食品コロイド・ゲルの構造・物性とおいしさの科学


第1編 食品ゲルの形成・特性

第1章 ゲル状食品の形成 第1節 食品の微細構造・ハイドロコロイドとその可能性 《岩本 悟志》  1.はじめに  2.コロイドの定義  3.ハイドロコロイド  4.ハイドロコロイドの多様な変化について  5.典型的な食品の状態図  6.具体的なハイドロコロイドの例  7.ハイドロコロイドフィルムの新たな展開 第2節 ウォータージェット処理によるジェランガムの分散とゲル化 《窪 孝雄・松村 康生》  1.はじめに  2.実験方法  3.実験結果  4.考 察 第3節 植物性ミルクでつくるカスタードプディング 《松本 美鈴・阿相 優香》  1.はじめに  2.植物性ミルクカスタードプディング加熱過程の卵液の温度履歴  3.植物性ミルクカスタードプディング用卵液のゲル化温度  4.植物性ミルクカスタードプディングの保形性  5.植物性ミルクカスタードプディングの色  6.植物性ミルクカスタードプディングの破断特性  7.牛乳カスタードプディングの破断応力と同程度に調整した植物性ミルクカスタードプディングの    物性と嗜好性  8.まとめ 第4節 食品用オレオゲル:その構造・機能とおいしさ 《佐藤 清隆》  1.はじめに  2.オレオゲルとは?  3.SAFA は不健康なのか?  4.固体脂の機能性とオレオゲルに求められる物性  5.さまざまなオレオゲル  6.オレオゲルの食品への応用  7.代替肉へのオレオゲルの応用  8.まとめ   第2章 食品ゲルの形成機構  第1節 膨化食品の特性に与えるペクチンの影響について 《岡田 雄治》  1.はじめに  2.ペクチンについて  3.膨化食品の各種特性に与えるペクチンの作用  4.まとめ 第2節 糖質系食品におけるガラス転移と食感制御 《曽我部 知史・柏倉 雄一・川井 清司》  1.はじめに  2.ガラス転移の基礎  3.ラバー状食品におけるTg に基づく食感制御  4.おわりに 第3節 新規ゲル化多糖類のゲル形成 《新田 陽子》  1.はじめに  2.ハナビラタケからのゲル化成分抽出  3.ゲル化成分の加圧熱水抽出 第4節 食品ハイドロゲルのラマンイメージング 《川端 庸平》  1.はじめに  2.顕微ラマン分光器  3.顕微ラマン測定の実際  4.応用例の実際  5.まとめ 第5節 エタノール水溶液を用いて前処理した乳清タンパク質のゲル形成機構 《太田 尚子》  1.はじめに  2.エタノール水溶液を用いて前処理した乳清タンパク質のゲル形成機構  3.Et-OH 水溶液を用いて前処理した乾燥卵白(DEW)のゲルの特性とその形成機構  4.Et-OH 前処理WPI のWPI・DEW 混合系の物性に及ぼす影響  5.Et-OH 処理の小麦グルテン,種々の球状タンパク質および混合物の変性に及ぼす影響  6.WPIや小麦グリアジンの liquid antisolvent precipitation(LAS)(液体非溶剤沈殿法)    によるタンパク質ナノ粒子の創出  7.局所的なアンフォールディングのタンパク質凝集における重要性  8.おわりに       第2編 ゲル状食品のテクスチャー・おいしさと咀嚼・嚥下
第1章 ゲル状食品のテクスチャー 第1節 ゲル状食品の弾性/破断解析 《藤井 智幸》  1.ゲル状食品の力学物性 ― テクスチャーを正しく評価する  2.ゲル状食品の弾性評価 ― バネ弾性とゴム弾性  3.ゲル状食品の力学物性測定  4.おわりに 第2節 糖類とポリフェノール類を用いたタンパク質ゲル状食品の食感制御  《赤澤 隆志・小川 雅廣》  1.はじめに  2.糖類による食感の制御  3.ポリフェノール類による食感の制御  4.おわりに 第3節 米菓の物性・構造とくちどけ感 《西津 貴久》  1.くちどけ感と物性  2.内部構造とくちどけ感  3.内部構造と飲み込みやすさ   第2章 ゲルのおいしさ 第1節 ゼリーやプリンなどのおいしさの科学 《三浦 靖》  1.はじめに  2.食品のおいしさ  3.ゼリーやプリンのおいしさ  4.ゼリーやプリンのおいしさの制御  5.ゼリーやプリンのおいしさの評価  6.おわりに 第2節 ゲル状食品の呈味強度・咀嚼・呈味物質の空間的偏在 《森 初惠》  1.はじめに  2.寒天ゲルとゼラチンゲルの呈味強度の比較  3.分子量と摂食前サイズの異なるアガロースゲルの甘味強度と塩味強度  4.空気混入によるゲルの甘味強度への影響  5.糖分が豊富なドメインが埋め込まれた構造化ゼラチンゲルにおける甘味と食感の認識  6.ショ糖が偏在するゲルの味の呈味物質の空間分布と破壊特性の複合効果  7.呈味物質の空間分布が偏在するゲル,パンおよびソーセージの嗜好性 第3節 加圧タンパク質ゲルのテクスチャーとフレーバー 《井倉 則之》  1.はじめに  2.加圧タンパク質ゲルと香気成分放散挙動  3.香気成分による加圧タンパク質ゲルの物性変化  4.おわりに   第3章 ゲルの咀嚼・嚥下 第1節 食品ハイドロコロイド混合系ゲルの調理加工における物性・構造と咀嚼性  《吉村 美紀・江口 智美》  1.はじめに  2.コーンスターチ・コンニャクグルコマンナン混合系ゲル  3.小麦粉・タピオカデンプン混合系ゲル  4.