●まえがき
 
序論  この本で述べること
1.はじめに
2.食品の真正と偽和
 
3.食品詐欺との戦い
4.なぜ日本は食品詐欺に寛大か
 
 
第1章 食品の真正を確認すること

 食品の真正と偽和の問題--行政と法律の立場から
1.食品偽和の歴史’イギリスの場合
1.1.食品偽和と食品汚染
1.2.保存料
1.3.牛乳
1.4.偽和食品の減少
1.5.経済発展と製造業発達の影響
1.6.小売り業態の変化
1.7.ブランド食品
1.8.おわりに
2.現在のイギリスの食品偽和取締りの実際
 
(a)犯罪立証の法的手続き
(b)サマセットでの法律執行
(c)分析上の確証を得る難しさ
(d)偽和事件の実際例-1:フェタチーズ
(e)偽和事件の実際例-2:プロバンス産のピザ
(f)偽和事件の実際例-3:肉の種類
(g)偽和事件の実際例-4:缶詰ハム
3.チェコ税関技術研究所の場合
4.食品真正保持の日英比較
 

 食品の真正を維持するためには
1.食品真正の重要性,食品製造業の立場から
2.食品の品質としての真正検査
3.食品の標準組成
3.1.生物学的に異種のもの,安価な品種の使用や混合
3.2.原産地の虚偽表示
3.3.製造工程のうそ
3.4.食品加工業のうそ
 
4.食品の表示と規制
5.データベースの拡充
6.真正評価の分析にどの方法を選ぶか
7.真正分析データの解釈と活用
8.製造業者の注意義務
9.おわりに
 
 
第2章 各種食品の偽和と真正の確認

 果汁と果実製品
1.はじめに
2.果汁偽和の歴史
2.1.世界のオレンジ果汁偽和事件
2.2.フロリダ州柑橘局の苦い経験
2.3.世界のリンゴ果汁の偽和事件
3.天然果汁の偽和と真正検査法
3.1.はじめに
 
3.2.偽和と分析技術の進歩
3.3.単一成分による方法
3.4.糖類による偽和分析
3.5.安定同位元素分析
3.6.多成分解析とAIJN準拠ガイドライン(規格)
3.7.フィンガープリント(指紋)法
 

 蜂蜜など
1.はじめに
2.蜂蜜の成分
3.蜂蜜ができるまで
 
4.蜂蜜の偽和と真正評価
5.メープルシロップ
 

 ワイン
1.はじめに
2.ワインに利用される多元解析
3.ワイン産地,品種,ビンテージの識別
3.1.有機成分の利用
 
3.2.無機物と微量元素の利用
3.3.有機物と無機物の組合せ
3.4.ブドウの品種と年代(ビンテージ)
4.おわりに
 

 食肉と肉製品
1.はじめに
2.肉および肉製品の真正問題
3.肉製品の組成
4.偽和分析法
4.1.脂質分析
4.2.タンパク質の等電点電気泳動
 
4.3.免疫学的方法
4.4.酵素免疫定量法(ELISA)
4.5.DNA法
4.6.肉以外のタンポク質分析
4.7.骨分離肉
 

 魚介類
1.はじめに
2.魚介類の真正判定法
3.魚介類偽和のいろいろ
 
3.1.産地と養殖魚
3.2.冷凍魚
3.3.キャビアの真正
 

 穀類
1.はじめに
2.穀物の真正確認法
3.小麦品種と大麦品種の確認法
3.1.イメージ分析
 
3.2.貯蔵タンパク質の分析
3.3.DNA法
4.米の品種判定
5.デューラム小麦製品中の普通小麦の分析
 

 植物油
1.はじめに
2.オリーブ油の偽和事件
3.植物油の真正評価
4.ガスクロマトグラフィー(GLCまたはGC)による脂肪酸組成分析
 
5.ステロール類,トコフェロール類による真正評価
6.トリグリセリド組成による真正評価
7.データの解析と安定同位体分析
8.その他植物油脂の真正
 

 コーヒー
1.はじめに
2.コーヒー生豆の真正確認
2.1.地理的な起源識別
2.2.植物種の識別
3.焙煎コーヒーの真正確認
3.1.地理的な起源識別
3.2.植物学的起源
 
