包装技術便覧
 平成7年に「包装技術便覧」第4版が出版されてから23年余が過ぎました。この間、包装技術の進歩には目覚ましいものがあり、便覧の内容にも見直すべき点が増えてきました。また、包装業界をとりまく社会状勢、国際情勢も大きく変化しました。もはや、便利な包装容器を開発し、ユーザーに提供するだけでは社会に受け入れられません。使用済みの包装資材の処哩では環境負荷を軽減することが求められ、同時に資源の有効な再利用の立場からリサイクル可能な包装資材が要求される時代になりました。また、生活者に対しては輸入品も含め安全な包装資材を提供することが義務化されました。このような技術的進歩と社会状勢、国際情勢の変化を踏まえ、この度、編集・執筆の陣容を一新し、新たな企画として「包装技術便覧」第5版の発刊を見るに至りましたことは誠に喜ばしく、また時宜を得たものと存じます。
 改訂の方針は、1)理論と実用性のバランスに配慮する、2)今後10余年間の使用に耐える内容を目指すことを前提に、包装の理論、実務と最新の動向などについて実例を挙げて体系的に解説することを目指しました。
 新たな執筆者各位のご尽力に深く謝意を表しますとともに、本書が広く包装関係の方々に活用され、包装関係の人材育成に貢献し、また包装業界のみならず広く社会のために役立つことを願っております。


平成31年2月
小野 拡邦 東京大学 名誉教授
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