発刊にあたって
 
第1章 抗菌技術の基礎(概説)

 概説―微生物の基礎知識と抗菌技術開発にあたっての注意
1.はじめに
2.微生物の構造と基本的な特徴
01)ウイルス
02)細菌
03)真菌
 
3.微生物の一般的な感染経路
4.感染症の感染様式と微生物の排泄口
5.微生物の抵抗性
6.抗菌剤開発のコンセプト
 

 新興ウイルス感染症:重症急性呼吸器症候群,高病原性鳥インフルエンザ
1.はじめに
01)新興する多くのウイルスと疾患
02)対策の難しさ
03)基礎データの蓄積の必要性
2.SARSウイルス学
 
01)疾患
02)ウイルスとしての特徴
03)SARS―CoVの培養
04)宿主細胞のウイルスとの戦い
3.鳥インフルエンザウイルスに関する見聞
 

 総論 産業界における抗菌技術の最新動向
1.国際化に伴う抗菌剤の市場動向
01)はじめに
02)世界の動向
03)日本の動向
04)日本の抗菌剤の動向
05)抗カビ剤の動向
06)温蔵庫を用いた殺菌
07)文化財保存の動向
08)抗菌剤の市場動向
09)薬物送達システム(drug delivery system:DDS)
2.抗菌剤が必要となる社会背景
01)ヒット商品を生み出すためのkey wordと社会背景
02)省エネと地球環境問題(ゼロエネルギー構想住宅)
03)住宅構造の変化
04)室内汚染:VOC(揮発性有機化合物)問題
3.輸入感染症の現状
01)新たな感染症時代の到来
02)輸入感染症への対応
03)高齢社会を襲うインフルエンザ
 
04)O157食中毒事件の教訓
05)新興感染症SARSの流行
06)牛海綿状脳症(bovine spongiform encephalopathy:BSE)の教訓
4.代表的な細菌とその症例(細菌の特徴,症状の特徴)
01)大腸菌(Escherichia coli)
02)ブドウ球菌属(Staphylococcus)
03)ブドウ球菌
04)緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)
05)肺炎桿菌(Pneumobacillus)
06)腸炎ビブリオ
07)ボツリヌス
08)サルモネラ
09)MRSA
10)O157
11)インフルエンザ(influenza)
12)ヘルペスウイルス(Herpesviridae)
13)レジオネラ菌(Legionella)
 

 特許にみられる抗菌処理技術の現状
1.はじめに
2.除菌・抗菌化合物開発の現状
01)時代にみる傾向
02)世界にみる傾向
03)成分にみる傾向
04)抗菌性向上手段の傾向
3.除菌・抗菌加工製品分野の現状
01)年代別応用分野推移
02)成分別応用分野推移
 
03)国内外出願人別内訳
04)抗菌/抗カビ用途別内訳
4.今後の展望
01)求められる分野
02)抗菌性能表示
5.おわりに
01)抗菌剤の今後の課題
02)抗菌加工製品の展開
 

 銀イオンの抗菌作用機構の考察
1.各種金属イオンの極微作用
2.アミノ酸と銀イオンの反応
 
3.銀イオンの抗菌作用機構
4.銀イオン濃度と大腸菌死滅の関係
 

 異種金属接合電極を用いた電場除菌技術
1.はじめに
2.電場除菌技術概説
3.電場除菌の効果を実証する実験
01)微生物の表面電荷の測定
02)電極間の微生物移動観察
 
03)電極表面微生物の観察
04)電極近傍の微生物の活性度観察
05)電極近傍電解質中の微生物に含まれる亜鉛濃度の分析
4.おわりに
 
第2章 実用と評価

 抗菌製品の技術動向
1.はじめに
2.抗菌製品の現状
3.抗菌剤の種類と特徴
01)抗菌剤の種類
02)銀系抗菌剤
4.抗菌製品に求められる抗菌剤の性質
5.抗菌製品の開発における留意点
01)開発にあたって
02)抗菌剤の樹脂中混練技術
03)抗菌剤の塗料中分散技術
 
