先端の分析法 第2版
《はじめに》
 本書の初版“先端の分析法”を(株)エヌ・ティー・エスより出版したのは、2004年である。既に18年余が過ぎた。当時、梅澤喜夫教授(東京大学)と私、それに寺部茂教授(姫路工業大学、現在の兵庫県立大学)の三人の発案で編集の労をとった。2002年には、当時(株)島津製作所研究員であられた田中耕一博士のノーベル賞授賞があり、新しい分析化学が我が国から発信される期待がふくらんでいた。

 それを背景に、我が国でも(独)日本科学技術振興機構が中心になり“先端計測法”の開発研究が国研、大学、民間企業の連携研究等により開始され、10年以上の永きに亘って実施された。小生(澤田)は、本事業に当初より総括として参加し、結果を出すことができたと考えている。分析化学も当然含まれており、今般の改訂版にもその成果が含まれる。

 当該領域の進展は、科学技術の進展と共に急速に変化するが、今般の改訂は、とりわけAI技術の進化・発展やバイオ技術の急速な進歩、環境問題の深刻化とその対策等に強く刺激されたことはいうまでも無いが、また分析化学技術が当該分野へ大きな刺激を与えたことも事実であり、本改訂版の意義はそこにあると断言できる。

 本版は電子出版にもなるが、ぜひ引き続き座右の一冊にされることを希求するものである。

2021年12月吉日  
監修  澤田 嗣郎

※ 2021年12月現在。変更の可能性があります
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