4.焙煎挽豆の偽和
4.1.地理的,植物学的起源
4.2.チコリと穀物などの検出
5.可溶性(インスタント)コーヒーの偽和
5.1.ロブスタ種混合の判定
5.2.チコリ,穀類,ハスクなどの検出
6.おわりに
 

 乳製品
1.はじめに
2.真正問題
3.牛乳および乳製品の真正評価
3.1.水の添加
 
3.2.牛乳の殺菌処理
3.3.牛乳の真正
3.4.乳製品の真正
4.羊乳,山羊乳の牛乳による偽和
 

 遺伝子組換え食品(GMO)
1.悩ましい遺伝子組換え食品問題
1.1.EUのGMO事情
1.2.困難な日本のGMO事情
 
1.3.GMOの生産国
2.遺伝子の導入と分析
 

 有機(オーガニック)農産物
1.有機農産物と有機食品の現状
2.有機食品の法的規制
3.有機栽培の真正は科学的には検証できず,厳格な認証制度による
 
3.1.米国の有機農産物認証機関
3.2.日本の有機農産物と認証
4.国産有機農産物の信ぴょう性
 

 その他食品の真正
1.はじめに
2.
<茶の真正検査>
3.スパイスとハーブ
4.フレーバーとエッセンス
 
5.天然ミネラルウォーター
6.照射食品
<照射の表示と分析法>
 
 
第3章 食品真正評価の方法

 食品真正評価の目的
1.はじめに
1.1.食品製造業
 
1.2.取締り行政機関
2.国際的ネットワーク
 

 質量スペクトルによる安定同位元素分析
1.はじめに
2.炭素同位体
 
3.酸素同位体
4.水素同位体
 

 核磁気共鳴法による食品真正確認
1.はじめに
2.NMRの利用
3.食品分析へのNMR利用例
3.1.果汁
3.2.ワイン
3.3.植物油
 
4.NMRによる位置特異的な天然同位体分別分析(SNIF-NMR)
4.1.エタノールの場合
4.2.ワインの真正判定
4.3.果汁の真正判定
4.4.その他の真正判定へのSNIF-NMR利用
 

 赤外分光分析
1.赤外分光分析のあらまし
2.通常赤外スペクトル分析の応用
2.1.果物製品
2.2.コーヒーと植物油
 
3.近赤外分光分析の応用
3.1.穀物と穀物製品
3.2.果実製品
3.3.食用油脂,肉製品
 

 オリゴ糖分析
1.はじめに
2.オリゴ糖の生成
 
3.オリゴ糖の分析
 

 酵素法による食品分析
1.はじめに
2.酵素の特異性
 
3.食品の酵素分析例
 

 DNA分析とPCR法
1.はじめに
2.ハイブリッド形成法
3.DNAのPCRによる直接分析
<種々のプライマー>
 
4.まとめと将来展望
 

 電気泳動法
1.はじめに
2.ゲル電気泳動
2.1.ポリアクリルアミドゲル電気泳動
2.2.アガロースゲル電気泳動
2.3.等電点電気泳動
 
2.4.免疫電気泳動
2.5.キャピラリー電気泳動
2.6.キャピラリーゾーン電気泳動
3.電気泳動分析の応用
 

 抗体による分析法
1.はじめに
2.抗体反応分析
2.1.免疫拡散法
2.2.免疫電気泳動法
2.3.酵素免疫測定法(エンザイムイムノアッセイ)
 
2.4.競合EIA
2.5.サンドイッチEIA
3.抗体反応分析の応用
3.1.乳と乳製品
3.2.肉と肉製品
 

 その他の食品真正判定法
1.微量元素分析
2.熱分解質量スペクトル分析
 
3.食品真正評価への応用
 
 
第4章 食品の真正を考える

 食品の真正とは何か--食品表示の重要性
1.はじめに
2.食品の表示と行政によるチェック
 
3.国際食品規格への準拠と表示の改善
<食品供給者の倫理>
 

 食品真正に関する国際比較とJAS法
1.伝統を守るワインと戦後変身した日本酒
2.日本にはもどき食品が多い
2.1.真正食品と食品アナログ(もどき食品)
2.2.清酒
2.3.豆乳
 
2.4.蜂蜜
2.5.ハム類
3.なぜ日本には「もどき食品」の公的規格があるのか
 

 まとめ--食品の真正を保つために
1.食品の真正保持努力の現状
2.今後の課題
 
3.食品企業と消費者の問題
 
●あとがき
●索引
 
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