水産
 今まで未利用であった水産生物内の有用物質や、廃棄されていた魚介類の部位や、水産業においてやっかいもの扱いされていた赤潮藻やヒトデなどを食品・医薬品・化粧品・エネルギー資源などに有効利用する最先端の方法や試みを幅広く紹介する。
 
2005年7月30日
本体37,200円+税
520頁
B5
ISBN4-86043-093-X
 
監修者
 坂口 守彦 京都大学名誉教授
 平田  孝 京都大学大学院農学研究科教授
 
第1章 水産食料資源とその利用

多魚種漁業での投棄の調査と投棄量推定

水産系残滓の発生と回収

イカの総合的利用―ゼロエミッションへのアプローチ

ナンキョクオキアミの利用と問題点

ハダカイワシの利用用途
 
第2章 水産生物体内に含まれる有用物質とその利用

副次産物に含まれる健康食品,医薬,医療,美容用品関連素材

魚類筋肉エキスからのアンセリンの分離と生理機能

研究試薬・医薬品リード化合物としての水産無脊椎動物由来有機化合物

未利用資源としてのサメ由来コラーゲンの性状と利用用途

サメ軟骨の経口摂取によるガンの進行抑制―MMP−9の阻害―

アコヤガイのリン脂質およびグリコーゲンの基礎化粧品への利用

海産物由来脂溶性素材の開発

海藻のポリフェノールおよび食物繊維の生理機能

褐藻由来フコキサンチンの生体内代謝と生理機能

海苔成分の機能性の開発

微細藻類をエネルギー資源として利用する試み
 
第3章 廃棄物・やっかいものとその利用

水産加工残滓から調製した魚醤油,とくに風味の特徴,製造中に生じる残滓処理および風味改良法について

アキサケの有効利用

魚の内臓はほんとうにまずいのか

鰹節抽出残渣の有効利用

魚鱗の有効利用と将来の展望

カニ・エビ殻由来N―アセチルグルコサミンの特性と機能

ホタテガイ貝殻に含まれる生理活性成分の新たな利用法を探る

養魚飼料原料としての廃棄藻類の有効利用

廃棄貝殻による人工魚礁漁場の造成

苦いバフンウニ―有効利用の可能性

やっかいもののクラゲを有効利用する試み

ヒトデの有効利用

やっかいものの赤潮藻を有効利用する試み
 
第4章 すり身とねり製品

すり身の品質管理,ゲルの調製法とテクスチャーの分析法

土佐湾で漁獲された雑魚すり身のゲル形成特性

水晒しにともなう酸化はゲル形成能を低下させる

原料魚と加工条件が魚肉ねり製品の品質に及ぼす影響―主成分分析による解析

中国淡水魚すり身のゲル化特性

ハクレンおよびスケトウダラすり身から調製したかまぼこに対する中国人と日本人の嗜好性を比較する
 
第5章 水産原料と品質

漁獲物の品質の問題点と利用性の向上

浸漬と低温貯蔵による魚肉中の糖含量の調節と凍結魚肉フィレーの品質

乾燥魚肉の脂質酸化に及ぼす乾燥および貯蔵温度の影響

高度不飽和脂肪酸(PUFA)およびそのオイルの酸化速度

エビ類のメラニン生成(黒変)とその防止法について
 
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