EVワールド(米・中・韓・欧・日) 総覧 書籍+CDセット
 〜元素資源、NMC正極材、新負極材、電池とEVの市場動向2018〜2030〜


第1章 正・負極材の基礎特性、電池への適応と研究開発の経緯
 正・負極材の物理・化学の変遷と電極板とセル製造への諸問題を扱う。最近、正負極材は充放電特性の
向上のみならす、合成方法の変化に伴って粒子形態(モルフォロジ−)が変わって来ている。この問題を
解決しないと、ラボで優秀な特性の正負極材も実用にはならない。またリチウムイオン電池(セル)の
電気化学や理論容量も説明に加えた。

第2章 正・負極材の開発と諸問題(1)元素資源のルートと確保
 元素資源(Co、Ni、Li)と正負極材の技術事項と共に、世界的な資源確保や市場の競争状態を数字で
一覧できる様にまとめた。“元素資源”のメインは稀少元素のCoと資源が限定されているLiである。
金属精錬と金属地金の相場と、正極材の化学原料としての前駆体、Co硫酸塩とNi硫酸塩では、量的
スケールや化学純度が大きく異なる。これらを踏まえて元素資源の所要量をEV(万台)、電池(GWh)との
対比で試算した。EV生産が大きくなると、生産全体の時間的な、空間的な整合性が懸念される。ここでは
EV100万台から1000万台のモデルに考察した。

第3章 正・負極材の開発と諸問題(2)実生産規模と計画
 リチウムイオン電池(セル)の創生以来、正極材の容量性能アップとコストダウンは常に開発の
ターゲットであった。小型の民生用途はコバルト酸リチウムLCOも可能であるが、EV用途は過酷な
使用環境、安全性、コストの面から、LCOに替わる正極材が求められている。
 NMCxyz三元系でコバルト比率を下げてどこまで容量とサイクル特性を維持できるかは、資源確保と
国家間の競合まで巻き込んだ状況である。中韓欧日の多くのメーカーが正負極材の生産計画をアナウンスして
いるが、ここでは公表数字を一覧し、各社の計画を時系列で示し今後の動向を考察する。

第4章 電池(セル、パック)の生産と諸問題(1)生産状況と動向
 EVの生産台数に応じた、リチウムイオン電池(セル、パック)の生産ができるのか。公的統計が
整備されている日本以外は、正確な数字情報の把握は極めて難しい。GWh単位の数値を時系列で国や
企業別に整理して、正極材とEVの間をつなぐ電池の問題を考察した。
 特に中国の生産状況と、米国のTESLAモーター社への供給状況は、虚実・混沌とした感もあり、技術や
コストの議論以前の問題が多い。一方の欧州有力自動車メーカーの電池調達の動向も、前進と後退が
合い混じったアクションがみられ、そこに韓国のメーカーが入り込む構図になっている。

第5章 電池(セル、パック)の生産と諸問題(2)コストダウン
 EV普及の最大のネックは電池のコストであるこ。最近、元素資源のCoのコストがクローズアップされて
いるのは。LFPやLMOではEVの走行距離〜600kmが確保できないことが共通認識となり、Coを含むNMC多元系
正極材のコストダウンが、強く求められている。コスト問題は原料だけではなく、他の部材や製造工程費、
工場の稼働率、不良品率など、多くの課題を抱えたままである。総合的なコストダウン=合理性の追求の
ポイントを考察した。

第6章 EVとPHV、2017(実績)〜2030の予測
 ZEV=EVとPHVの実績は100万台/年のオーダに達しているが、IEAのGlobalEVstockが環境改善の有効性を
予測している台数とは桁違いの乖離ある。ZEVあるいはNEV(中国)の目的は地域の大気環境の改善にある。
EVは手段であって目的では無いが、それが逆転して捉えられ、メーカー間あるいは国家間の競争になって
いる。日本の自動車メーカーは、EVとPHVでも着実な実績を背景に、技術的なポテンシャルを活かす
チャンスを狙っている。トヨタ自動車の動向が鍵であり、この間の情報も整理して紹介した。

第7章 EV、PHVとエネルギー諸問題の整合性
 ガソリン車の石油エネルギー体系から、EVの発電電力への移行は、環境問題の改善への期待があるが、
一方で、道路インフラまで含む合理性と経済性との整合性が課題である。地球温暖化とCO2抑制が、
タテマエとホンネで先が見えないことと軌を一にするとも見える。この矛盾をEVの機電(メカトロ)
システムで、クリアすること、我が国の得意とする技術分野であり、その一端を紹介した。
 二次電池そのもののパラダイムシフトも、特に日本が先導する全固体電池の可能性で期待されて
いるので、その概要を紹介した。

第8章 電池と原材料、部材の算定基礎〜2017
 EVの需要拡大を背景に原材料の試算と市場規模の基礎データを扱った。原材料のセパレータ、集電箔と
電解液・質の比率とコストは重要であり、EV台数と電池GWhとの対応でこれらの所要量を試算した。
その中で現在の液系電解液電池の限界も伺える。各材料の機能は残しながら余分な体積や重量は極力
削除したい。

第9章 ZEV(米国)、NEV(中国)、CO2(欧州)、CO2(日本)とCAFE
 EV化の当面の目標はZEVなど規制への対応であり、これら概要を一覧する。

第10章 EVの東西・南北とパラダイムシフト、液電解質系から全固体電池へ

 
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