■日時:2024年12月06日(金) 10:30-17:00
■会場:※会社やご自宅のパソコンで視聴可能な講座です
※ お申込み時に送られるWEBセミナー利用規約・マニュアルを必ず、ご確認ください。
■定員:30名
■受講料:60,500円(税込、資料作成費用を含む)
※複数でのご参加を希望される場合、お申込み追加1名ごとに16,500円が加算となります
■主催:(株)AndTech
■講師:
第1部 防衛大学校 名誉教授/大阪公立大学 客員教授 工学博士 山本 孝 氏
第2部 三恵技研工業株式会社 開発本部 第一開発部 部長/岡山大学大学院
環境生命自然科学研究科 客員研究員 古林 宏之 氏
第3部 株式会社新日本電波吸収体 代表取締役 荻野 哲 氏
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第1部 自動車向け電子部品に求められる電磁波吸収体・電磁波シールドの設計及び評価
【講演主旨】
条件付き自動運転の『レベル3』、特定条件下の完全自動運転の『レベル4』といった高度な自動運転技術の
普及がまもなく本格化しようとしている。大別すれば、「@車の位置や周辺情報を認識するための技術」
「A人間に代わる判断を行う技術」 「B運転手を監視する技術」のジャンルに分類できるであろう。 何れに
おいても『5G/6G』の 「大容量・高速」 「低通信遅延」「多数同時接続」 と『AI』いう通信・コンピュータ
技術が必要とされている。何れもミリ波である。
『5G/6G』の完全な実現のために “電波シールド・電波吸収体” の技術を解説する。本報告では、
”電波伝搬の基礎から遠方界・近傍界用電磁波シールド・遠方界電波吸収体の設計及び評価”、
”メタサーフェスによる電磁波吸収と電磁波シールドの設計及び評価” を ”ミリ波からテラヘルツ波”
まで報告する。
【講演のポイント】
@自動運転の技術 A電波シールドか電波吸収か 遠方界か近傍界か C電気的等価回路かFDTDか
D低周波か高周波か
上記の目的を明確にして、最適方法を見つけて設計します。
【習得できる知識】
@ 基本的な電気回路
A 高周波回路
B高周波測定技術
Cミリ波技術
Dミリ波材料
EFSS手法
【講演キーワード】
自動運転/ミリ波/シールド/電波吸収/電磁波
【プログラム】
1.移動通信・自動運転
1.1 移動通信システムの進化,ITSとは
1.2 5G/beyond5G(6G)の展開
1.3 Caseとは,自動運転レベル, 移動通信事情
1.4 車載LiDAR事情
1.5 ミリ波の空間伝搬ロス
1.6 高周波基板材料の変遷,LCPかフッ素樹脂?
1.7 低損失材料,フッ素樹脂
1.8 次世代半導体パッケイジ,ガラスコア基板か?
2.ノイズ
2.1 EMI+EMS=EMC
2.2 ノイズ対策の4手法
2.3 スマホの自家中毒とは
2.4 ノイズ対策,Lキャンセルトランスとは?
3.電波伝搬・ロッド・ループアンテナ周りの電磁界分布
3.1 電磁波の入射・反射
3.2 ロッドアンテナ近傍の電磁界
3.3 ループアンテナ近傍の電磁
3.4 空間を伝搬する電磁波,電磁波の入射・反射
4.電波シールド効果と反射・吸収損失の導出
4.1 媒質中の電波伝搬と電波シールド
4.2 シェルクノフの式
4.3 反射損失、吸収損失の導出
4.4 波動インピーダンス
4.5 遠方界のシェルクノフの式導出
4.6 近傍界のシェルクノフの式導出
4.7 反射損失,吸収損失,
4.8 近傍界の磁界源近傍のシールド効果の改善
5.シールド特性評価法(遠方界と近傍界)
5.1 KEC法(近傍界)
5.2 ストリップライン法(Rtp・近傍界)
5.3近傍電磁界プローブ法(近傍界)
6.電波吸収体設計と評価
6.1 単層電波吸収体設計
6.2 広帯域電波吸収体(導電性不織布)(ミリ波)
7.周波数選択(FSS)による電波シールドから電波吸収体への展開
7.1 周波数選択表面(FSS)とは,メタマテリアルとの類似性
7.2 ループフィルタ―特性,ループスロット型フィルター特性,ダブルスクウエア―ループ特性
7.3 FSSの形状変化,Multi-layer FSSへ
7.4 2重メタル表面(メタマテリアル)を用いたMHz帯吸収体(Landy)
7.5 2重メタル表面(メタマテリアル)を用いたTHz帯吸収体(Tao)
7.6 2重メタル表面(メタマテリアル)を用いたMHz帯電波吸収体の設計(FDTD法、我々)
【質疑応答】
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第2部 ミリ波レーダー用レドームへの着雪を防止するヒーターに関する基礎技術と応用展開
【講演主旨】
視界不良な環境下でも対物距離検知が可能なミリ波レーダーは、自動運転の実現に不可欠な技術である。
