= 趣旨 =

 日本の食品・包装材料市場が縮小傾向にある中、成長著しい東南アジアは先進諸国への供給基地、巨大市場としての魅力度は高いものがある。これまで日系企業にとっての最大の製品製造・販売市場であった中国は「人件費高騰」「日中関係」「中国経済発展の鈍化」などの懸念要素から、日系企業は徐々にアジアにおける軸足をインドネシアやタイ、ベトナムなどの東南アジアに移しつつある。
 本レポートでは、東南アジアにおける主要国(インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア)に加え、好調な経済成長を続けるインドを取り上げ、これら各国での食品用包装市場の分析を試みた。
 これら各国は、全体的に富裕層が拡大し購買力もアップしている。例えば現地日系企業における賃金上昇率(2016年→2017年)は、インドネシア8.8%、タイ4.1%、インド9.8%、ベトナム8.1%、マレーシア4.4%などとなっている。また現地日系企業における「製造業・作業員」の平均月給(米ドル換算)は、インドネシア298、タイ346、インド224、ベトナム204、マレーシア345である。
 このような経済成長を背景に個人消費も増加、食品包装市場にも好影響が出始めている。たとえば、各国とも徐々に食品用バリアー包装材料への意識が高まりを見せており、現在はまだまだアルミ箔やアルミ蒸着フィルム等、不透明タイプが圧倒的に多いが、徐々に透明バリアーフィルムが頭角を現し、採用例を増やしている。特に@日系エンドユーザーや外資系グローバルユーザーの進出数の増加により、食品パッケージに対して環境対応を求めるようになっていること、A食品賞味期限の延長に対してパッケージの活用が有効であるという認識が広まり始めたことなどにより、今後多様なバリアーフィルムの進出が期待できる。これは日本のバリアーフィルムサプライヤー、軟包装コンバーターにとっては追い風となっている。
 本レポートは、包装材料サプライヤーとして東南アジア+インドに進出している「フィルムメーカー」「コンバーター」「ボトル樹脂メーカー」の動向を、それぞれの国別市場規模を明らかにした上で、今後の用途展開やパッケージスペックの変化などを見通した。インドネシア、タイ、インド、ベトナム、マレーシアの5か国の食品包装市場を的確に把握できる資料となっており、関連業界必携のレポートとしてお勧めする。
東南アジアの食品包装市場の実態と将来展望 書籍+CD-R
〜成長続くインドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、インドを分析〜
Copyright (C) 2017 NTS Inc. All right reserved.