ゴム・エラストマー材料は、ソフトナノコンポジットの代表格であり、われわれの生活のあらゆる場面で使われている。近年の環境・安全・資源のニーズの高まりを受けて、ゴム・エラストマー材料の更なる高性能化・高機能化・高耐久化や環境対応に向けた材料開発・プロセス開発が急務となっている。ゴム・エラストマーの更なる材料開発・品質向上を目指すには、その構造を精密に解析し、物性・現象発現のメカニズムを解明するための分析技術が必須の技術となる。<中略>
 本書は、ゴム・エラストマー分析技術の単なる教科書ではない。分析技術の豊富な応用事例とそこから得られる考察・解釈についても力点をおいて解説した。分析部門の役割は、単に分析データを提供するだけでなく、その結果を適切に解析・考察することが重要である。これにより、ゴム・エラストマーのもつ不思議な特性(架橋・補強・粘弾性・相溶性・劣化など)について、より深い理解ができるものと考える。本書は、分析技術から見たゴム・エラストマー技術を取りまとめることを目指したものであり、関連する分野に携わる方々の役に立てば幸いである。
「はじめに」より一部抜粋。
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