第1章 序論’環境問題としてのダイオキシン

 環境化学物質としてのダイオキシン
 

 ダイオキシンの生成
 

 ダイオキシンの生成と生成の秤量
 

 ダイオキシンの実際の汚染経路
 

 臭素化ダイオキシンおよびダイオキシン類似体
 
 
第2章 分子構造と命名法

 分類
 

 命名法
1.IUPACの命名法
2.略記法
 
3.文献における体系的命名法
 
 
第3章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の物性

 物理的および物理化学的性質
1.はじめに
2.分子量
3.融点と沸点
4.蒸気圧
5.水溶解度
 
6.-オクタノール/水分配係数(),水/沈降泥分配係数(),生物濃縮係数(BCF)
7.有機溶媒溶解度
8.ヘンリー定数
9.熱力学的データ
 

 分光学的特性
1.はじめに
2.核磁気共鳴(NMR)分光法
3.UV分光法
4.赤外(IR)分光法
 
5.質量分析法(MS)
5.1.ダイオキシンのEI質量スペクトル
5.2.ダイオキシンのPCI質量スペクトル
5.3.ダイオキシンのNCI質量スペクトル
 

 分子物性
1.分子構造
 
2.分子パラメータ
 
 
第4章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の生成

 ダイオキシンの低温生成の化学83
1.低温時の(<300°C)化学反応による生成
2.光化学反応による生成
2.1.PXDFの生成
2.2.PXDDの生成
3.工業的塩素化プロセスおよび漂白プロセスによる生成塩素漂白プロセス
 
3.1.塩化ナトリウム電気分解
3.2.ベンゼンの塩素化によるベンゼンヘキサクロリド(BHC)----殺虫剤γヘキサクロロシクロヘキサン(LINDAN)の工業的合成
4.酵素反応による生化学的生成
 

 ダイオキシンの熱生成の化学
1.不完全燃焼における一般的化学反応過程
2.ダイオキシンの合成
2.1.炭化水素の例における酸化現象の過程
2.2.ハロゲン化反応
 
2.3ダイオキシンの合成の優先的反応経路
3.不完全燃焼におけるダイオキシン類似構造のポリハロゲン化芳香族の生成
<ポリハロゲン化PAH>
 

 標準化合物の調製
1.一般的緒言
2.縮合反応によるPXDDの合成
2.1.ハロゲン化フェノールおよびハロゲン化フェノラートの熱分解
2.2.ハロゲン化ピロカテキン(カテコール)を使用した縮合
3.環化反応によるPXDFの合成
3.1.ハロゲン化オルトアミノジフェニルエーテルの環化
3.2.ハロゲン化2,2’-ジフェノールおよび2,2’-ジフェニルトシラートの環化
3.3.ハロゲン化ジフェニルエーテルの環化
3.4.ハロゲン化ビフェニルの熱分解
 
4.ジベンゾパラダイオキシンおよびジベンゾフランの基本骨格のハロゲン化・脱ハロゲン化・ハロゲン交換の反応によるPXDD/PXDFの合成
4.1.ジベンゾパラダイオキシンおよびジベンゾフランの塩素化
4.2.ジベンゾパラダイオキシンおよびジベンゾフランの臭素化
4.3.ハロゲン置換反応およびハロゲン交換反応による塩化・臭化ダイオキシンの調製
4.4.UV水素化脱ハロゲン置換によるダイオキシンの調製
4.5.銅を触媒とした水素化脱ハロゲン置換によるダイオキシンの調製
 

 ダイオキシンの化学的および熱的分解
1.はじめに
2.酸およびアルカリによるダイオキシンの分解
3.酸化剤および還元剤によるダイオキシンの分解
 
4.光によるダイオキシンの分解
5.ダイオキシンの熱分解と熱生成削減のための措置
 
 
第5章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の分析に関する方法論

 ダイオキシン分析の用件
1.分析プロセス
2.分析対象の選択と試料の採取
3.ダイオキシンの化学的分析法
4.試料の前処理
 
5.測定段階
6.測定限界
7.分析判定基準
8.分析過程の質的管理と保証
 

 試料採取と試料前処理
1.空中試料の採取
1.1.汚染環境の試料採取
1.2.汚染(排出)源における試料採取
 
2.水中試料の採取と前処理[Buser 1991]
3.土中試料の採取[Buser 1991]
4.生物試料の採取
 

 試料前処理と抽出
1.はじめに
2.試料の前処理と液・液抽出
2.1.
2.2.生物体液
2.3.液状有機マトリックス(動物性油脂,廃油,その他)
3.試料の前処理と固・液抽出
 
