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世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026【書籍+PDF版】 |
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2024年現在、一応の終息を見せつつある新型コロナウイルスは、やはり完全に消滅するわけではなく、今後も小さい波ながらも感染が収束するわけではないことが予測されている。*
レトルトパウチ製品は、このようなパンデミックに見舞われた状況下にあっても、在宅時間の長時間化に対応する形で流通量をなんとか維持してきた。また、パンデミックの一応の終息後は、再び伸び率が高くなることが見込まれている。*
日本市場においてはすでに10年以上も前から高い成長率を継続してきたが、ここ4〜5年を見れば、さすがに以前に比較して伸び率の低迷がみられていた。しかし、今後は再び堅調推移を取り戻すことが見込まれる。ただ、コロナ後の2023年は、需要増を見込んだ生産増加の反動で、やや在庫が増加したという側面もある。今後は年率2〜3%の成長率継続は可能であると推定されている。日本市場の場合、レトルトパウチ製品、中でも圧倒的中心となる「レトルトパウチ食品」を見ると、引き続き「アルミ箔構成レトルトパウチの成長率鈍化」と「透明バリアーフィルム構成レトルトパウチの成長率進展」が続いている。特に二酸化炭素排出量の低減に関しては、SDGsが叫ばれている現在、透明パウチは環境対応パッケージとしての意味合いからも増加している。*
また、アジアにおけるレトルトパウチ市場は、国ごとに「パウチ内需完結」「パウチ輸出中心」「パウチ輸入中心」に分けられる。例えば韓国は、国内需要以外にインドなどへのパウチ輸出が活発化している。タイでは、供給されるレトルトフィルムからの国産パウチだけでは足りず、パウチ輸入で必要量を補い、それらを合わせることで「レトルトパウチ食品(最終製品)としての世界への輸出基地」としての役割を果している。*
北米ではこれまでレトルト殺菌の流れとして「缶詰→リジット容器」傾向だったが、近年パウチタイプが見直され、増加を続けている。特にベビーフード用途が占める構成比が高い。*
欧州市場は、環境対応パウチ実現のトライアルとして、「ペットフードにおけるモノマテリアルパウチ」が表面化。これは基材に透明蒸着OPP、シーラント層にレトルトCPPを使用し、「ポリプロピレンフィルムのモノマテリアル化」を実現。現在は欧州全体市場で流通している。*
このようにレトルトパウチは今後も機能性包材として、また環境適性包材として、注目されている。*
本資料が包材業界及びエンドユーザーの方々の事業計画立案等の一助となれば幸いです。*
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2024年7月 S&T出版株式会社 |
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世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026【書籍+PDF版】 |
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