ユビキタステクノロジーのすべて 概要

 ユビキタス社会を支えるテクノロジーは日進月歩である。人と機械,特にコンピュータとの関係は,ユビキタス社会を考える上で重要なテーマであろう。「コンピュータの進化に人が対応できなくなる」から,「人を助ける,役立つコンピュータへの利活用」へと移っている。一方,ネットワークテクノロジーも革新的な発展を遂げている。インターネットがそれである。インターネットという共通プロトコルによって,時空を超えたアプリケーションが生まれ,人と人,人と物,物と物との多様な通信が可能な自律分散型ネットワークが構築されつつある。その結果,現実社会の写像としての仮想社会がネット上に生まれ,さらには,現実社会を超える広大な仮想社会も出現している。携帯電話の出現に始まり,インターネット革命,そしてWeb2.0 に代表されるWeb革命といった技術革新の中で,ライフスタイル,ワークスタイルが大きな変革を遂げているが,この変革は,まだ序章に過ぎないと感じている。
 本書は,ユビキタス研究所での研究開発内容を中心に,ユビキタステクノロジーについて,それぞれの専門家が執筆をした。ユビキタス社会におけるサービスをサーベイし,サービスを実現するための個々のテクノロジーを解説することで,ユビキタステクノロジーの全貌を解き明かす試みをした。通信,金融,自動車,生活といった我々に身近な分野におけるライフスタイル,ワークスタイルに沿って,個々のテクノロジーについて解説をしている。本書が来るべきユビキタス社会実現に向けた事業創造への一助となれば幸いである。(編者「あとがき」より抜粋)
【監修・編者・執筆者】
徳田英幸,藤原洋 監修
荻野司,井上博之 編
IRIユビテック・ユビキタス研究所 著
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