「油化学辞典」の初版は、「第四版 油化学便覧 ─脂質・界面活性剤─」の姉妹版として平成16年春に出版された。しかし、刊行後まもなく環境関係法令が変更となり、用語の解説と一部に齟齬が生じたため、早期改訂版の刊行が望まれた。
 辞典は生きものであり、同じ項目でも学問の進歩とともに意味の変わってゆくものもある。今回はまず初版の執筆者全員による見直しを行い、続いて編集委員以外の本会会員中堅研究者24名にも査読をお願いし、さらに専門家2名による第二次の査読を行い、並行して英語の検証も行った。
 用語辞典である以上、油化学分野に関する用語を網羅することが理想であると思うが、現今の出版事情を考慮して初版で収録した約5000語を基本とし、使用頻度が高くないと目される用語を削除し、さらに約440件の新しい用語を追加した。初版担当者に加え新規執筆者9名および新規編集委員3名に参画していただいて万全を期した。
 編集にあたっては、油化学分野に関わる研究・産業で使われている用語を広く集め、その用語の概念をすぐにつかむことができることを心掛けた。また、油化学に関わる学生・大学院生・企業の研究者・技術者を主な対象としたが、他分野・他業種の技術者・研究者が読んでも理解できるよう簡潔明瞭な解説を目指した。なお、商品名であってもその名称が広く一般に浸透し、日頃よく使用される用語は採録した。
 本辞典のために不断の努力と貴重な時間を惜しまれなかった執筆者諸氏および編集委員諸氏に深甚の謝意を表するとともに、一方ならぬご尽力を頂いた丸善株式会社出版事業部の方々にも感謝の意を表する次第である。
平成18年春 社団法人 日本油化学会 油化学辞典編集委員会 委員長 阿部 正彦
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