第1章 EV生産台数の実績と推移
この章では2018年までの実績と、2030年を一つの区切りとした台数の推定と解析を行った。数年前の計画から
大幅に乖離している中国や米国などの地域がある一方で、北欧での大幅な実績増加等が見られる。自動車メー
カー別においても、車種の入れ替わりが激しく、PHVの構成比率が高まるなどの変化も見られる。
IEA(国際エネルギー機関)や関連業界が、2030年レベルのEV比率を予測しているが、結果は桁違いに異なって
いる。IEAの台数設定は大気汚染の解決の観点から、かなり大幅なEV の増加を求めている。
1.1 2030年までの予測、銀行、IEAほか
1.2 世界の生産、〜2018年実績2030年予測
1.3 中国の生産、〜2018年実績2030年予測
1.4 国別、自動車メーカー別の生産実績
第2章 搭載電池のkWh容量と総量GWh
車種別の搭載電池のkWh値を積算して、電池GWh/EV1万台を算出する。最終的には2030 年段階での、電池総量
GWhを推定して行くことになるが、kWh値は意外と低い値に収斂を見せており、これまでとはトレンドが変わった
とも見える。走行km数との関係では,電池容量のみならず、EVのメカトロ効率が大きく関係するので、最近の車
種のデータを紹介する。
2.1 電池容量のメーカー別、車種別実績と推定(〜2018、2030)
2.2 EV、PHV搭載電池のkWhの推移
2.3 走行距離kmと電池容量kWhのバランス
2.4 電池総量GWhと市場規模
第3章 正極材の特性と元素資源の所要量
EVの正極材はいずれが主流となるか、現時点ではNMC622三元系が、コスト・パフォーマンスの点で優位であろう。
これもCoのコスト問題との妥協であり、非Coの単元系もかなりのポテンシャルがある。仮にEV1,000万台/年電池
max800GWhで、必要なCo,Liほかが賄えるかが要点である。
3.1 単元系正極材と特性
3.2 多元系正極材と特性
3.3 正極材とNi、Coの所要量と前駆体
3.4 EV生産台数と元素資源の所要量
3.5 正極材の参入企業と増産計画
第4章 負極材の特性と元素資源の所要量
負極材は正極材に比べると、kWh容量では脇役的な存在ではある。一方で電池のサイクル、パワーと回生においては
負極材の特性が大きく影響する。ここでは炭素・黒鉛系負極材の欠点、特に嵩高い電極層による比容量Wh/Lの低下と、
これを改良することも含めて、シリコン系など容量負極材の特性を紹介する。
リチウム元素資源は正負極と電解質に共通するのでここでまとめて扱う。
4.1 炭素・黒鉛系負極材の特性と比容量
4.2 シリコン系と合金系の負極材の特性と実用性
4.3 新規負極材TiO2、WO5、Nb他の特性とメリット
4.4 正負極と電解質のリチウム資源とリサイクル
(リチウムに付いては正極分も含めてここで扱う)
4.5 負極材への参入企業と増設計画2019
第5章 電池GWhあたりの元素所要量
第2章〜4章の元素資源の所要量などの係数は、下記の方法で、いくつかの仮定を置いて算定しているので、その
詳細を示した。また非常に大きな単位の数字を扱うので、単位の換算なども念の為に一覧した。
5.1 EVにおける正極材の選定と計算の過程
5.2 電池(セル)の材料、部材の構成(重量、体積)
5.3 単位の換算と表示方法(k、M、G、W、Wh、Ah)
第6章 まとめと展望
本書(EVワールドU)は本シリーズの最も始めの“原材料と正・負極材”の部分だけである。実際には下記の諸問題が
クリアされて、大きな市場が見えないと、鉱業と化学工業からの供給体制は整わない。異業種の連系で、リチウム
イオン電池とEVは、思いのほか動きが遅い。
更にはEVシステムの安全性の確保は言うまでもないが、大量の廃電池の処置が出来なければ、EVは10年足らずで行き
詰まることになる。
下記の6.2、6.3節は、後続のEVワールドシリーズの主題として詳しく扱って行く予定であるが、ここでは要点だけを
説明したい。
6.1 xEVの価値(環境、エネルギーほか)
6.2 電池市場規模と原材料供給
6.3 諸問題との整合性(1)(廃電池とリサイクル)
6.4 諸問題との整合性(2)(安全性)
第7章 参考資料
下記の事項は、本書の自動車市場的、技術的な背景である。先の各章で扱うと煩雑になるので、多少の教科書的な
内容も含めて、参考資料としてまとめた。
R.1 xEVにおけるCAFE規制等の概要
R.2 正極材の合成と原料、リサイクル
R.3 電池のパワー、エネルギーと比容量
R.4 世界の元素資源の開発状況
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