3.1.空中試料(汚染環境・汚染源)からの固体試料
3.2.フィルター灰じん試料(飛灰)・燃えがら・すす
3.3.土壌,底質,下水汚泥
3.4.生物試料および食物
4.試料の前処理と超臨界流体による抽出(SFE)
 

 クリーンアップ(マトリックス)分離プロセス
1.はじめに
2.クリーンアップの一般的プロセス過程
2.1.化学薬品と使用するガラス器具
2.2.溶液の濃縮
2.3.ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)
2.4.ポリスチロールゲル・バイオビーズS-X3によるゲルろ過クロマトグラフィー[Hagenmaier et.al.1987]
3.ダイオキシン(PXDD/PXDF)分離のための液体クロマトグラフィー(LC)
3.1.酸化アルミニウム
3.2.大型・酸化アルミニウムカラム
 
3.3.小型・酸化アルミニウムカラム
3.4.化学修飾をしていない,ならびに化学修飾をしたシリカゲル
3.5.フロリシル
3.6.フロリシルカラム
3.7.炭相
3.8.CarbopackC用の手順[Riehle1990]
4.ダイオキシン(PXDD/PXDF)の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
5.分配プロセスによるクリーンアップ分析法
<化学反応が付随する分配>
 

 ダイオキシンの分析方法に対する提案
1.公式な方式に関する提案
 
2.分析方法について
 
 
第6章 キャピラリーガスクロマトグラフィーによるダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の異性体分離

 序論
 

 キャピラリーガスクロマトグラフィーによるダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の分析条件の選択
1.分離カラム
2.注入技術
3.その他の典型的な分離・分析条件
 
3.1.キャリアガス
3.2.カラムオーブンの温度プログラム
3.3.連結方式の場合のインターフェース
 

 いくつかの分離相を例としたキャピラリーガスクロマトグラフィーにおける
 ダイオキシン(PXDD/PXDF)分離の選択性
1.はじめに
2.ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)のハロゲン同族体グループの分離
 
3.ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の異性体分離
4.保持時間の構造依存性
 
 
第7章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の検出と定量

 各種のガスクロマトグラフィーの検出方式の特徴と用法
1.フレームイオン化検出器による検出(GC/FID)
2.電子捕獲検出器による検出(GC/ECD)
3.原子発光検出器による検出(GC/AED)
 
4.赤外分光法による検出(GC/IR)
5.質量分析計による検出(GC/MS)
 

 質量分析計検出併用のキャピラリーガスクロマトグラフィーによる
 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の定性と定量
1.概説
2.GC/MSによるダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の同定
3.GC/MSによるダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の定量
 
3.1.定量用標準物質
3.2.質量分析計検出の際の応答挙動
3.3.外部標準物質による定量法
3.4.内部標準物質を使用する方法
3.5.標準物質の入手
 

 クロマトグラフ以外の技術によるダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の定量
<各種分析技術法>
 
 
 
第8章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の存在状態

 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の発生源と物質パターン
<分類基準>
 
 

 ハロゲン化物の工業プロセス
1.概説
2.クロロフェノール
3.クロロフェノキシ酢酸とその誘導体
4.ポリ塩化ビフェニル(PCB)
5.その他の塩素有機化合物中にみられるPCDD/PCDF不純物
 
6.塩素を使用するパルプ・製紙工業の生産工程
7.塩素の生産と使用
8.繊維製品の洗浄
9.臭素系難燃剤
 

 ダイオキシン発生源としての熱プロセス
1.概説
2.廃棄物焼却施設
3.流動層方式による下水汚泥の焼却
4.化石燃料ベースの発電所
5.鉱石からの一次金属生産
5.1.非鉄金属
5.2.
6.熱処理による二次金属生産と金属回収のプロセス
 
