5GおよびBeyond 5Gに向けた高速化システムおよびその構成部材
= 刊行にあたって =

 最近、無線通信の第5世代規格(5G)が注目されている。そして、その先への期待を込めた「beyond5G」や「6G」という言葉も飛び交っている。現状、日本における「5G」の実用化検討は、2020年春頃から始まる予定である。本書は、高速無線通信を正しく理解して頂くため、通信の基本情報および通信の高速化を進めるうえで重要な基幹技術について解説する。特に、高速通信を支える「光ファイバ通信」、通信端末で用いる「電気信号処理」に焦点を当て説明を行う。無線通信関連の書籍は無線技術を中心に内容を構成している。本書では、高速無線通信に必須である「無線以外の重要技術」も取り上げ、従来の無線関連書籍を補完することも目的としている。

 また、「5G」ではバラ色の宣伝がされているが、費用対効果等の現実問題も取り上げる。5Gの整備には膨大なお金が必要であり、これは最終利用者が負担することになる。そこで、高速通信を効率的に運用する検討も行われている。例えば、RoF(RadiooverFiber)=光ファイバ通信+短距離無線通信(Wi-Fi)を提唱する動きである。また、新聞・テレビ等は5Gの基幹技術として無線通信に焦点を当て報道しているが、高速無線通信(例;5G)の鍵を握るのは通信用電子機器の高速化である。また、高速有線通信(例;光ファイバ通信)の鍵を握るのも通信用電子機器の高速化である。ここで、電子機器は電気信号で情報伝達を行い、その心臓部は半導体であることを理解することが重要である。つまり、5G等の高速通信への対策の本丸は、半導体の高速化でもある。近代人が便利な生活を営むには、半導体は不可欠な存在である。情報技術社会およびインターネット社会において、ノートパソコンやスマートフォンは必需品であり、これら製品の情報処理量は半導体の性能によって決まる。よって、半導体パッケージング技術に関しても概要を説明する。
   
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