6.抗菌製品の性能評価基準
01)評価と試験方法
02)抗菌製品とその表示方法
03)抗菌製品企画時の留意事項
7.基準化に関する動向
01)基準化の現状
02)ガイドライン
03)国内および外国の現状
8.今後の課題
 

 抗菌・抗カビ剤の応用製品
1.序:抗菌剤応用の歴史
2. 微生物の概要
01)菌類(カビ,キノコ,酵母)
02)細菌
03)ウイルス
3.食品,香料,食器への応用
01)食品関係
02)天然香料
03)食器への応用
04)生簀,観賞魚用水槽への応用
4.家電製品,半導体,電子部品材料への応用
 
01)テレビ,VTRなどの映像機器,通信機器およびシステムキッチン関係部材
02)半導体,電子部品材料への応用
03)記録メディアへの応用
5.文具,事務用品,書籍への応用
01)文具,事務用品関係
02)書籍,辞書,各種便覧への抗菌剤処理
6.その他への応用
01)運送,流通関係
02)建造物,抗菌空間
 

 抗菌空間の細菌評価と抗菌応用製品の事例
1.抗菌空間の細菌評価
01)はじめに
02)抗菌空間の仕様
03)抗菌空間の評価方法
04)結果および考察
05)抗菌応用の必要性
 
2.抗菌応用製品の事例
01)溶融加工
02)コーティング加工
03)含浸加工
3.おわりに
 

 無機系抗菌剤銀ゼオライトの物性とその応用
1.無機系抗菌剤の市場
2.無機系抗菌剤の概要
3.銀ゼオライトの物性と毒性試験
01)物性
02)各種細菌の最小発育阻止濃度(MIC)
03)毒性試験
 
4. 最近の銀ゼオライト応用製品
01)消臭スプレー
02)抗菌性シーツ
03)浄水器
04)医療用部材
05)下水ヒューム管
 

 抗菌関連技術の空質改善機器への応用
1.はじめに
2.異種金属を利用した除菌技術
3.天然酵素を利用した抗菌技術
4.緑茶抽出成分を利用した抗ウイルス技術
5.高分子化合物を利用した抗アレルゲン技術
01)抗アレルゲンフィルターへの応用
 
02)免疫クロマト法による乾式評価
03)酵素免疫測定法による湿式評価
6.空質改善機器への応用例
01)空気清浄機への展開
02)加湿機への展開
7.おわりに
 

 酸化チタン光触媒と応用製品の抗菌力試験法
1.はじめに
2.光触媒と抗菌効果
3.光触媒抗菌剤と光触媒抗菌加工製品
4.フィルム密着法から光照射フィルム密着法制定までの経緯
 
5.「光照射フィルム密着法(1998年度版)」と「1999年度版」の相違点
6.光触媒抗菌剤の最小発育阻止濃度測定法
7.おわりに
 

 家電製品への防菌防カビ処理の現状と将来展望
1.はじめに
2.家電製品における防菌防カビ関連基準
01)業界における用語表示基準
02)抗菌JIS
3.家電製品における防菌防カビの現状
01)抗菌標榜製品分野
02)抗菌処理目的
 
03)抗菌対象部品材質
04)抗菌加工方法
05)抗菌成分
06)抗菌性能評価方法
07)抗菌性能評価試験機関
4.家電製品における防菌防カビに対する将 来展望
5.おわりに
 

 洗濯乾燥機への抗菌応用
1.はじめに
2.微生物の分類
3.衣類に付着する微生物の実態
4.乾燥による抗菌効果の実態
01)評価条件
02)抗菌効果の試験結果と考察
 
03)天日乾燥による効果
04)室内乾燥による効果
05)洗濯乾燥機での乾燥による効果
5.洗濯乾燥機での抗菌効果に関する考察
6.恒率乾燥温度と抗菌効果の関係
7.おわりに
 

