエンジニアリングとして正確に把握すると共に、設計>製造>検査(性能と安全性)の逆を辿ることが回収・処理のプロセスでもあり、「材料、性能、寿命、安全性、規格試験と法規制ならびに処理技術の総合資料集」との副題とした。
 データは定量化を期して、小・中および自動車用を含む大型の電池の生産量とその予測、製造に投入される化学原材料とその構成原子(Li、Co ほか)の化学量論的な計算、無害化と処理技術、化学物質の安全性と法規制などもカバーし、技術と市場規模の総合資料集としてまとめた。リチウムイオン電池の回収・リサイクル・再資源化に関連する情報を求める方々への関心に役立つものと確信し購読をお勧めする。
リチウムイオン電池の3R政策の現状と動向(回収・リサイクル・再資源化)冊子・PDF版セット
〜材料・性能・寿命・安全性・規格試験・法規制・処理技術の総合資料集〜
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