総 論
第1章化粧品素材としてのアミノ酸・ペプチドの基礎化学 山下裕司,坂本一民
1化粧品の定義と化粧品市場
2皮膚科学の基礎
3角層中の遊離アミノ酸生成とその機能
4アミノ酸の基礎科学
5化粧品素材としてのアミノ酸
6ペプチドの基礎科学
7化粧品素材としてのペプチド
8おわりに
第2章化粧品用ペプチドの種類と機能 竹岡篤史
1はじめに
2化粧品素材としての「ペプチド」について
3ペプチド素材の命名法
4ペプチド素材の登録の推移と市場ニーズの変化
5ペプチド素材の安全性
6ペプチド素材の開発例
6.1化粧品における肌ダメージへの対応
6.1.1抗酸化
6.1.2抗炎症
6.1.3成長因子(成長因子から開発されたもの)
6.1.4ホルモン(若さのホルモン様の効果)
6.2化粧品における肌の症状「シワ・タルミ」への対応
6.2.1真皮の修復を目的としたペプチド
6.2.2基底膜の修復を目的としたペプチド
6.2.3表皮・角層の成熟・代謝を目的としたペプチド
6.2.4過剰な皮膚の緊張へのアプローチ〜神経細胞への情報伝達を阻害〜
6.3化粧品における肌の症状「シミ・クスミ」への対応
6.3.1メラノサイトへのシグナルを阻害するペプチド
6.3.2表皮に蓄積したメラニンをターゲットにしたペプチド
6.3.3表皮代謝へのアプローチ
6.3.4眼の周りのくすみ(くま)を狙ったペプチド
6.3.5顔色全体のくすみ(グリケーション)を狙ったペプチド
6.4ボディケアペプチド
6.5育毛ペプチド
6.6抗菌性ペプチド
6.7TRX(チオレドキシン)
6.8ハイブリッドペプチド、シュードペプチド
 
7まとめ
第3章化粧品向けペプチドの製造方法、品質評価、安全性 米田久美子
1はじめに
2ペプチドの製造方法
3ペプチドの品質評価
3.1含量
3.2
3.3ペプチド確認方法
3.4無機物の含量
3.5定量法
3.6ペプチドの分子量計算方法
3.7アミノ末端基定量法による数平均分子量の測定
3.8サイズ排除クロマトグラフィーによる分子量の測定
4化粧品向けペプチドにおける安全性
5おわりに
第4章関連法規制の現状と課題 高橋 守
1はじめに
2日本化粧品規制の変遷
2.1化粧品品質基準及び化粧品原料基準の制定
2.2使用期限の表示
2.3指定成分の表示
2.4化粧品種別許可制度の導入
2.5化粧品基準の制定
2.6化粧品全成分表示制度の導入
2.7製造販売業の許可と製造業の分離
3アミノ酸,ペプチド等で薬事的に問題となった通知
3.1ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル
3.2加水分解コムギ末
3.3コチニール、カルミン
4おわりに
第5章情報検索によるアミノ酸・ペプチドの化粧品用途に関連する開発動向解析 上野京子、坂本一民
1はじめに
2特許に関する動向解析
3報文に関する動向解析
4特許、報文に見られる物質の解析(1997-2014)
5今後の応用展開に向けての展望
 

