第1編 糖鎖を科学する
第1章 糖鎖のしくみ

 糖タンパク質
   
1N−グリカン
2O−グリカンおよびムチンの性質と生物学的機能
 
3GPIアンカーの生合成と関連疾患
 

 糖脂質
   
1ガングリオシド、中性糖脂質
 
2硫酸化糖脂質
 

 プロテオグリカン
   
1ヒアルロン酸の構造と機能
 
2コンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸
 
第2章 糖鎖をはかる

 糖鎖分析の統合オペレーティングシステムとしてのピリジルアミノ化法
   
1はじめに
2基本原理
 
3様々なアプリケーション
4今後の発展性
 

 キャピラリー電気泳動による構造グライコミクスへのアプローチ
   
1CEによる規則性の高い酸性糖鎖の高分解能分離
2CEによる糖タンパク質のグライコフォーム解析
 
3CEによる糖鎖−タンパク質間相互作用解析
4おわりに
 

 糖タンパク質の質量分析
   
1はじめに
2イオン化法と質量分析装置
3糖鎖、および糖ペプチドの開裂
4糖ペプチドのMS
 
5糖ペプチドの分析例―モノクローナル抗体消化物のLC/MSn
6遊離糖鎖のMS
7おわりに
 

 NMRを利用した糖鎖構造生物学
   
1はじめに
2糖鎖の高分解能NMR
3糖鎖とタンパク質の相互作用解析
 
4糖タンパク質の立体構造解析
5おわりに
 
第3章 糖鎖とタンパク質の品質

 細胞質ペプチド:N−グリカナーゼ
   
1小胞体関連分解
2細胞質PNGaseの反応機構
 
3細胞質PNGaseの複合体形成
 

 分子シャペロンによる糖鎖を介したタンパク質の品質管理機構
   
1はじめに
2タンパク質の品質管理と分子シャペロン
3糖タンパク質の品質管理とN−グリカン
4CNX/CRTの構造と機能
5CNX/CRTサイクルによる糖タンパク質の品質管理
 
6N−グリカン糖タンパク質と小胞体関連タンパク質分解(ERAD)
7おわりに
 

 cargo receptorによる糖タンパク質の選別輸送
   
1はじめに
2cargo receptorと植物レクチンにおける糖鎖認識の相違
3VIP36の糖鎖認識機構
 
4ERGIC-53の糖鎖認識機構
5VIP36と相互作用する新規分子
6おわりに
 

 糖鎖認識ユビキチンリガーゼ
   
1糖鎖認識ユビキチンリガーゼの構造
2糖鎖認識ユビキチンリガーゼの局在と機能
 
3ERAD関連分子
4糖鎖認識ユビキチンリガーゼの基質認識機構
 
第4章 レクチン

 フロンタルアフィニティクロマトグラフィーによるレクチンの特異性プロファイリング
   
1はじめに
2フロンタルアフィニティクロマトグラフィー(FAC)とは
3FACの原理
 
4FACによるレクチン−糖鎖相互作用解析の実際
5FACの応用の可能性
 

 レクチンライブラリーの作製と利用
   
1
2レクチンライブラリーの作製
3改変レクチンの獲得とその糖認識特異性
 
4改変レクチンの利用例
5まとめ
 

 糖鎖をさわらずに糖鎖研究ができる時代がやってくる?
―糖・脂質関連遺伝子DNAマイクロアレイは分子生物学者の糖鎖研究ツールになるか―
   
1はじめに
2DNAマイクロアレイとは
3糖鎖関連遺伝子DNAマイクロアレイ
 
4代謝経路に遺伝子情報が加わる強み
5おわりに
 

 糖鎖マイクロアレイ―糖鎖情報解読に向けての一つの試み
   
 
第2編 糖鎖と医療の最新技術
第1章 疾病

 肝炎、肝がんと糖鎖
   
1はじめに
2B型肝炎と糖鎖
 
3C型肝炎と糖鎖
4肝がんと糖鎖
 

 がんの浸潤・転移とインテグリンの糖鎖変化
   
1はじめに
2インテグリンの構造
3インテグリンを介するシグナル
 
4インテグリンとがん細胞の転移・浸潤
5糖鎖によるインテグリンの機能制御
6おわりに
 

 筋ジストロフィー
   
1ジストログリカンと筋ジストロフィー
2O−マンノース(O-Man)型糖鎖とその異常による筋ジストロフィー
 
3糖鎖異常を伴う他の筋ジストロフィー
 

 マイクロドメイン病としてのインスリン抵抗性と2型糖尿病:ガングリオシドGM3の関与
   
1はじめに
2脂肪組織におけるインスリン抵抗性とTNFα
3インスリン抵抗性惹起物質としてのガングリオシドGM3
 
4マイクロドメインにおけるインスリンシグナルの制御
5おわりに
 

 感染
   
1インフルエンザ
2ピロリ菌感染と胃粘液の糖鎖
 
3ボツリヌス毒素の細胞内移行機構
 

 IgA腎症研究における新展開
   
1はじめに
2ヒンジムチン型糖鎖の構造異常
3IgA1の人工的な糖鎖改変と分子凝集
4患者血清IgA1の抗合成ヒンジペプチド抗体との反応性およびヒンジペプチドに対する自己抗体の存在
 
