EVワールド(米・中・韓・欧・日) 総覧 書籍+CDセット
 〜元素資源、NMC正極材、新負極材、電池とEVの市場動向2018〜2030〜
 これまで筆者はCMCリサーチと共に「リチウムイオン電池の製造プロセス&コスト総合技術 2016」、「ZEV規制とEV電池テクノロジー」(2017年発行)、「全固体リチウムイオン電池の展望」(2018年発行)などの調査レポートを企画し、調査・執筆してきた。これらのレポートは、いずれも技術的な内容が主題であり、EVそのものの数量的な需要動向や、その基礎となる電池生産や企業動向については副次的であった。
 2018年現在において、この一年間のEV関連を取りまく状況は目まぐるしく、そしてかなり着実に進展してきていると感じられる。自動車は、その技術だけではなく、都市、国家、地球の環境問題、エネルギー経済、さらには政治とも密接な関係があることは言うまでもない。その中で今後のEVとPHVが、仮に2030年をターゲットとして考えると、現在より一桁大きい1,000万台/年レベルの生産量が望まれ、それ以下では存在意義は薄れかねない状況にある。これを実現させるためには、原材料>電池>EV、PHVという流れの中で、それらを数字的に定量的に捉えて考える必要があろう。
 EVへの全面シフトには、技術的に、原材料・資源的に、また総合的なコスト的に、種々の矛盾やアンバランスが存在する。数年後に振り返って見て、“あれはEVバブルだった”、とならないために、また日本の技術がその実現を可能にするために、情報とデータを集めて、それを踏まえた理詰めの検討が求められている。
 本レポートが、“EVワールド(米、中、韓、欧、日)”と題して、諸外国の動向を横断的に取り上げたのは、もはやグローバルな対応なしには、EVの拡大はあり得ないと状況を把握しているためである。統計情報も乏しく、正確な数値情報の把握が困難な中ではあるが、各国の企業の動きを時系列で一覧する中で中長期の動きを考察した。
 元素資源のコバルトとリチウムの鉱産から正極材を経て電池へ、そして最終的にEVに至るまでは、異業種の連続であり、その接点も複雑である。原材料から電池までの化学量論的な流れの把握と、業界ごとの規模の格差もあり、かなり仮定を置いた試算とはなっているが、今後の状況の変化に合わせ、再計算の余地を残してまとめた。元素資源からEVまで、範囲を拡げたことで判り難い点も多々あるかもしれないが、現時点でのEV関連情報の総覧として、関係する業界の方々の参考になれば幸いである。
調査・執筆:菅原秀一/企画・編集:シーエムシー・リサーチ
EVワールド(米・中・韓・欧・日) 総覧 書籍+CDセット
〜元素資源、NMC正極材、新負極材、電池とEVの市場動向2018〜2030〜
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