世界のレトルトフィルム・レトルトパウチ市場の実態と展望 書籍+CDセット
 〜国別・用途別市場分析と2025年までの展望〜
= 刊行にあたって =

 レトルトパウチ製品は、現在世界各国でその流通量が増加を続けている。日本市場においてはすでに10年以上も前から大きな成長率を継続してきたが、直近2〜3年はさすがに以前に比較して伸び率の鈍化がみられる。しかし、それでも年率3〜4%程度はいまだに市場拡大しており、また今後も少なくとも2025年くらいまでは年率3%内外の成長率継続は可能であると推定されている。

 日本市場の場合、レトルトパウチ製品、中でも圧倒的中心となる「レトルトパウチ食品」を見ると、全体としての伸び率は年率3〜4%程度となっているが、その内訳に変化が見られるようになっている。それは「アルミ箔構成レトルトパウチの成長率鈍化」と「透明バリアーフィルム構成レトルトパウチの成長率進展」である。後者の需要が増加しているのは「異物混入発見が容易(視認や金属探知機使用可能など)」そして「電子レンジ調理が可能」などのメリットが評価されているためである。特にパウチ食品の代表選手であるレトルトカレーにおいては、新製品ばかりか既存アルミ箔構成パウチも、透明パウチとしてリニューアル投入されるケースが頻発している。この結果、2019年は、日本における透明レトルトパウチの構成比が35〜40%程度になることが見込まれる。

 アジアにおけるレトルトパウチ市場は、国ごとに「パウチ内需完結」「パウチ輸出中心」「パウチ輸入中心」に分けられる。例えば韓国は、国内需要以外にインドなどへのパウチ輸出が活発化している。またタイでは、供給されるレトルトフィルムからの国産パウチだけでは足りず、パウチ輸入で必要量を補い、それらを合わせることで「レトルトパウチ食品(最終製品)としての世界への輸出基地」としての役割を果している。また、北米ではこれまでレトルト殺菌の流れとして「缶詰→リジット容器」傾向だったが、近年パウチタイプが見直され、増加を続けている。特にベビーフード用途が占める構成比が高い。そして欧州市場は、レトルトパウチの巨大市場を形成し、現在も増加している。北米の「缶詰→リジット容器」というレトルト殺菌の流れに対して、欧州は早くから「缶詰→パウチ」が選択されるケースが多かった。

 これら日本と世界のレトルトパウチ市場規模、市場動向を明確にするために、パウチを構成するシーラントフィルムであるレトルトCPPフィルム(本資料では「レトルトフィルム」と表記)の市場動向を詳細に分析した。本資料が食品包装材料業界に携わる多くの方々の、事業計画立案等の一助となれば幸いです。
(株)シーエムシー・リサーチ 調査部
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