 素 材
第6章アミノ酸系界面活性剤 岡田拓矢
1はじめに
2アシルアミノ酸の開発の歴史
3アシルアミノ酸の分子構造と物理化学的性質
3.1脂肪酸塩(石鹸)との比較
3.2水基に用いられるアミノ酸の影響
4洗浄剤としてのアミノ酸系界面活性剤の性能
4.1皮膚への作用
4.1.1選択洗浄性
4.1.2洗浄剤のpHの影響
4.1.3角層バリア機能への作用
4.1.4細胞毒性
4.2生分解性
5アシルアミノ酸の利用
5.1ヘアシャンプー
5.2固形石鹸
5.3洗顔フォーム
6おわりに
第7章アミノ酸系機能素材(抗酸化剤他) 北澤 学,岩崎敬治
1はじめに
2皮膚ならびにアミノ酸の抗酸化機構
3アミノ酸の誘導体化による機能性向上
3.1抗酸化能を有するペプチド
3.2抗酸化能を有するアミノ酸誘導体
3.3鉄イオン誘起酸化傷害とアミノ酸誘導体によるその抑制
3.4抗炎症能を有するアミノ酸誘導体
4今後の展望
第8章アミノ酸系油性基材 石井博治
1はじめに
2アシルアミノ酸エステルの特性と化粧品への応用例
2.1分子構造と有機性/無機性バランス
2.2アシルアミノ酸エステルと脂肪酸エステルとの違い
2.3紫外線吸収剤の溶解性と無機化合物の分散性〜サンスクリーンへの応用
3アシルアミノ酸ステロールエステル
3.1アシルアミノ酸ステロールエステルの分子構造
3.2アシルアミノ酸ステロールエステルのセラミド代替物としての可能性
4液状油をゲル化させるアミノ酸誘導体
4.1アシルグルタミン酸ジアミドとゲル化メカニズム
4.2アシルグルタミン酸ジアミド(EB-21とGP-1)の化粧品への応用
5まとめ
第9章ペプチド・タンパクを応用した機能性材料 桑原順子
1はじめに
2魚由来コラーゲンの抽出法
3コラーゲンの線維化、架橋化ならびに修飾化
4市販鮭皮由来コラーゲンの蛍光色素ANSによる変性温度付近の評価
5抗菌性を付与したゼラチンの構築
6おわりに
第10章ペプチドジェミニ型界面活性剤 関口範夫
1はじめに
2表面張力と臨界ミセル濃度
3乳化能
4可溶化能
5ゲル化能
6分散能
7αゲル
8安全性と生分解性
9まとめ
第11章機能性ペプチド誘導体の開発 池田達之
1はじめに-ペプチドの定義
1.1セダーマ社(クローダインターナショナル社グループ)の場合
1.2PCPC(Personal Care Products Council)米国パーソナルケア製品評議会の場合
1.3MINTEL社グローバル・ニュー・プロダクツ・データベースの場合
1.4化学辞典の場合
1.5生化学辞典の場合
1.6医学大辞典の場合
2機能性ペプチドの開発
2.1背景
2.2ペプチドと皮膚
2.3ペプチドの研究
2.3.1β-Ala-His(カルノシン)
2.3.2Palmitoyl-Gly-His-Lys
2.3.3N-acetyl-tyrosyl-arginy-hexadecylester
2.4結論
3安全性
4まとめ
第12章天然界面活性剤サーファクチンの特性と応用 柳澤恵広
1はじめに
2サーファクチンとは
3サーファクチンの工業生産
4サーファクチンナトリウム「カネカ・サーファクチン」の特性と応用
4.1サステイナビリティ
4.2皮膚刺激性、生分解性
4.3界面活性
4.4コサーファクタント効果
4.5液晶形成能
4.6オイルジェル形成能
4.7共存成分の皮膚透過性へ及ぼす影響
4.8アクネ菌の生育へ与える影響
5おわりに
 