5糖鎖改変IgA1カラムによる異常IgA1の分離
6扁桃IgA1の解析
7IgA腎症の動物モデル
 

 アルツハイマー病と糖鎖
   
1はじめに
2アルツハイマー病とBACE1
3シアル酸転移酵素は、BACE1の生理的基質であった
 
4肝炎モデルLECラットにおけるBACE1の役割
5おわりに
 
第2章 医療技術の基礎

 神経(HNK)
   
1HNK-1糖鎖と高次神経機能
 
2神経軸索ガイダンス
 

 サイトカインの生理活性を制御する糖鎖
   
1はじめに
2生理活性をモジュレートするサイトカインの糖鎖認識
 
3おわりに
 

 受精
   
1精子形成と糖鎖
 
2受精における糖鎖の役割と避妊への応用
 

 細胞間相互識別・接着と糖鎖
   
1白血球と血管内皮細胞との相互作用
2健常人体内でのリンパ球ホーミング動態
 
3組織内での白血球の動態と糖鎖
 

 血液型
   
1糖鎖性血液型
2ABO
3Hh
4Lewis(ルイス)
 
5P
6Ii
7結語
 

 糖鎖を認識するパターン認識レセプター
   
1自然免疫とパターン認識
2TLR4による糖鎖リガンド認識
3TLR2による糖鎖リガンド認識
 
4PGNに含まれる糖鎖構造
5TLR以外のパターン認識レセプター
6免疫アジュバントとしての糖鎖成分―BCG-CWS
 

 Notch情報伝達系における糖鎖修飾の機能
   
1Notch情報伝達系
2Notch情報伝達系と疾病
 
3糖鎖修飾とNotch情報伝達系
 

 抑制性レセプターとしてのSiglec―Siglec-7のシグナル伝達
   
1はじめに
2免疫系の活性化レセプターと抑制性レセプター
3Natural killer(NK)細胞の活性化レセプターと抑制性レセプター
 
4ヒトNK細胞の抑制性レセプターとしてのSiglec-7
5おわりに
 

 血清マンナン結合タンパク質(MBP)と生体防御
   
1はじめに
2血清MBPの精製および分子構造
3血清MBPの補体活性化作用とその機構
4血清MBP遺伝子の変異とオプソニン欠損症
5血清MBP欠損症と感染リスク、MBP補充療法
 
6血清MBPと病気
7血清MBPによるがん増殖抑制作用とがん細胞表面に発現するMBPリガンドオリゴ糖鎖の特徴的な構造
8おわりに
 

 増殖因子
   
1ErbBファミリー
 
2ミッドカインファミリー
 

 異種糖鎖抗原の制御と医療応用
   
1はじめに
2糖鎖末端での基質に対する競合阻害
3糖鎖合成におけるリモデリング
4ノックアウト
5酵素による抗原の切断
6H-D抗原
 
7糖転位酵素のトランスジェニックブタ(TGブタ)
8KOブタの現況
9その他
10ブタにまつわる人獣共通感染症
11移植用ブタ膵島の開発
 

 発生
   
1糖鎖の役割を線虫で探る―糖鎖と線虫の発生罫線
 
2ショウジョウバエの糖鎖と発生
 
第3章 診断と治療

 糖鎖腫瘍マーカー
   
 

 タンパク質の糖化反応
   
1はじめに
2タンパク質糖化反応の化学
3in vitroおよびin vivoのタンパク糖化反応
 
4タンパク糖化反応の病態生化学
5タンパク質糖化反応の中間産物の代謝酵素
6おわりに
 

 糖タンパク質糖鎖合成障害疾患CDG
   
1糖タンパク質糖鎖の分解障害と合成障害CDG
2CDGのおおまかな分類
3狭義のCDGだけでも100種に近い単一遺伝子病
4CDGを臨床症状から診断することはほとんど不可能
 
5診断について、そして酵素活性の測定は必ずしも有効な手段でない
6N結合型以外の糖鎖について、そして、広義のCDG
 

 抗体医療
   
1はじめに
2抗体医薬品開発の流れ
3次世代抗体医薬が求められる背景
4抗体医薬の作用メカニズム
5抗体の糖鎖構造
 
6抗体の糖鎖構造はエフェクター活性に影響を与える
7いかに糖鎖構造を制御した抗体医薬を医療現場に供給するか?
 