6.1.鉄鋼生産
6.2.非鉄金属の回収プロセス
7.家庭用燃料の燃焼
8.内燃機関(自動車関連の排出)
9.火災
10.天然物の燃焼(バイオマス燃焼)
 

 二次発生源'一次汚染の集積
1.下水汚泥中のダイオキシン(PXDDおよびPXDF)
2.コンポスト
3.室内使用の木材保護剤
 
4.廃油
5.古廃棄物
 

 環境試料中のダイオキシン
1.外気
2.水および沈降汚泥
3.土壌
4.植物の表面および内部
 
5.水生および陸生生物
6.人体
7.食品試料中の存在
 

 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)汚染総量の総括
<現在の状態>
 
 
 
第9章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の環境挙動

 序論
<環境化学物質としてのダイオキシン>
 
 

 環境条件下での変換
1.非生物学的分解:光分解による変換と分解
<光分解の構造依存性>
2.非生物学的分解:光酸化による変換と分解
3.非生物学的分解:加水分解
 
4.生物学的分解:細菌および真菌類による変換と分解
5.生物学的分解:より高度な有機体における変換と分解
 

 種々の環境におけるダイオキシンの拡散・移動・変換
1.大気
2.水および沈降汚泥
3.土壌
 
4.生物相における蓄積
5.環境中の分布のモデル計算
 

 環境試料中におけるダイオキシン残留量の経時変化の傾向
<各種マトリックスについての最近の研究結果>
 
 
 
第10章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の分析におけるパターン認識方法

 序論
 

 パターン認識およびパターン解析
1.原データの変換
2.類似係数
 
3.簡単な相関分析
4.多変数データ分析
 
 
第11章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の毒物学的特性

 序論
<ダイオキシンの毒物学的特性の論議>
 
 

 ダイオキシンの毒性の比較評価
<毒性等価係数[ECETOC1992]>
 
 

 毒物動態論
1.吸収および分布
 
2.代謝および排泄
 

 毒物ダイナミックス----作用メカニズム
1.序言
 
2.作用メカニズムの理論
 

 毒物ダイナミックス----急性毒性
1.動物実験の研究結果
 
2.人間の急性中毒に関する経験
 

 毒物ダイナミックス----慢性毒性
1.動物実験および試験管内研究の結果
 
2.人間の慢性中毒に関する経験
 

 結論
1.人体への許容摂取量についての提言
 
2.ダイオキシンの一般的リスク評価
 
 
第12章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)に関する法的規制

 ドイツ連邦共和国における規制
1.化学物質法
1.1.化学物質禁止条令[Chem Verbots-V 1994]
1.2.危険物質条令[改正Gef Stoff-V 1993]
2.危険物輸送法
3.環境汚染防止法
 
4.廃棄物法
5.下水汚泥条令
6.労働保護法
7.その他の提言
 

 ヨーロッパにおける規制
<国レベルの規準およびEUの提言>
 
 

 ヨーロッパ以外における規制
1.米国における規準
 
2.日本における規準
 
 
第13章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の取扱い
実務要領
1.はじめに
2.実験室の設備についての要件[VDI1993,CEN1992,BGChemie1989]
3.作業従事者についての要件[Beck1983]
 
 
4.実験室運営に関する行動規準[Beck1983,Young1983]
5.記号
 
付録A
A-1.PXDD/PXDF物質群の分子イオンクラテスターの質量表
A-2.PCDD/PCDFならびにPBDD/PBDFのEI質量スペクトルにおける特徴的な指標質量と強度比率
 
A-3.EI質量スペクトルにおけるPXDD/PXDF物質群の分子イオンクラテスターの図形表示
 
付録B
B-1.頻繁に使用される各物質群の略語
 
B-2.本文および文献中で頻繁に使用されるその他の略語
 
付録C
C-1.US EPAメソッド8280
 
C-2.GC/MSによる四塩化−八塩化ダイオキシンおよびフランの分析
 
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