世界の水電解装置・構成部材 最新業界レポート
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 現在、アルカリ水電解装置とPEM水電解装置が実用化されている。アルカリ水電解法はスケールメリットがあり、特に大規模プラントで低コスト化が期待できる、しかし、出力が大きく変動する再生可能エネルギーからの電力が問題となっており、入力電力の変動にも対応可能な新たな電極材料の開発、及び、電解槽・電極の設計の改善が求められる。

 PEM水電解法は電流密度がアルカリ水電解法に比べて高いため装置を小型化できるが、部材が高コストという課題はあるが、最近の活発な研究開発で規模、コストとも差は縮まってきた。

 さらに、最近では電解質膜をプロトン伝導性のものからアニオン伝導性の材料へと変え、アルカリ条件での電解装置としたアニオン交換膜(AEM)水電解装置も研究開発が活発になっている。

 SOECは、高温で動作するため総合効率は高いものの、現時点では相対的に高コストで寿命も短く、商用化の最も初期の段階である。ドイツのSunfireは、SOEC水電解装置「HyLinkSOEC」「SynLinkSOEC」をラインナップしている。米国のBloomEnergyは、固体酸化物型燃料電池の生産能力を活用し、SOECの参入を加速させている。

 本レポートは、水電解装置、及び、構成部材を焦点に合わせ、世界の水電解・グリーン水素プロジェクトに参画する企業を主に調査した。巻末には、各プロジェクトに参画する水電解装置メーカー、種類、容量、水素源・製造などを一覧にまとめた。今後の展開を見据えたうえでの次世代ビジネスにつながるレポートになっている。

CMCリサーチ調査部
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