第3編 糖鎖をつくる
第1章 化学による合成

 糖鎖合成化学の新展開―高マンノース型糖鎖の合成を例にして
   
1糖タンパク質、糖鎖の精密合成と生物機能の解明
2小胞体関連アスパラギン結合型糖鎖の系統的合成
 
3人工糖タンパク質の創製
4今後の展望
 

 糖ペプチドの合成
   
1はじめに
2合成戦略と背景
 
3コア2型O−結合型糖ペプチドの合成
 

 グリコシル化反応のバージョンアップ―糖鎖構造多様性への合成的対応を目指して
   
1はじめに
2シアル酸α−グリコシル化反応の改良
 
3α−Gal型グリコドの新規形成反応
 
第2章 迅速合成

 糖鎖迅速合成研究の時代的変遷
   
1はじめに
2要素技術の変遷
3標的の変遷
 
4標的の変遷
5おわりに
 

 有機合成手法による糖鎖迅速合成
   
 

 固相合成ならびに固相−液相のハイブリッド法による糖鎖の迅速合成
   
1糖鎖の固相合成
2固相−液相ハイブリッド法による糖鎖合成
 
3おわりに
 

 コンビナトリアル化学とラボオートメーション技術を利用する糖鎖ライブラリーの迅速合成法
   
 
第3章 酵素による合成

 糖鎖遺伝子を用いる糖鎖合成法
   
 

 酵素化学法による糖鎖、糖ペプチドの合成
   
1はじめに
2酵素化学法による糖鎖合成
 
3糖鎖ペプチド合成
 
第4章 その他の合成法

 糖鎖誘導体を用いたバクテリアの人工機能化
   
1細胞表層工学について
2バクテリア表層工学を用いた経口ワクチンの開発
3バクテリア細胞壁の前駆体を用いた細胞表層改変
4合成前駆体のバクテリア細胞壁への取り込みの確認
 
5乳酸菌への人工糖鎖提示とその効果
6細胞壁前駆体のフッ素化誘導体の持つ増殖阻害効果
7おわりに
 

 微生物によるオリゴ糖の生産
   
1はじめに
2細菌由来の糖転移酵素
3糖ヌクレオチドの再生を伴うオリゴ糖合成
4微生物共役による糖ヌクレオチドの生産
 
5微生物共役によるオリゴ糖の生産
6発酵法によるオリゴ糖の生産
7今後の展望
 

 酵母による糖転移酵素の発現とその利用
   
1はじめに
2メタノール資化性酵母による可溶性酵素の生産
 
3出芽酵母による細胞壁固定化糖転移酵素の生産とこれを用いる糖鎖合成
 
第4編 発展する糖鎖科学
第1章 機能性食品としての糖鎖
1はじめに
2う蝕の発症メカニズム
3リン酸化オリゴ糖カルシウムの研究開発
4POs-Caのガム「ポスカム」への利用
 
5「ポスカム」の再石灰化効果―口内環境を整える―
6おわりに
 
第2章  シュガーボール
1はじめに
2ナノ粒子―シュガーボール
3糖ペプチド型シュガーボール
4ジーンデリバリーシステムへの応用に向けて
 
5シュガーシリンダー
6ハイブリッドシュガーボール
7おわりに
 
第3章 糖鎖チップ
1はじめに
2表面プラズモン共鳴法
 
3糖鎖の固定化
4まとめ
 
第4章 グライコデンドリマー
1はじめに
2デンドリマーとグライコデンドリマー
3糖鎖担持カルボシランデンドリマー
 
4糖鎖担持カルボシランデンドリマーの応用例
5グライコデンドリマーに関するまとめ
 
第5章 材料としての人工複合糖質高分子
1はじめに
2半分ずらし相補鎖オリゴDNAを用いる交互ハイブリッド化
3糖結合フラーレンベシクル
 
4ジシアロオリゴ糖を結合した蛍光性ルテニウム金属錯体
5おわりに
 
第6章 糖鎖集合体の機能
1はじめに
2糖脂質の自己組織化
 
3生体糖脂質ガングリオシドによる組織体構造形成制御
 
第7章 バイオセンサ

 分子認識チップとしてのオリゴ糖鎖の合成と展開
   
1はじめに
2オリゴ糖鎖の逐次合成
 
3ネオ複合糖質の構築
4おわりに
 

 水晶発振子法による糖鎖関連酵素反応のリアルタイムモニタリング
   
1はじめに
2QCM法とは
3Endo Mによる固体基板上へのN−グリカンの配向固定化およびその相互作用解析
 
4糖質関連酵素反応のリアルタイムモニタリング
5おわりに
 
第8章 光アドレス可能電位計測法による集積型糖鎖センサ
1はじめに
2単糖および二糖類センサ
3集積化LAPS糖類センサ
 
4集積型LAPS糖鎖センサの構築
5まとめ
 
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