編集小委員会では,油化学の全体像を提示することを主な目的としている“便覧”に記述されている基礎的データを生かしながら,現場に役に立つ最新のデータを加味したデータブックをまとめることにした.
 油化学が包括する分野は,食品,せっけん,洗剤,化粧品,医薬品,工業用品,さらに最近では代替エネルギーとしてのバイオ燃料などのバイオ関連技術,ものづくりに必要なナノテクノロジー,製品製造に不可欠な安全性データ・法規制データ,規格など多岐にわたり,そのデータは最新のものが求められている.その要望を十分に満足させるのがこのデータブックである.今回のデータブックの大きな特徴は,以下のとおりである.

1)油化学の視点からのオリジナル性をもたせたデータブックとし,できるだけ新しいデータを多方面から収集している.

2)データブックであるためデータを中心とし,解説をデータ参照の際の必要最低限にとどめる.そのために,文献を多く紹介している.

3)用語解説,基礎概念の解説などは日本油化学会編の他書やその他の教科書に譲り(“油脂・脂質の基礎”や“界面と界面活性剤”,“基準油脂分析試験法”,“界面活性剤評価・試験法”),上記の書籍に載っていない解説をデータブックに収載している.

4)試験に関しては,ヒト摂取試験のデータを最優先し,ヒトに関するデータを主に掲載する.ヒトに関するデータがない場合は動物実験のデータを収載している.

5)読者が調べたいデータにたどり着きやすい目次立てにし,目次構成はシンプルにしている.

6)その分野の初心者?中級者を主な読者対象として念頭に置き,データをまとめている.

7)油化学分野でしか得られない基本データを収録している.

8)現場で役に立つデータを収載している.

9)物性データは単独で載せるだけでなく,他のデータと比較できるように,できるだけ多くのデータを収載している.

2012年 錦秋
公益社団法人 日本油化学会 会長
油脂・脂質・界面活性剤データブック 編集委員長
阿部 正彦
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