東南アジアの食品包装材料・日本とアジアのバリアー包装材料 実態と将来展望【書籍+PDF版】
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 現在、東南アジアにおけるパッケージ産業は、欧米などのグローバルエンドユーザーを中心に叫ばれている「地球環境へ配慮するパッケージ」や「資源保護を促進するパッケージ」などへの高い意識とは違い、まだそうした意識が若干立ち遅れている感がある。しかしながら、食品ロスの低減や包装材としての利便性の追求、パッケージ内容物の品質保持期間の延長などは、徐々に要求されるようになっているのも近年の動向の一つとなっている。ではその中で食品産業に特化した場合、東南アジアの各国ではフィルムを中心とした包装材料の実態はどうなっているのか、そして将来展望としては地球環境を意識したものになっていくのか。本レポート「第1編 東南アジア食品包装市場の実態と将来展望」では、主要国であるインドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、そしてインドを取り上げ、これら各国での食品用包装市場の分析を行った。

 直近の市場動向としては、現在も世界を覆う「新型コロナウイルス」の影響により、特に2020年の消費動向としては、対象各国とも大きく落ち込んでしまった。2019年までは各国とも右肩上がりで推移してきたが、2020年に暗転している。2021年は、2019年レベルにまでは戻らなかったものの、2020年に比較して増加推移している。2022年は更なる増加推移が見込まれ、対象国によっては2019年レベルに戻るところも出てくることが見込まれている。

 また、対象国にサプライヤーとして進出している「フィルムメーカー」「コンバーター」「PETボトル樹脂メーカー」を分析した。

 次に、「第2編 日本とアジアのバリアー包装材料・実態と将来展望」では、対象国として日本、中国、韓国、台湾、タイ、インドネシア、ベトナム、インドをリストアップしている。

 日本市場においては透明蒸着フィルムをはじめとする透明バリアーフィルム構成の包装材料がかなり大きな構成比を占めるまでに成長しているが、東南アジアなどはまだまだアルミ系バリアーフィルム(特にアルミ蒸着フィルム)に頼っているのが現状である。またバリアー性よりも金属的な光沢を追い求める傾向も拭えていない。そしてこの傾向は、包装材料大国である中国にも言えることである。

 2022年の今も、新型コロナウイルスの影響と日々戦いながらパッケージ戦略を練っている多くの包材サプライヤーやエンドユーザー各位に、少しでもパッケージ設計のヒントとなることを願って発刊する。

2022年6月
S&T出版株式会社
東南アジアの食品包装材料・日本とアジアのバリアー包装材料 
実態と将来展望【書籍+PDF版】
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