第13章シルクフィブロインの化粧品素材としての応用 寺内聖治
1はじめに
2家蚕フィブロインと野蚕フィブロインの相違点
3家蚕フィブロイン蛋白質の溶液中での安定性
4加水分解シルク
5フィブロイン加水分解物とNMF成分の比較
6フィブロイン溶液の安定化
7フィブロイン蛋白質のゲル化と化粧品素材への応用
8炭酸ガスによるフィブロイン分子の架橋構造の形成
9炭酸ガスによるフィブロイン微小構造体の製造方法
10フィブロイン微小構造体の性質
11フィブロイン微小構造体の油脂との親和性
12フィブロイン由来の化粧品素材の今後の展望
第14章海洋性マルチコラーゲン 柿坂雄一,丹羽 誠
1生体におけるコラーゲン
2コラーゲンの利用
3化粧品原料としてのコラーゲン
4コラーゲンの分子構造と型について
4.1T型様コラーゲン
4.2V型様コラーゲン
4.3X型様コラーゲン
5海洋性マルチコラーゲンについて
6おわりに
第15章タンパク質加水分解物誘導体による毛髪ケア 畠中啓伸
1はじめに
2ペプチドの誘導体の種類とその機能
2.1カチオン化誘導体
2.2アシル化誘導体
2.3シリル化誘導体
2.4エチルエステル化誘導体
3おわりに
第16章ペプチド/シリコーンハイブリッドポリマー 富久翔太
1はじめに
2Protesilの構造
3Protesilについて
4Protesilの化粧品への応用
4.1ProtesilLHのヘアケア製品への応用
4.1.1ProtesilLHの特性
4.1.2コンディショナー処方への応用
4.2ProtesilFNのメイクアップ製品への応用
4.2.1ProtesilFNの特性
4.2.2口紅処方への応用
4.3Protesil WOのW/O型乳化剤としての応用
4.3.1ProtesilWOの特性
4.3.2W/O型サンスクリーン製剤への応用
5まとめ
第17章ペプチド系界面活性剤 松井康子
1はじめに
2ペプチド系界面活性剤
3洗浄機能を有するペプチド系界面活性剤
3.1起泡性と泡持続性
3.2ヘアカラー褪色防止効果
3.3安全性
4コンディショニング効果を有するペプチド系界面活性剤
4.1すべり性の向上
4.2水分保持能の向上
4.3ダメージ毛の補修効果
4.4感触向上
5おわりに
第18章表皮・真皮のヒアルロン酸産生促進ペプチド 淵端三枝
1はじめに
2TDAC−Dab−Val−Dab(製品名:シン−ハイカン)
2.1スキンケアへの応用
2.2有効性試験データ
2.3臨床試験
2.3.1検体
2.3.2被験者
2.3.3試験方法
2.3.4結果
3まとめ
第19章乳酸菌が生産する抗菌ペプチド 石橋直樹,善藤威史,園元謙二
1はじめに
2乳酸菌バクテリオシンの分類・構造・特性
2.1バクテリオシンとは
2.2乳酸菌バクテリオシンの分類
3乳酸菌バクテリオシンの生合成機構・作用機構
4新奇乳酸菌バクテリオシンの探索・構造・特性
5乳酸菌バクテリオシンの応用例と展開
6乳酸菌バクテリオシンの利用への課題
7おわりに
第20章モノアルキルリン酸Arg塩の自己組織化 田中佳祐
1はじめに
2直鎖型モノセチルリン酸(NIKKOLピュアフォスα)
2.1αゲルとは
2.2直鎖型モノセチルリン酸(NIKKOLピュアフォスα)の自己組織化挙動
3β分岐型モノヘキサデシルリン酸アルギニン(NIKKOLピュアフォスLC)の自己組織化挙動
4おわりに
 

 機能と応用
第21章抗酸化化粧品 正木 仁
1はじめに
2ROSの定義とROSにより酸化される生体成分
3内在性の抗酸化システム
4皮膚内での活性酸素の生成
5ROSおよび酸化ストレスが皮膚に及ぼす影響
5.1皮膚表面の酸化
5.2皮脂腺への影響
5.3色素産生促進
5.4真皮マトリックスの変性
6抗酸化剤の皮膚及び皮膚由来細胞への効果 
6.1アスコルビン酸(ビタミンC)
6.2トコフェロール類(トコフェロール・トコトリエノール)
6.3カロチノイド類
6.4天然成分
6.5ポリフェノール
7まとめ
第22章美白 安藤秀哉
1はじめに
2しみ予防有効成分(医薬部外品)のメカニズム
3美白作用とアミノ酸
第23章アミノ酸の経皮吸収 川崎由明,坂本一民
1はじめに
2アミノ酸と皮膚
3アミノ酸の経皮吸収性に及ぼす角層の影響
4アミノ酸のヒト皮膚角層中への蓄積挙動
5結論
第24章アルギニンによる蛋白質の構造と機能制御 長門石 曉,津本浩平
1はじめに
2アルギニンが構造安定性に与える効果
3アルギニンが水和構造に与える効果
4アルギニンが表面張力に与える効果
5アルギニンの枯渇効果
6アルギニンの相互作用抑制作用に基く蛋白質ハンドリング
6.1蛋白質可溶化・リフォールディング
6.2樹脂・個体への吸着抑制
6.3分子間相互作用の抑制
7最後に
第25章ウロカニン酸の角層における機能 山下裕司,坂本一民
1ウロカニン酸の生合成
2ウロカニン酸の生理機能
3ウロカニン酸の物理化学的性質
4角層中のウロカニン酸の定量方法
5季節変化とUCA量の関係
6皮膚UCAの異性化反応とUCA水溶液の異性化反応:速度論的解釈
7おわりに
第26章pTDA(peptideTrans-DermalApproach)を用いた発毛促進ペプチド 道上宏之 藤村篤史 松井秀樹
1はじめに
2peptideTrans-DermalApproach(pTDA)とは
2.1タンパク質セラピー法
2.2pTDAの基本的な概念
3pTDAの例としての発毛促進ペプチド
3.1毛周期におけるカルシニューリン/NFAT経路の役割
3.2発毛促進ペプチド
4pTDAを推進する技術
5結語
第27章膜透過性ペプチドの膜透過性ペプチドのDDSへの応用 中瀬生彦,二木史朗
1はじめに
 
