EV、PHEV、HEVと燃料電池車の環境・走行性能分析【書籍+PDF版】
 〜走行距離、電池容量、燃費、電費、CO2負荷の比較〜
= 刊行にあたって =

 この本のタイトルをどの様に観るか、立場により国や地域によって、かなり多種多様であろう。コロナ禍の中のこの数年で、意外にも続伸したEVの生産台数。一挙に2030年ないしは2035年の、新規ガソリン車の販売停止まで行くのか。とは言え日本と欧州では依然として、ハイブリッド車HVが新規登録車のトップを占めている。人気で売れているのは、大型のSUVであり、その殆どはEVではなく、プラグイン・ハイブリッドPHVである。

 やはり自動車のエネルギー問題の根本的な解決は、水素エネルギーと燃料電池車FCVに求めざるを得ないのであろうか。昨今の世界の政治情勢の変化によって、天然ガス不足や石炭への回帰が顕著である。COP26の目標は霞んで、脱炭素(カーボンニュートラル)の行方さえ不透明になっている。発電電力のCO2負荷、KgCO2/kWh電力は、高止まりの傾向が見えている。

 EVシフトは望ましくはあるが、大容量のEV電池の生産とコストや、それに伴う原材料のサプライ・チェーンSCなど、余りにもEVの拡大はハードルが高い。

 上記の混沌たる状況を理解し、今後の方向を見定めるには、EV、PHEV、HEVとFCVの、それぞれの性能と技術を、可能な限り数値で比較し、一覧して考えて見る必要があろう。

 本書は2022年3月段階での、上記の自動車のデータを集めて一覧し、“走行距離Km(WLTC)”、“電池容量kWh”、更には“燃費Km/Lガソリン”と“電費Km/kWh充電電力”などのパラメーターで、相互の比較を行い、表題のテーマに何らかの答えを求めるものである。  なかなか掴まえ難い内容であるが、読者各位との接点を見いだせればとの思いである。 

(菅原 秀一)
EV、PHEV、HEVと燃料電池車の環境・走行性能分析【書籍+PDF版】
〜走行距離、電池容量、燃費、電費、CO2負荷の比較〜
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