軟包装パッケージにおける環境対応・リサイクル・再生再利用・脱墨・脱離技術と食品メーカーからの
 要求・将来展望・課題
※このテキストは2022年11月30日に実施したセミナー資料です
※パワーポイント資料形式



第1講 食品メーカーから見た軟包装設計の考え方と環境・リサイクルへの要望

【講演プログラム】

1.会社紹介
 1-1 味の素株式会社 紹介
 1-2 味の素株式会社 環境ビジョン
2.軟包材の基礎知識
 2-1 軟包材に使われる材料とその特性
 2-2 積層包材に使われる各層の機能
3.環境負荷低減のための包装材料
 3-1 包装材料が環境に与える影響
 3-2 環境負荷を低減する包装材料とデザイン:リサイクル
 3-3 環境負荷を低減する包装材料とデザイン:バイオマス, 溶剤フリー, 生分解性物質、森林認証紙
4.包装設計事例1:Pal Sweet®  Slim Up Sugar® の紙化における包装設計
 4-1 「Pal Sweet® 」「 Slim Up Sugar® 」の開発背景
 4-2 本製品の開発における選定理由
 4-3 選定した包装資材の特徴
5.包装設計事例2:「味の素® 」「ハイミー® 」袋品種の紙化検討
 5-1 開発の目的
 5-2 包装設計のポイント
 5-3 包装適正評価

【習得できる知識】
食品に使用する包装資材の基礎知識。
包装材料のリサイクルの方法と課題を習得し、解決方法について知識を得る。
食品に使用される複合包装材料に対するリサイクル課題と要望を知る。
プラスチック包装材料の紙化に向けた包装設計。

【講演趣旨】
 食品に使われる包装材料の基礎知識を解説し食品流通のために包装が必要な理由を理解して頂く。
食品を安全・安心に使用して頂くために必要な包装であるが、一方使われた後はゴミとして排出され
環境に悪い影響を与える事がある。環境に悪い影響を与えないようにするためリサイクルを検討するが、
その方法と課題について及び包装材料のユーザーとしての複合包装資材のリサイクル適正など資材
メーカーに検討して頂きたい要望事項を話す。
 プラスチック材料の紙化における包装設計の実例を紹介し設計における課題を共有する。




第2講 Co-Ex及び多層ラミネートフィルムの再生再利用への対応と脱墨・脱離技術

【講演プログラム】
1.世界の包装の動き
 1-1 大きな流れ
    プラス知育利用の包装材料の循環型ポリマーの利用促進
 1-2 EUの規制の動き
    新しいEU規制、食品接触プラスチックにrecycled plastic使用を認める
 1-3 Recyclable包装で第三者認証が基本
    新しいEU 規則では、欧州市場用途では第三者認証が前提
2.Co-Ex及び多層ラミネートフィルムの再生再利用の模索
 2-1 熱分解方式
 2-2 超臨界技術方式
 2-3 ガス化方式
 2-4 電磁波方式
 2-5 醗酵技術方式
3.脱墨・脱離(剥離)技術の動き
   プラスチック包装の脱インキはなぜ必要か
 3-1 脱墨技術の状況とメカニカルリサイクル
     再生樹脂製造時のインキによる臭い防止が必要
 3-2 脱離技術のビジネス事例
     脱インキ用プライマーの利用、水性の食品安全性の剥離剤
 3-3 異材質ラミネート包材への対応をどうするか
    裏刷りラミネート包材の脱インキは、剥離技術が必要
4.Co-Ex及び多層ラミネートフィルムの再生再利用の課題
 4-1 分別排出、回収・選別方法
 4-2 再生再利用の施設の整備
 4-3 包装食品の輸出の障壁
5.FDA及びEFSAの再生樹脂への対応
 5-1 異物混入の懸念 -ブロックチェーンによるtrace
 5-2 認証取得 certified resinsの必要性
6.まとめ

【習得できる知識】
1.プラスチック包材の再生再利用の動向が理解できる。
2.ケミカルリサイクルとは何かの理解が出来る。
3.マスバランス方式とは何かが理解できる。
4.再生再利用できる包装設計の重要性が理解できる。
5.再生再利用実施の回収及び分別の課題が理解できる。
6.脱墨技術、脱離(剥離)技術と必要性が理解できる。

【講演趣旨】
 プラスチック包装は、今まで軽量化、バイオ由来の樹脂使用など行ってきたが、今後は活動の
中心が使用済みの包材を回収し原料として再生再利用する方向に進む。Circular Economy実施の
中で包装材料もCircular Packaging対応が必要となっている。プラスチックの多層包材は再生
再利用の面でどのようにするか模索が続いているが、メカニカルリサイクル、ケミカルリサイ
クルで処理され再生再利用となるだろう。メカニカルリサイクルは脱墨が重要なカギとなる
だろう。脱離技術は、フィルム、紙、アルミ箔などのように異材質のラミネートでは必要と
なり、既に欧州では実用化されている。多くの課題が開発途上であるが、欧米では、再生材料
30%以上使用の動きもあり定着するだろう。日本からの輸出包装製品はどのように対応すべきか
難題である。英国では2022年4月より実施である。現在の技術の延長線上での可能性を国内外の
事例で検証し、長短を理解して今後の対応に活かせるよう説明する。



第3講 多層プラスチックフィルムを対象とした液相プロセスの紹介

【講演プログラム】
1. 液相反応
2. プラスチックの反応性1:付加重合系
 2.1 ポリオレフィン
 2.2 塩化ビニル
3. プラスチックの反応性2:脱水縮合系
 3.1 ポリエステル
 3.2 ポリアミド
4. 混合物の反応:プラスチックの反応性の観点から
5. 連続プロセス
 5-1 スラリープロセス
 5-2 押出機プロセス
6.まとめ

【習得できる知識】
水の状態と、プラスチックそれぞれにより反応性が異なることを理解する。

【講演趣旨】
 液相とは、高温高圧状態の水の液相を活用する技術を表した言葉である。水熱や亜臨界水と
呼ばれる水の液相条件において、プラスチックの反応がどのように進むのか、理解できるよう
講義を進めたい。まずは水の状態図を理解し、水の機能性に与える温度、圧力の影響を知る。
それに付随し、プラスチックに関わる分子の反応性を理解する。その上で、どのようなプロセスが
プラスチックリサイクル技術として有用なのかを考える。この講座では特に、マテリアルリサイクル
およびケミカルリサイクルの両立(ハイブリッドリサイクルと呼称)を可能とする条件設定がは
どのように達成できるのか、を考える素地を与え、その連続プロセスに対する試みの一端を紹介する。


 
軟包装パッケージにおける環境対応・リサイクル・再生再利用・
脱墨・脱離技術と食品メーカーからの要求・将来展望・課題
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