2膜透過性ペプチドを基盤にした機能膜透過性ペプチドを基盤にした機能分子の細胞内導入
3アルギニンペプチドの膜透過性促進技アルギニンペプチドの膜透過性促進技術
4pH感受性膜融合ペプチドを利用した細感受性膜融合ペプチドを利用した細胞内導入法
5膜透過性ペプチドの細胞内移行機序膜透過性ペプチドの細胞内移行機序
6おわりに
第28章システイン系パーマ剤システイン系パーマ剤 押村英子
1はじめに
2毛髪とシステイン
2.1毛髪のアミノ酸組成
2.2毛髪の構造とジスルフィド結合毛髪の構造とジスルフィド結合
2.3パーマネント・ウェブの原理パーマネント・ウェブの原理
3パーマネント・ウェブ用剤
3.1パーマ剤いろ
3.2市場の推移
3.3システインの製造法
4パーマ用還元剤としてのシステインパーマ用還元剤としてのシステイン
4.1システインの特長
4.2技術的課題の解決
4.3最新の研究事例
第29章アミノ酸のNMFとしての役割 飛田和彦
1はじめに
2天然保湿因子(NMF)
3アミノ酸産生メカニズム
4アミノ酸の効果
4.1保湿効果
4.2抗糖化・カルボニ効果抗糖化・カルボニ効果
5おわりに
第30章抗酸化ペプチド 村本光二
1はじめに
2ペプチドの抗酸化活性
3抗酸化活性の測定
4抗酸化ペプチドの構造と活性相関抗酸化ペプチドの構造と活性相関
5抗酸化ペプチドの多機能性
6抗酸化ペプチドの応用
第31章PCA亜鉛塩のアンチエイジグ効亜鉛塩のアンチエイジグ効果 大倉冬美恵,瀧野嘉延
1諸言
2PCA亜鉛塩
3培養細胞を用いた有効性評価(コラー培養細胞を用いた有効性評価(コラーゲンの分解抑制)
3.1AP-1産生抑制評価
3.2MMP-1産生抑制評価
4培養細胞を用いた有効性評価(コラー培養細胞を用いた有効性評価(コラーゲンの産生促進)
4.1アスコルビン酸トラポータアスコルビン酸トラポータ遺伝子の発現促進評価
4.2コラーゲンマトリックス産生促進コラーゲンマトリックス産生促進評価
5レチノイン酸との比較
5.1細胞増殖の比較(1)ヒト真皮線ヒト真皮線ヒト真皮線ヒト真皮線ヒト真皮線維芽細胞
5.2細胞増殖の比較(2)表皮角化細表皮角化細表皮角化細表皮角化細表皮角化細胞
5.3MMP-1産生への影響比較産生への影響比較
5.4コラーゲン産生促進効果の比較コラーゲン産生促進効果の比較
6統計解析
7考察
7.1考察(1)PCA亜鉛のアンチエイジング効果
7.2考察(2)レチノイン酸との比較
 
 
 
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