米粉・大豆タンパク質混合系ゲル  5.寒天・ゼラチン・食材混合系ゲル  6.おわりに 第2節 咀嚼音に関わる食品の構造と物性 《西津 貴久》  1.はじめに  2.音/振動とテクスチャー用語  3.口腔内での振動と音の発生,伝播,感知  4.食品の破砕音の評価  5.米菓への油浸透度が食感に及ぼす影響  6.おわりに 第3節 やわらかいゲルの咀嚼 《神山 かおる》  1.ゲル状の食品と人の器官  2.舌でつぶせる食品の力学特性  3.既存の機器によるテクスチャー測定の問題点  4.ソフトマシンによるやわらかいゲルの物性評価  5.無色透明なモデル舌の導入  6.おわりに 第4節 食品咀嚼時の嚥下誘発に関わる食塊物性 《塩澤 光一》  1.咀嚼過程の持つ2 つの目的  2.嚥下誘発に関わる食塊物性  3.おわりに 第5節 ゲル状食品の力学特性と一口摂取量 《高橋 智子》  1.はじめに  2.ゲル試料  3.ゲル試料の力学的特性  4.飲み込み特性  5.力学的特性と官能評価,および咀嚼方法,嚥下回数の関係  6.まとめ 第6節 気泡混合ゲルの物理的特製と嚥下食 《高橋 智子》  1.はじめに  2.試 料  3.気泡分散状態,および気泡含有率  4.力学的特性  5.嚥下時筋電位測定  6.まとめ       第3編 エマルション食品の調製・構造とおいしさ
第1章 エマルション食品 第1節 乳製品(チーズ)の構造と品質 《佐藤 薫》  1.チーズの定義と分類  2.チーズの製造方法  3.カゼインミセルの構造とチーズの凝固メカニズム  4.チーズの物性  5.チーズの物性測定 第2節 豆乳の構造と加工技術の進展 《下山田 真》  1.豆乳の製造方法と構造  2.豆乳の加工技術  3.今後の展望 第3節 コロイド分散系の制御に基づく豆乳製品 《伊藤 健介・井戸川 詩織》  1.はじめに  2.豆乳製品におけるコロイド分散系の特徴と脂質の影響  3.豆乳製品の今後の展望 第4節 乳化剤によるテクスチャーデザインとは 《粟飯原 知洋・ 菅原 大地》  1.はじめに  2.食品コロイドと乳化剤  3.油脂結晶に対する乳化剤の影響  4.O/W エマルションにおける油脂結晶と乳化剤  5.ホイップクリームに対する乳化剤の応用  6.チョコレートに対する乳化剤の応用 第5節 乳酸菌・発酵食品の機能性とおいしさ 《日比 友之・中島 勇貴・木下 英樹》  1.はじめに  2. 乳酸菌およびビフィズス菌の機能性  3.発酵食品のおいしさと呈味・香気成分  4.おわりに   第2章 エマルションゲルの調製とテクスチャー・おいしさ 第1節 寒天のエマルションゲル 《合谷 祥一》  1.エマルションゲル  2.単分散的なエマルションおよびエマルションゲルの調製  3.寒天エマルションゲルの破断強度に対する油滴の体積分率と粒径の影響  4.寒天エマルションゲルの破断強度に対する寒天濃度の影響  5.エマルション寒天ゲルの微細構造  6. 寒天エマルションゲルの破断強度に対する油滴の粒径の影響に対する考察  7.寒天エマルションゲルの官能評価  8.まとめ 第2節 大豆エマルションゲル ―人生100 年時代の高カロリーでおいしい食品の調製― 《山野 善正》  1.はじめに  2.試料および実験方法  3.ゲルの形成  4.11S,7Sタンパクゲルのテクスチャー  5.大豆タンパク質‐油‐水系ゲルのテクスチャーヘの粉末油脂成分の影響  6.ESR 法によるゲルの微細構造解析  7.ゲル形成に対する塩化ナトリウムの影響  8.種々の植物油脂添加ゲルの調製  9.おわりに 第3節 大豆タンパク質エマルション食品のおいしさ 《江木 伸子》  1.はじめに  2.大豆タンパク質エマルションの調製方法  3.大豆タンパク質エマルションの食品への利用  4.大豆タンパク質エマルション食品のおいしさ 第4節 液体油脂が細びきソーセージのエマルジョンとテクスチャーに与える影響 《鈴木 健太》  1.はじめに  2.エマルジョン形成における重合リン酸塩の役割  3.重合リン酸塩を添加していないソーセージへの弾力性付与       第4編 粒子とゲル
第1章 食品ハイドロコロイドの構造と物性 《熊谷 仁・谷米(長谷川)温子・二宮 和美》  1.はじめに  2.液体(ゾル)の粘度  3.ゾル- ゲル転移点近傍における食品の力学物性の解析  4.高分子電解質溶液の粘度とスケーリング則  5.ハイドロコロイドの分散構造と動的粘弾性の挙動  6.タンパク質凝集ゲルのフラクタル構造と弾性挙動  7.おわりに   第2章 もち米粉の粒子径と分散糊液の特性 《江口 智美・吉村 美紀》  1.はじめに  2.水挽条件が異なる9 種類のもち米粉の調製  3.水挽条件が異なるもち米粉の粒子径分布と粒形態  4.水挽条件が異なるもち米粉の一般成分および損傷澱粉率  5.水挽条件の異なるもち米粉分散糊液の動的粘弾性  6.おわりに   第3章 食品の粒子感に及ぼす粒子と分散媒の特性 《中野 優子》  1.食品中の粒子が呈するテクスチャー  2.粒子感と粒子の特性  3.粒子感と分散媒の特性  4.食品の粒子感と嗜好性  5.おわりに
 
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