 シリカゲル系銀錯体抗菌剤の抗ウイルス性と応用
1.はじめに
01)担体シリカゲル
02)銀の安全性と銀錯体の安定性
03)ウイルスへの挑戦
2.シリカゲル系銀錯体抗菌剤とその抗菌性能
01)シリカゲル系銀錯体抗菌剤の調製方法
02)シリカゲル系銀錯体抗菌剤の特徴
3.抗ウイルス性能
01)有膜ウイルス
 
02)抗ウイルス試験方法
03)抗ウイルス性能
4.SARS関連応用製品
01)スプレー
02)フィルター
03)マスク
04)その他
5.おわりに
 

 病院内の感染(院内感染)対策
1.はじめに
2.病院感染とは
3.病原体の感染ルート
01)飛沫感染
02)空気感染
03)接触感染
04)一般媒介物感染
05)媒介動物による感染
4.感染防止策―標準予防策と経路別予防策―
01)標準予防策
 
02)呼吸衛生・咳のエチケット
03)経路別予防策
5.病院感染防止の要点と関連する設備・構造
01)気流管理
02)手指衛生
03)患者周囲のものに対する配慮
04)環境の清掃
05)動線とゾーンニング
06)部屋の配置
07)水場の管理
 

 代表的な有機系抗菌抗カビ剤とその応用
1.はじめに
2.代表的な有機系抗菌・防カビ剤の特徴および用途
01)チアベンダゾール
02)カルベンダジン
03)キャプタン
04)フルオロフォルペット
05)クロルキシレノール
06)クロルクレゾール
07)クロロタロニル
 
08)1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン
09)ソディウムピリチオン
10)ジンクピリチオン
11)ジヨードメチル−p−トリルスルホン
12)IPBC
13)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合溶液
3.おわりに
 

 微生物災害防止の一考察(抗菌,防カビ,防藻)
1.はじめに
2.抗菌(細菌)
01)細菌の菌数の増減(消長)
02)ハロー(阻止帯)の有無およびその幅による効力判定
3.防カビ(真菌)
4.防藻
 
5.当社における抗菌,防カビ,防藻の各試験
01)抗菌試験
02)防カビ試験
03)防藻試験(A)
04)防藻試験(B)
6.おわりに
 
第3章 抗菌技術におけるDDSとその他の医療応用

 生体防御機構を利用した抗菌DDSの開発
1.はじめに
2.結核
01)現在の結核治療法
02)生体防御機構:肺胞マクロファージ
03)肺胞マクロファージに潜む結核菌をターゲットにした抗結核薬の経肺吸収DDSの開発
04)リファンピシン含有PLGA微粒子製剤
05)微粒子の粒子径と肺胞マクロファージの貪食能との関係
06)BCG処理肺胞マクロファージに対する効果
07)なぜRFP/PLGA微粒子はリソゾームによって分解されないのか?
08)RFP/PLGA微粒子の表面物性が肺胞マクロファージによる微粒子の貪食率に与える効果
 
09)どのような微粒子製剤が肺胞に到達できるのか?
10)結核感染動物を用いた検討
11)PLGA微粒子製剤は肺胞マクロファージの貪食能を活性化する
12)経肺投与後,抗結核薬はどのように代謝されるのか?
3.エイズ(AIDS)
01)現在の治療法と問題点
02)抗エイズDDS
4.おわりに
 

 抗菌剤の微粒化と粉体化におけるDDS
1.はじめに
2.エアロゾル「微粒子」によるDDS
01)エアロゾル(微粒子)の挙動
02)エアロゾル(微粒子)化と吸入
 
03)ネブライザー方式
04)メッシュ式ネブライザーにおける粒子の制御
3.メッシュ式ネブライザーによる各種粉体の生成
4.おわりに
 

 新型医療診断・治療装置“みらくる”
1.はじめに
2.“みらくる”とその特徴
01)位相コントラスト画像
02)高解像度
 
03)低被曝線量
04)超拡大撮影
05)ガン殺傷効果
3.今後の課題
 
付録・資料編
抗菌・抗カビ剤の応用製品
代表的な防カビ剤

○略語一覧
○事項索引
 
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