しかし、雪の日にはレドーム(ミリ波レーダーのカバー)表面への着雪によりミリ波透過性が低下し、
ミリ波レーダーが機能不全に陥る問題が生じていた。解決策として、レドームをヒーターで加熱し融雪させる
手法が提案されていたが、ヒーターがミリ波の透過を阻害してしまう問題があった。
三恵技研工業株式会社では、ヒーターを特定のデザインにすることで、高いヒーター熱出力と、
高いミリ波透過性を両立できることを見出し、「融雪機能を有するミリ波レドーム」として上市させた。
本講演では、材料中の電磁波の振る舞いに関する理論的な説明から出発して、雪によるミリ波透過性に
関する定量的な議論と、ヒーターレドーム開発について解説する。さらに、現在開発中の断熱材を用いた
ヒーターの熱を有効活用しつつ、ミリ波の透過性を担保する技術について紹介する。
【講演のポイント】
材料中の電磁波の振る舞いに関する理論的な説明から出発して、雪によるミリ波透過性に関する定量的な
議論と、ヒーターレドーム開発について解説する。さらに、現在開発中の断熱材を用いたヒーターの熱を
有効活用しつつ、ミリ波の透過性を担保する技術について紹介する。
【習得できる知識】
@レドーム設計の基礎となる、材料中における電磁波の振る舞い
A雪によるミリ波運用問題への理解
Bミリ波透過性と融雪性能を両立するヒーター技術
C発泡断熱材を用いたときのヒーター省エネ性とミリ波透過性およびそれらの設計評価方法
【講演キーワード】
自動運転、レドーム設計、融雪レドーム、伝熱シミュレーション、発泡樹脂、
省エネルギー、屋外におけるミリ波の全天候型運用
【プログラム】
1. はじめに
1.1. 自動運転のレベルと各レベルで要求される機能
1.2. 自動運転の運用に使用される各種センサー
2. 材料中を進む電磁波の振る舞い
2.1. なぜ誘電率は複素数で表現されるのか
2.2. 物質中を進行する電磁波の波動方程式の導出
2.3. 導出された波動方程式から材料中の電磁波の振る舞いの考察
3. 雪によるミリ波遮蔽効果の定量的試算
3.1. 雪の誘電率を計算するためのモデル化
3.2. 乾雪の誘電率の試算
3.3. 湿雪〜みぞれの誘電率の試算
3.4. 雪の状態とミリ波透過性の考察
3.5. 日本の気候と自動車におけるミリ波運用の問題点
4. ミリ波透過性能が極大となるヒーターパターンの探索
4.1. ヒーター面占有率に着目した実験系と測定方法
4.2. ヒーターパターンとミリ波透過率の関係
5. 発泡断熱材を用いたヒーター運用の効率化
5.1. 発泡断熱材の効用と問題点
5.2. 計算および実験方法
5.2.1. 伝熱シミュレーション
5.2.2. 発泡樹脂の誘電率評価
5.3. 各車速における断熱材とレドーム加熱効率(省エネ効果)の関係
5.4. 発泡断熱材とレドームのミリ波透過率の関係
【質疑応答】
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第3部 電波吸収体・シールド材料実用化とADASへの適用
【講演主旨】
昨今5Gを代表する、無線通信インフラは放送・通信だけでなく、自動車・物流・製造・セキュリティなどの
幅広い分野において普及している。電波吸収体やシールド材料はこれらの使用環境で、現場での電波環境
ソリューションを支える技術である。この具体的な応用とその市場を解説する。
【講演のポイント】
ADASのセンサーとして搭載されるミリ波レーダーは電波を使用するがゆえの問題が発生します。ミリ波電波
吸収体はそれらを解消しレーダーが正常作動する為に使用されます。本稿ではミリ波電波吸収体及びその
評価方法を解説します。
【習得できる知識】
@ 車載用電波吸収体の原理とその市場
AADASレーダー用ミリ波電波吸収体の原理とその市場
【講演キーワード】
5G、ミリ波、ADAS、自動運転、ノイズ対策
【プログラム】
1.はじめに
2.電波吸収体
2-1.電波吸収体・シールド材の分類
2-2.電波吸収とシールド
2-3.電波吸収体
2-4.電波吸収シートの吸収原理
2-5.電波吸収体の使用例
2-6.ETCと電波吸収体
2-7.電波吸収体の使用例
2-8.電波吸収体(シートタイプ)
2-9.遠方界電波吸収シートの使用例
2-10.電波吸収性能の評価方法
2-11.電波吸収性能 反射減衰
3.ADASレーダーセンサー用ミリ波電波吸収体
3-1.ADASの定義
3-2.ADAS搭載センサ
3-3.レーダー
3-4.ミリ波レーダーセンサー
3-5.ミリ波電波吸収シートの使用
3-6.ミリ波インジェクション成型吸収体の使用
3-7.ミリ波電波吸収体の測定評価方法
【質疑応答】
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