電磁波シールド・電波吸収体の設計・開発・評価法

 電波吸収体、電磁遮蔽材は、時代毎に要請される課題を解決するように改良され、現在に
続いている。最近、ミリ波レーダが車に搭載されるようになり、ミリ波用電波吸収体が注目を
浴びている。電磁波利用システムが計画通り稼働するためには、ETC の場合と同様に電波環境を
整備することが必要である。ミリ波帯電波吸収体は、一部は既に開発が行われている。車載
レーダシステムにおける電磁環境については、自動運転レベルの進行に合わせて、車周囲の
電磁環境も平行して検討され、課題が具体化されると期待される。これにより、電磁環境を
解決するための電波吸収体、遮蔽材、必要により全透過材などの開発が進むと期待される。

 自動車の駆動系については、内燃機関からハイブリッドや電気自動車へ急速に移行しつつ
あるので、これら大電力機器から発生する低周波の電磁環境にも対応が必要である。低周波
電磁界の遮蔽、特に近傍界の磁界遮蔽は、一般に遮蔽が難しいと言われる技術領域であり、
早急な検討が必要である。

 以上述べたように、車の安全・安心性能を含む高機能化を推進するためには、車を取り巻く 電磁環境に対応した、車載用/インフラ用の電波吸収体、電磁遮蔽材などが必要となる。 本書はこのことを念頭に編集されたもので、
第1章では電波吸収体、電磁遮蔽材について、反射波、透過波の発生から吸収材、遮蔽材の設計法、 評価法など電波吸収体や遮蔽材を扱う際の必須となる基本諸項目を詳しく解説している。 第2章では吸収・遮蔽材に関係する最先端材料技術の成果、および吸収体や遮蔽材の開発事例を まとめた。 第3章では、自動車関連を中心にEMC の規格動向をまとめた。 電波吸収体、遮蔽材を理解し、利用する際のご参考となれば幸いである。                                (はじめにより 一部抜粋)
 
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