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世界の次世代触媒 最新業界レポート(後編) 冊子+CDセット |
= はじめに =
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COのメタン化技術は、再生可能エネルギー等のCOフリーな水素の利用によりCOの再利用と水素キャリアの両者を兼ねる技術として注目を集めている。
CO2からメタンを合成する触媒の開発では、幅広い温度帯において高転換率(90%)が可能となる触媒の開発が盛んである。一般的に高い変換効率を有する反応器を設計するには、最適な熱伝達を有する触媒層が求められている。高い触媒活性と最適な熱伝達性を得るためには、触媒の活性金属と担体材料が重要となる。
水電解は、再エネ電気を利用して電気分解により水素を製造する方法が一般的である。
アルカリ水電解は、古くから肥料製造や食塩電解などで商用利用の実績を有する手法である。規模としても、100MW級の大型装置の実績がある。貴金属だけでなく遷移金属も利用可能であるため使える材料は比較的多い。アルカリ溶解を防ぐため、カソードとアノードの集電体にはニッケルを用いることが多く、その上に触媒を担持して利用されている。
カソード触媒としてはニッケルや鉄を中心とした合金系を、アノード触媒にはニッケルやコバルトを中心とした酸化物やオキシ水酸化物を用いることが多い。
プロトン交換膜(PEM)水電解では強酸性や高電位のため、電極触媒として使用できる材料が限られる。それゆえに、IrやPt等の貴金属を用いるため、電極触媒材料におけるコストが高く、貴金属量の最適化の研究が盛んである。
近年では、欧州を中心に太陽光や風力など再エネを使用し、製造された「グリーンアンモニア」の生産計画が世界で増え始めている。現状、グリーンアンモニアの合成プロセスには、HB法とは異なる視点でプロセスと触媒を研究することが求められている。アンモニア合成触媒の研究開発では、低温活性の向上はHB法よりも低温低圧で運転することが重要である。また、水素供給量変動に応じた条件変更に対する応答性と再起動時に短時間で運転停止前と同等の活性が得られることがポイントになっている。
熱分解法において触媒を使用すると、重油やディーゼル油が減少してナフサやガスが増加し、分解温度が100℃下げられる。現在の触媒はゼオライト系が主流である。その他、ZSM5、使用済みFCC触媒などが使用されている。各社は分解温度や触媒などの熱分解条件の最適化や反応器の設計・開発に注力している。
本レポート「世界の次世代触媒最新業界レポート(後編)」は、e-メタン、水電解、アンモニア、プラスチック・レアメタルリサイクル、バイオプラスチック、触媒インフォマティクスで構成される。今後の展開を見据えたうえでの次世代ビジネスにつながるレポートになっている。
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CMCリサーチ調査部 |
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