なぜ今更、ポリエステル。されど、やはりポリエステル、である。
 国内での停滞をよそに、世界的には競争も激化しているが成長も著しい。
 海外では、インドラマ・ベンチャーズの大胆なM&Aによる生産規模および販売地域の拡大。中国でのポリエステル原料、繊維、樹脂の生産能力の、既存需要を大きく上回る増強。
 一方国内では、2017年中には、多くのポリエステルメーカーのポリエステル関連事業の見直しが完了。ここ10年で、原料PTAおよびポリエステル繊維・PET樹脂の国内生産中止や生産能力の縮小が続いた。
 さらに本書発行直前の2017年8月23日、日本の財務省はボトル用PET樹脂に反ダンピング関税を暫定的にかけると発表した。課税率は、39.8%〜53.0%で、課税期間は2017年9月2日からの4か月間とのことである。これにより、貿易の流れが変わる可能性があると言われ、経過を見守る必要がある。
 さて、当社では20年以上前よりポリエステルに関する市場調査レポートを継続して発行してきた。2004年には「2004年版ポリエステル樹脂総合分析」、2009年には「国際化時代のポリエステル樹脂総合分析」を発行、本書でも調査のたたき台の資料として使用した。統計や調査結果は、中期・長期のトレンドを見るのは意義深いと考え、比較用に過去のデータも活用した。
 海外情報が豊富であるのも本書の特徴である。前書でも、一般的な樹脂原料情報のほか、1,3-プロパンジオールとPTT樹脂、CHDMおよびCHDM系ポリエステルに関して海外情報を紹介したが、本書では、前書では不十分であった、PET樹脂の最新海外情報を徹底的に調査した。発行直前の2017年6月後半から8月の情報を盛り込んだ。
 また、さらに前書では情報が少なかったPBT樹脂、新規で追加したバイオ系の原料を使用するバイオポリエステル樹脂およびポリ乳酸に関してもグローバルな情報と国内情報を合わせて盛り込んだ。最新海外情報および主要な製品の用途別動向、注目のバイオポリエステル等を盛り込んだ本書は、飽和ポリエステルにかかわる多くの方々、ご興味をもつ多くの方々のお役にたてると確信している。
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